公開日:2026.01.12 / 最終更新日:2026.01.19 通信制高校について

高校の奨学金・支援金制度完全ガイド|無償化の条件と申請方法

高校進学を控えたご家庭で、授業料や教育費の負担が気になっていませんか。条件を満たせば、授業料が実質無償になったり、教材費や通学費の補助を受けられる制度があります。この記事では、高等学校等就学支援金制度をはじめ、全日制・定時制・通信制それぞれの支給額、世帯年収による受給資格の違い、申請方法まで詳しく解説。お子様の教育資金計画を立てる際の参考にしてください。

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目次

※本記事の情報は2025年4月時点のものです。制度内容は変更される場合があります。

高校で利用できる奨学金・支援金制度とは?

高校生が利用できる支援制度には、国による全国一律の制度と、都道府県が独自に実施する制度の2種類があります。

国の支援制度の概要

国が実施する主な支援は以下の2つです。

  • 高等学校等就学支援金制度:授業料を支援します(返済不要)
  • 高等学校等奨学給付金制度:教科書代や修学旅行費など、授業料以外の教育費を支援します

都道府県による独自の支援制度

都道府県によっては、国の制度に上乗せする形で独自の支援金を設けています。特に私立高校の授業料が高額な地域では、国の支援金だけでは賄えない部分を補助する制度があります。

お住まいの自治体によって利用できる制度や支給額が異なるため、各教育委員会や学校での確認が大切です。

支援制度の対象となる学校種別

学校種別 支援金制度の適用 特徴
公立高校(全日制・定時制) 適用 授業料が無償または大幅に軽減
私立高校(全日制・定時制) 適用 世帯年収に応じて支給額が加算
通信制高校 適用 単位制に応じた支給
高等専門学校 適用 1年生から3年生まで適用
専修学校高等課程 適用 一定の要件を満たす課程が対象

奨学金と支援金の違い

混同されがちですが、明確な違いがあります。

  • 支援金:国や自治体が提供する返済不要の給付で、主に授業料の負担軽減が目的です
  • 奨学金:給付型と貸与型があり、貸与型は卒業後に返済が必要です

高校段階では主に給付型の支援が中心となっており、経済的理由で進学を諦めることがないよう配慮されています。

支援制度の申請時期と流れ

多くの制度は入学時または年度初めに申請します。在学中も毎年継続の手続きが必要な場合があるため、学校からの案内を注意深く確認してください。

高等学校等就学支援金制度の基本|受給条件と仕組み

高等学校等就学支援金制度は、国が実施する授業料支援制度です。2010年に創設され、2014年の制度改正後、現在は所得制限を設けた上で支援金が支給されています。

制度の対象となる学校

就学支援金制度の対象となるのは、以下の学校に在学する生徒です。

学校種別 詳細
国公私立高等学校 全日制、定時制、通信制
中等教育学校 後期課程
特別支援学校 高等部
高等専門学校 第1学年から第3学年まで
専修学校 高等課程
各種学校 国に指定された外国人学校など

受給資格の基本条件

日本国内に住所を有していることが前提です。ただし、以下の場合は対象外となります。

  • 高等学校等を既に卒業している
  • 在学期間が36月(定時制・通信制は48月)を超えた

所得制限の基準

2020年4月から、判定基準が変更されました。保護者等の課税標準額と市町村民税の調整控除額をもとに算出される「判定基準額」で支給の可否が決まります。

判定基準額は以下の計算式で算出されます。

判定基準額 = 課税標準額 × 6% - 市町村民税の調整控除額

この判定基準額が304,200円未満の世帯が支援金の対象です。なお、154,500円未満の世帯は、私立高校の場合に加算支給を受けられます。なお、両親のうち収入の多い方のみではなく、保護者全員分の所得を合算して判定されます。

支給の仕組みと受給方法

就学支援金は、生徒が直接受け取るわけではなく、国から学校設置者に支払われる仕組みです。学校が授業料に充当するため、生徒は差額のみを納付します。

私立高校の場合、授業料が就学支援金の支給額を超えることが多く、差額分は自己負担が必要です。一方、公立高校で所得要件を満たす世帯では、就学支援金により授業料が実質無償化されます。

