
「欠席日数が多いからどこにも受からないのでは?」と不安になるかもしれませんが、実は内申点をカバーする仕組みや、出席扱いになる制度など、今の状況からでも選べる道はたくさんあります。
この記事では、不登校からの志望校選び、内申点の対策、そして無理のない勉強法まで、再スタートに必要な情報を整理しました。不登校は進路の終わりではなく、自分に合った学び場を見つけるチャンスです。一歩踏み出すためのヒントとして、ぜひ活用してください。
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学校に行けていない期間があると「受験資格がないのでは?」と不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。中学校を不登校で過ごしていても、高校を受験する権利は守られています。
全日制、定時制、通信制など、高校には多様な選択肢があり、それぞれの状況に合わせた進路を選ぶことが可能です。文部科学省の調査でも、多くの不登校経験者が高校へ進学していることが分かっています。今の学校が合わなかったからといって、将来の道が閉ざされるわけではありません。むしろ、自分にぴったりの学び場を見つけるためのステップだと捉えてみましょう。
受験を目指すにあたって、いくつか向き合うべきポイントがあるのも事実です。主な課題を整理しました。
| 課題 | 内容 |
| 学力の遅れ | 授業に出席していない期間の学習内容が抜け落ちている可能性がある |
| 内申点の影響 | 欠席日数や提出物の未提出が調査書に反映される |
| 情報不足 | 受験制度や志望校選びに関する情報を得にくい環境 |
| 心理的な不安 | 受験や入学後の学校生活に対する恐怖や緊張 |
これらの壁は確かに存在しますが、正しい情報を知り、自分に合った対策を立てれば、十分に乗り越えていくことができます。
まずは、入試までの大まかな流れを知ることから始めましょう。一般的なスケジュールは以下の通りです。
| 時期 | 主な行動 |
| 中学3年生の4月~7月 | 志望校の情報収集、学習計画の立案 |
| 8月~10月 | オープンスクールや学校説明会への参加、出願校の絞り込み |
| 11月~12月 | 最終的な志望校決定、三者面談 |
| 1月~2月 | 願書提出、私立高校入試 |
| 2月~3月 | 公立高校入試、合格発表 |
不登校の場合でも、この基本的な流れは変わりません。もし本人が学校に行くのが難しい時期であれば、保護者だけでの相談を受け付けている学校も多いため、無理のない範囲で情報を集めていきましょう。
不登校からの受験で一番大切なのは、一人で抱え込まないことです。
中学校の先生やカウンセラー、地域の支援センター、フリースクールなど、頼れる相談先は複数あります。家族だけで解決しようとせず、周囲のサポートをうまく活用しましょう。不安を話せる環境があるだけで、精神的な負担はぐっと軽くなります。
また、同じように不登校を経験して進学した先輩の体験談を聞く機会があれば、高校生活の具体的なイメージを持ちやすくなるはずです。
不登校からの受験で多くの方が一番不安に思うのが、調査書に書かれる欠席日数や内申点の影響ではないでしょうか。高校によって判断基準はさまざまですが、正しく対策を立てて志望校を選べば、合格は十分に目指せます。
調査書は、中学校での過ごし方を高校側に伝えるための公式書類です。合否判定の重要な資料となり、主に以下の内容が含まれます。
| 記載項目 | 内容 |
| 各教科の評定 | 5段階評価の成績(内申点) |
| 出欠の記録 | 欠席日数・遅刻・早退の回数 |
| 行動の記録 | 学校生活での態度や活動 |
| 特別活動の記録 | 委員会活動・部活動・行事参加など |
| 総合所見 | 担任による総合的なコメント |
内申点の扱いは地域や高校によって異なりますが、多くの場合は「当日の試験点数」と「内申点」を合算して判定されます。
授業に出られないと、定期テストの結果や平常点がつかず、内申点が低くなりがちです。しかし、中には内申点よりも当日の試験結果を重視する高校もあります。こうした学校を選ぶことで、内申点のハンディを最小限に抑えることが可能です。