支給期間と在学期間の上限

就学支援金の支給期間には上限が設けられています。全日制高校では36月、定時制・通信制高校では48月が上限です。留年や休学で在学期間が延びた場合でも、この上限を超えて支給を受けることはできません。

全日制・定時制高校の就学支援金|支給額を解説

全日制高校と定時制高校では、月額制で就学支援金が支給されます。国公立と私立では支給額が大きく異なるため、それぞれの違いを把握しておきましょう。

国公立高校の支給額

国公立高校の場合、授業料相当額として月額9,900円が支給されます。年間では118,800円となり、多くの世帯で授業料が実質無償になります。

課程 月額支給額 年額支給額
全日制 9,900円 118,800円
定時制 2,700円 32,400円

定時制課程は全日制より授業料が低く設定されているため、支給額も月額2,700円と少なめですが、授業料は原則無償です。

私立高校の支給額

私立高校の場合、世帯年収に応じて支給額が変わります。基本は月額9,900円ですが、世帯年収約590万円未満なら加算支給を受けられます。

世帯年収の目安 月額支給額 年額支給額
約590万円以上 9,900円 118,800円
約590万円未満 33,000円 396,000円

私立高校の全日制では、年収約590万円未満の世帯に対して最大で年額396,000円まで支給されます。ただし、実際の授業料がこれを上回る場合は、差額分が自己負担となります。

支給期間と支給方法

就学支援金は、最長36か月間支給されます。全日制の場合は原則として3年間、定時制の場合は最長4年間受給できます。

支給方法については、生徒に直接支給されず、学校が代理受領する仕組みです。学校が就学支援金を受け取り、授業料と相殺することで授業料負担が軽減されます。

通信制高校の就学支援金|単位制による支給の仕組み

通信制高校では、単位制による就学支援金の支給方式が採用されています。授業料が単位ごとに設定されているため、履修する単位数に応じて支援金が支給される仕組みです。

通信制高校の授業料と支援金の計算方法

通信制高校の授業料は1単位あたりの単価で設定されており、就学支援金は1単位あたり最大4,812円が支給されます。年間の支給上限は74単位分までです。

支給額の詳細と世帯年収による加算

世帯年収に応じて、1単位あたりの支給額が変わります。基本的な支給額に加え、低所得世帯には加算措置があります。

世帯年収の目安 1単位あたりの支給額 年間上限単位数
約590万円未満 最大12,030円 74単位
約590万円以上約910万円未満 4,812円 74単位

面接指導料やスクーリング費用の取り扱い

通信制高校では、単位取得のためにスクーリング(面接指導)が必要です。面接指導料やスクーリング費用も就学支援金の対象となる場合がありますが、学校によって費用設定が異なるため確認が必要です。

通信制高校における支給の流れ

通信制高校の就学支援金は、入学時や年度初めに履修登録後、学校を通じて申請します。支給決定後は、授業料から就学支援金が差し引かれた額を納入します。履修単位数の変更があった場合には支給額も変動するため、履修計画は事前に確認しておきましょう。

高等学校等奨学給付金|授業料以外の費用をサポート

高等学校等奨学給付金は、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、校外活動費など、授業料以外の教育費を支援する返済不要の給付金です。

奨学給付金の対象となる世帯

奨学給付金を受給できるのは、次の条件すべてを満たす世帯です。

  • 生活保護受給世帯
  • 保護者等全員の道府県民税所得割額および市町村民税所得割額が非課税の世帯(年収約270万円未満の世帯が目安)
  • 保護者等が当該都道府県内に在住している
  • 生徒が高等学校等就学支援金の対象となる高校等に在学している

支給額の目安

奨学給付金の支給額は、世帯の状況や通学形態、学年によって異なります。令和5年度の支給額の目安は以下の通りです。

世帯区分 通学形態 年額(国公立) 年額(私立)
生活保護受給世帯 全日制・定時制 32,300円 52,600円
道府県民税所得割額・市町村民税所得割額非課税世帯(第1子) 全日制・定時制 110,100円 134,600円
道府県民税所得割額・市町村民税所得割額非課税世帯(第2子以降) 全日制・定時制 143,700円 152,000円
道府県民税所得割額・市町村民税所得割額非課税世帯 通信制 50,100円 50,100円

支給対象となる費用

奨学給付金で賄うことができる費用には、次のようなものがあります。

  • 教科書費・副教材費
  • 学用品費
  • 通学用品費(制服、体操着、上履き、通学かばんなど)
  • 教科外活動費(部活動費、生徒会費など)
  • 修学旅行費
  • PTA会費・生徒会費

奨学給付金は学校を通じて申請し、原則として保護者の口座に直接振り込まれます。都道府県によっては、一部の費用について学校が代理受領する場合もあります。

申請時期と手続き

毎年7月頃に学校から案内があるため、指定された期限内に必要書類を提出してください。年度途中で家計が急変した場合も申請が可能な場合があるので、学校に相談してみましょう。

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都道府県独自の支援金制度を併用する

国の就学支援金制度に加えて、各都道府県が独自に実施している授業料支援制度を併用することで、さらに教育費の負担を軽減できます。これらの制度は都道府県ごとに名称や支給条件、支給額が異なるため、居住地の制度を確認することが重要です。

主な都道府県独自の支援制度

国の就学支援金に加えて、各都道府県が独自に実施している授業料支援制度を併用すると、さらに教育費の負担を軽減できます。

都道府県 制度名 対象 主な特徴
東京都 私立高等学校等授業料軽減助成金 私立高校生 世帯年収約910万円未満の世帯に上乗せ支援
大阪府 私立高等学校等授業料支援補助金 私立高校生 世帯年収約590万円未満は実質無償化
神奈川県 私立高等学校等生徒学費補助金 私立高校生 国の支援金に上乗せして補助
埼玉県 私立高等学校等父母負担軽減事業補助金 私立高校生 年収約720万円未満まで段階的に補助

都道府県独自制度の特徴

都道府県独自の支援制度は、国の制度と異なる特徴を持ちます。所得制限の基準は都道府県ごとに異なり、国の制度より対象範囲が広いケースもあります。また、支給額も自治体の財政状況や教育政策によって変わります。

公立高校への支援

一部の都道府県では、公立高校に通う生徒に対しても独自の支援を実施しています。入学金や教材費、修学旅行費などの補助を行う自治体もあります。

私立高校への手厚い支援

 私立高校の授業料は公立高校より高額なため、多くの都道府県が私立高校生への上乗せ支援を実施しています。一部の自治体では、一定所得以下の世帯について私立高校の授業料実質無償化を実現しています。

併用する際の注意点

国の就学支援金と都道府県独自の支援制度を併用する際には、いくつかの注意点があります。申請手続きや必要書類が制度ごとに異なるため、それぞれの締切日を確認して遅れないようにしましょう。

申請窓口の違い

国の就学支援金は学校を通じて申請する一方、都道府県独自の制度は自治体の教育委員会や専用窓口への申請が必要な場合があります。

所得判定の基準日

国の制度と都道府県の制度では、所得判定に用いる課税証明書の年度が異なる場合があります。申請時期によっては複数年度の書類が必要になることもあるため注意してください。

情報の確認方法

都道府県独自の支援制度の詳細は、各都道府県の教育委員会のウェブサイトで公開されています。また、在籍する高校や入学予定の高校に問い合わせると、具体的な申請方法や必要書類について案内を受けられます。

世帯年収と支援金受給資格の関係

就学支援金の支給額は、保護者等の世帯年収によって決まります。

所得判定の基準と計算方法

2020年4月以降、「市町村民税の課税標準額×6%−市町村民税の調整控除額」で算出される金額が30万4,200円未満の世帯が支援金の対象です。

判定に用いられるのは保護者等(親権者)の所得情報で、両親が共働きの場合は両方の所得を合算します。生徒本人の収入は判定に含まれません。

世帯年収による支給額の違い

世帯年収の目安に応じて、支給される就学支援金の額が異なります。以下の表で具体的な金額を確認できます。

世帯年収の目安 判定基準額 支給額(全日制・定時制) 支給額(通信制)
約590万円未満 154,500円未満 月額9,900円(年額118,800円)の2.5倍 1単位あたり12,030円
約590万円以上~約910万円未満 154,500円以上304,200円未満 月額9,900円(年額118,800円) 1単位あたり4,812円
約910万円以上 304,200円以上 支給対象外 支給対象外