欠席日数の捉え方は、高校の種類によって大きく異なります。
| 高校の種類 | 欠席日数の影響 |
| 公立高校(全日制) | 年間30日以上の欠席で不利になる場合が多い。ただし学力試験で挽回可能な学校も |
| 私立高校 | 学校により柔軟。個別相談で欠席理由を説明できる機会がある |
| 通信制高校 | 欠席日数をほとんど問わない学校が多い |
| 定時制高校 | 欠席日数より学習意欲を重視する傾向 |
「30日を超えたら絶対に不合格」というわけではありません。自分の状況を受け入れてくれる学校を探すことが大切です。
調査書の備考欄や総合所見欄には、不登校の背景を担任の先生が記載してくれる場合があります。病気や家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合は、高校側もそれを考慮して判断するのが一般的です。
特に私立高校では、事前の相談や面接で「なぜ休んでいたのか」「高校でどう頑張りたいか」を直接伝えるチャンスがあります。数字以外の部分を評価してもらうことで、合格へ近づくことができます。
内申点が足りないからと諦める必要はありません。まずは、当日の学力試験でしっかりと得点を取ることに集中しましょう。配点比率が「試験重視」の学校を戦略的に選ぶのが最も効果的です。
また、中3の後半から少しずつテストを受けたり、提出物を出したりするだけでも、内申点が改善される可能性があります。たとえ短期間であっても、「前向きに変わろうとしている姿勢」を調査書に残すことは、高校側への良いアピールになります。
学校に通えていない状況でも、制度をうまく活用すれば「出席」として認められたり、内申点への影響を抑えたりすることができます。今の場所でできる工夫を知り、受験を有利に進める準備を始めましょう。
文部科学省の指針により、学校外の施設での活動や自宅学習が、学校長の判断で「出席扱い」になる制度があります。これを利用すれば、調査書の欠席日数を減らすことが可能です。
| 施設の種類 | 具体例 | 出席扱いの条件 |
| 教育支援センター(適応指導教室) | 市区町村が設置する公的な支援施設 | 定期的な通室と活動記録 |
| 民間のフリースクール | NPO法人や民間団体が運営する教育施設 | 学校長の判断と施設との連携 |
| ICT等を活用した自宅学習 | オンライン教材、通信教育 | 学習記録の提出と定期的な面談 |
まずは保護者から学校へ相談することが第一歩です。学校側と「どういった活動をすれば出席とみなすか」を事前に話し合い、施設での様子や学習状況を定期的に報告する流れを作ります。
教育支援センターは、不登校の子どもの学習や居場所をサポートする公的な施設です。ここで過ごした時間は原則として出席扱いになるため、内申点への不安を和らげることができます。
専門の相談員や教員OBが個別に学習をサポートしてくれます。学校とも密に連携しており、費用が無料または低額な点も大きなメリットです。
在籍している中学校の担任の先生に相談し、紹介を受けるのが一般的です。面談を経て、週1回など自分のペースに合わせた通室計画を立てることができます。
民間のフリースクールも選択肢の一つです。多様なカリキュラムがあるため、本人の興味に合った場所を選べるのが魅力です。
見学や体験を通じて、本人がリラックスして過ごせるかを確認しましょう。出席扱いに対応しているか、学校との連携実績があるかなども事前に聞いておくと安心です。
外に出ることが難しい場合、タブレットやPCを使ったオンライン学習でも出席扱いが認められるケースがあります。
学習記録を学校に提出し、先生との連絡を継続することが求められます。使用する教材が学習指導要領に沿っている必要があるため、導入前に学校へ確認しておきましょう。
出席日数以外でも、できる範囲で学校との接点を持つことが評価につながります。
授業には出られなくても、テストだけ受けるという選択肢があります。別室受験や時間差登校など、心理的な負担を減らす工夫をしてくれる学校も多いため、一度相談してみる価値はあります。