私立高校に通う場合、世帯年収約590万円未満の世帯では年額最大396,000円まで支給されるため、授業料の実質無償化が実現する場合があります。

世帯構成による収入基準の違い

同じ世帯年収でも、世帯構成によって判定基準額は変動します。扶養する子どもの人数や配偶者の有無などによって、課税標準額や調整控除額が異なるためです。

年収が基準を超える場合の対応

世帯年収が基準を超えて支援金の対象外となっても、都道府県独自の支援制度や学校独自の奨学金制度を利用できる可能性があります。

また、家計が急変した場合(保護者の失業や破産、災害など)には、年度途中からでも申請できる仕組みが用意されています。学校に相談してみてください。

奨学金・支援金の申請方法と必要書類

申請の基本的な流れ

奨学金・支援金制度を利用するには、在籍する学校を通じて申請を行う必要があります。

新入学生の場合 入学手続きの際に学校から申請書類が配布されるので、必要書類を揃えて学校が指定する期限までに提出してください。

在学生の場合 毎年7月頃に意向確認が行われ、継続を希望する場合は必要書類を再度提出します。

就学支援金の申請に必要な書類

高等学校等就学支援金の申請には、以下の書類が必要になります。

書類名 内容
受給資格認定申請書 学校から配布される専用の申請書
マイナンバーカードの写し 保護者全員分のマイナンバーが確認できる書類
課税証明書 マイナンバー提出ができない場合に必要
収入状況届出書 在学中の継続申請時に必要

マイナンバーを提出すると課税証明書の提出が不要になり、手続きが簡素化されます。マイナンバーカードがない場合は、通知カードやマイナンバーが記載された住民票の写しでも代用できます。

奨学給付金の申請に必要な書類

高等学校等奨学給付金は就学支援金とは別の制度であり、申請書類も異なります。

書類名 内容
奨学給付金申請書 都道府県指定の申請書
生活保護受給証明書 生活保護世帯の場合に必要
住民税非課税証明書 非課税世帯であることを証明する書類
在学証明書 学校が発行する在籍を証明する書類
振込口座申出書 給付金の振込先を指定する書類

奨学給付金の申請は都道府県ごとに実施主体と申請期限が異なるため、在籍する学校または都道府県の担当窓口に確認してください。

申請時期と注意点

就学支援金の申請期限は入学後すぐに設定されていることが多く、期限を過ぎると受給開始が遅れる場合があります。

  • 新入学生:4月〜5月
  • 在学生:7月頃

提出書類に不備があると審査が遅れるため、記入漏れや添付書類の不足がないか確認してから提出しましょう。特にマイナンバーの記載ミスや保護者全員分の書類が揃っていないケースが多いため注意してください。

オンライン申請システムの活用

一部の都道府県では、就学支援金の申請手続きをオンラインで行えるシステムが導入されています。書類の郵送が不要になり、手続きの時間短縮につながります。

学校から配布されるIDとパスワードでシステムにログインし、画面の指示に従って必要事項を入力してください。マイナンバーも電子的に提出できます。

審査結果と支給開始時期

申請後、都道府県による審査が行われ、認定されると学校に通知されます。審査には通常1〜2か月程度かかります。

4月に申請した場合、認定が6月以降になることもありますが、支給は4月に遡って適用されるため、差額は後日調整されます。ただし申請が遅れた場合は遡及されないため、早めの手続きが重要です。

まとめ|高校の奨学金・支援金制度を活用して学びの可能性を広げよう

高校の奨学金・支援金制度を適切に活用すれば、家庭の教育費負担を大きく軽減できます。

主なポイント

  • 高等学校等就学支援金制度:授業料を支援(全日制・定時制は年間最大11万8,800円)
  • 高等学校等奨学給付金:教科書費・教材費などをサポート(住民税非課税世帯が対象)
  • 都道府県独自の支援金:国の制度に上乗せして、より手厚い支援を受けられる可能性

申請には所得証明書やマイナンバーカードが必要で、学校を通じて手続きを行います。支援金制度は申請しなければ受けられません。該当する方は必ず手続きを行い、充実した高校生活を送ってください。

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

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