ワークやレポートなどの提出物は、郵送や保護者経由で提出可能です。これらは成績評価の重要な材料になるため、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
文化祭や放課後の部活動など、興味のある活動にだけ参加する形でも構いません。学校とのつながりを維持している姿勢は、調査書の総合的な評価にプラスに働きます。
どうしても内申点が足りない場合は、入試の選び方で対策をしましょう。
| 入試の種類 | 内申点の比重 | 有利なケース |
| 一般入試(当日点重視型) | 低い(3割程度) | 学力に自信がある場合 |
| 推薦入試 | 高い(5~7割) | 内申点が比較的良好な場合 |
| 私立単願 | 学校により異なる | 面接や作文で評価される場合 |
都道府県により入試制度は異なりますが、当日の学力試験の配点が高い学校や入試方式を選ぶことで、内申点の不利を補うことが可能です。過去の入試データや合格者の内申点分布を確認し、現実的な目標を設定しましょう。
通信制高校や一部の私立高校では、過去の成績や出席日数をほとんど問わない入試を実施しています。本人の「これから頑張りたい」という意欲を重視してくれる学校であれば、公平に評価してもらえます。
不登校を経験した後の高校選びは、心機一転して新しい生活を始める大切なチャンスです。全日制だけでなく、今の自分に無理のないペースで通える場所はたくさんあります。それぞれの特徴を比較して、納得のいく進路を見つけましょう。
平日の朝から夕方まで通う、最も一般的なスタイルです。部活動や行事が多く、同年代と深く関わりながら賑やかな学校生活を送りたい人に向いています。
| 項目 | 内容 |
| 授業時間 | 平日の午前から午後(8:30〜15:30頃) |
| 卒業までの期間 | 3年間 |
| メリット | 規則正しい生活リズム、豊富な学校行事、進路指導の充実 |
| デメリット | 出席日数の厳格な管理、集団生活への適応が必要 |
不登校から全日制を目指すなら、内申点よりも当日の試験を重視する学校や、不登校経験者の受け入れに積極的な私立高校などを選ぶのが現実的です。
校舎での学習や自宅学習をベースに、レポート提出とスクーリング(登校日)、試験で単位を取得します。不登校から進学する人にとって、最も心理的なハードルが低い選択肢といえます。
| 項目 | 内容 |
| 学習スタイル | 校舎や自宅でのレポート学習+スクーリング)、試験 |
| 卒業までの期間 | 最短3年間(在籍期間は柔軟に設定可能) |
| メリット | 自分のペースで学習可能、登校日数が少ない、全国から入学可能 |
| デメリット | 自己管理能力が必要、友人関係を築きにくい、学習サポートは学校により差がある |
最近は「週3日通学」など、少しずつ登校に慣れていけるコースを設けている学校も増えています。
夜間や昼間の決まった時間帯に授業を行います。少人数クラスが多く、先生との距離が近いのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
| 授業時間 | 夜間(17:30〜21:00頃)または昼間の部(午後など) |
| 卒業までの期間 | 3〜4年間 |
| メリット | 少人数制、多様な背景を持つ生徒がいる、学費が比較的安い |
| デメリット | 授業時間が遅い、卒業まで4年かかる場合がある |
中学時代に欠席が多かった生徒を広く受け入れている学校が多く、温かい雰囲気の中で学び直せる環境が整っています。
「学年」という区切りがなく、必要な単位を積み上げて卒業を目指す仕組みです。全日制や定時制の中に、単位制を導入している学校があります。
| 項目 | 内容 |
| 学習スタイル | 自分で時間割を組み、必要な単位を履修 |
| 卒業までの期間 | 3年間以上(取得単位数による) |
| メリット | 留年がない、自分の興味に合わせて科目選択が可能、学び直しがしやすい |
| デメリット | 自己管理が求められる、計画的な履修が必要 |
不登校期間に取得できなかった学習内容を自分のペースで補えるため、無理なくステップアップできます。
美容、調理、ITといった専門分野を学びながら、高校卒業資格の取得を目指せます。
| 項目 | 内容 |
| 学習内容 | 専門分野(美容、調理、IT、声優など)+普通科目 |
| 卒業資格 | 高等専修学校卒業資格(大学入学資格付与校なら高卒資格相当) |
| メリット | 実践的なスキルが身につく、少人数できめ細かい指導、興味がある分野で意欲が高まる |
| デメリット | 学費が高い場合がある、進学先が限定される場合がある |
通信制高校の学習を支援する「サポート校」では、メンタルケアや学習のフォローが充実している場所が多く、安心して通い始められます。
自分に合った学校を選ぶために、以下の5つのポイントをチェックしてみましょう。
ネットの情報だけで決めず、実際に学校を見学して「ここなら通えそう」という直感を大切にしてください。不安なことは個別相談で事前に解消しておきましょう。
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不登校を経験した生徒にとって、高校選びは偏差値や進学実績だけで決めるべきではありません。一番大切なのは、入学した後に「ここなら通い続けられる」と本人が思えるかどうかです。自分にぴったりの環境を見極めるための具体的な視点を見ていきましょう。
まずは、不登校の経験を理解し、支えてくれる土壌があるかを確認しましょう。個別相談会などで、過去の受け入れ実績や入学後の具体的なフォロー体制について聞いてみるのがおすすめです。カウンセラーの有無や、体調が優れない時に保健室などで過ごせる柔軟さがあるかも重要なチェックポイントになります。
また、実際に校舎を歩いて空気感を知ることも欠かせません。休み時間の生徒たちの様子や先生の接し方など、数字には表れない「居心地の良さ」を肌で感じてみてください。
意外と見落としがちなのが通学の負担です。不登校からの再スタートでは、移動そのものが大きなエネルギーを必要とします。片道1時間を超える通学は想像以上に心身を削るため、できるだけ負担の少ない範囲で探すのが現実的です。
| 通学時間 | 負担度 | おすすめ度 |
| 30分以内 | 低 | ◎ |
| 30分〜45分 | 中 | ○ |
| 45分〜1時間 | やや高 | △ |
| 1時間以上 | 高 | × |
満員電車の混雑がストレスになる場合は、自転車通学ができる距離や、始発駅に近いルートなど、自分のペースを守れる手段も検討してみましょう。
全日制の中にも、自分の体調や生活リズムに合わせて時間割を組める単位制などの柔軟な学校が増えています。
通信制や定時制であれば、週に数日の登校や、午後から始まる授業など、通い方そのものをカスタマイズできる場合も少なくありません。朝が苦手な人や、少しずつ外に出る時間を増やしたい人にとって、無理のないスケジュールを選べることは大きな安心材料になります。
大人数の中に入ることが不安な場合は、1クラスの人数が少ない学校が適しています。少人数制なら先生の目が届きやすく、困った時にもすぐに相談できるアットホームな環境が期待できます。
また、勉強の遅れが心配な人は、習熟度別のクラス分けや個別指導の時間があるかどうかも確認しておきましょう。自分のペースで学び直せる場があれば、焦らずに自信を取り戻していけます。
「ここに行きたい」という前向きな動機は、通い続けるための強力な原動力になります。普通科だけでなく、IT、芸術、調理など、自分の好きなことを専門的に学べる学校も視野に入れてみてください。
「将来この資格を取りたい」「この技術を身につけたい」という明確な目標があれば、多少の困難があっても踏ん張る力が湧いてくるはずです。
パンフレットやネットの情報だけで判断せず、必ず足を運んでみましょう。複数の学校を比較することで、それぞれの違いがよりはっきり見えてきます。
体験授業や在校生との交流を通して、「ここなら自分もやっていけそう」という直感を大切にしてください。理屈ではなく、心が軽くなるような場所を見つけることが、失敗しない学校選びのコツです。
不登校からの受験勉強で大切なのは、周囲の進み具合と比べないことです。今の自分がどこまで理解できているかを冷静に見極め、無理のない計画を立てることが合格への最短ルートになります。
まずは、どの学年のどの単元から分からなくなっているかを確認しましょう。過去のテスト結果が手元になければ、市販の診断テストや無料のオンライン診断などを活用するのが手軽です。
教科ごとに「できる単元」と「つまずいている単元」を書き出してみてください。特に数学や英語は、前の内容が分からないと先に進めない積み上げ型の教科です。必要であれば、思い切って中学1年の基礎まで戻る勇気がその後の伸びを左右します。
不登校期間が長く、学習の空白がある場合は、分からなくなった地点まで戻って学び直す「戻り学習」を優先しましょう。一方で、受験本番までの残り時間も考慮する必要があります。
| 受験までの期間 | 推奨する学習バランス |
| 1年以上ある場合 | 戻り学習中心で基礎から積み上げる |
| 半年から1年 | 戻り学習と入試頻出単元を並行 |
| 半年未満 | 入試頻出単元に絞った集中学習 |
自宅学習を習慣にするコツは、時間と場所を固定することです。「この時間はここへ座る」というルールを決めるだけで、勉強モードに入りやすくなります。
最初は1日30分からで構いません。短時間でも毎日続けることが、確実な力になります。スマホやゲームなど、集中を妨げるものは別の部屋に置くか、学習中だけ保護者に預けるといった物理的な工夫も非常に有効です。
今の自分に合った手段を選ぶことで、学習効率は格段に上がります。
可能であれば、定期的に模試を受けてみましょう。会場に行くのが難しければ、自宅で受験できる模試もあります。
結果の偏差値に一喜一憂する必要はありません。大切なのは「どの問題を間違えたか」を確認することです。弱点を知るための材料として前向きに活用し、その後の学習計画を修正していきましょう。
「今日はこれだけやった」という記録を残すと、自分の成長が目に見えてやる気に繋がります。手帳やアプリに学習時間を記録し、1週間ごとに振り返ってみましょう。
小さな目標をクリアしたら自分にご褒美をあげるなど、楽しみながら続ける工夫も大切です。「30分机に向かえた」「この公式を覚えた」といった小さな成功体験の積み重ねが、大きな自信へと変わっていきます。
不登校を経験している子どもにとって、高校受験は未知の世界への大きな挑戦であり、強いプレッシャーを感じます。この時期、親ができる最大のサポートは、子どもが安心して準備を進められる環境を整えることです。
| 役割 | 具体的な内容 |
| 情報収集と整理 | 志望校の受験要項、出願手続き、必要書類の準備など、事務的な情報を把握し整理する |
| 環境づくり | 静かな勉強スペースの確保、規則正しい生活リズムのサポート、栄養バランスの取れた食事の提供 |
| 精神的な支え | 不安や焦りに寄り添い、子どもの気持ちを受け止める安全基地となる |
良かれと思ったアドバイスが、知らず知らずのうちに子どもを追い詰めてしまうことがあります。特に「周囲との比較」や「過度な期待」は避けましょう。
「他の子は頑張っているのに」といった言葉は、子どもの自信を削り、親への不信感を高める原因になります。また、進捗を細かくチェックしすぎるのも逆効果です。監視されていると感じると、かえってやる気を失ってしまうため、適度な距離感を保つことが大切です。
結果ではなく、本人の意思や取り組んでいるプロセスを認める言葉をかけましょう。「今日は集中していたね」「自分で決めて進めているね」といった肯定的なフィードバックが、子どもの自己肯定感を高めます。
何か手助けが必要そうな時は、「何かできることはある?」と一歩引いて尋ねてみてください。親が先回りして指示を出すのではなく、子ども自身が「手伝ってほしいこと」を選べる環境を作ることが、自立を促す鍵となります。
試験が近づき、子どもが弱音を吐いた時は、まずはその気持ちを否定せずに受け止めてください。
「大丈夫だよ」という安易な励ましは、時に不安を軽視されているように感じさせてしまいます。まずは「不安なんだね」「プレッシャーを感じているんだね」と、ありのままの感情に共感しましょう。その上で、「今できることを一つずつやっていこう」と、具体的な行動を一緒に考える姿勢が子どもの力になります。
子どもを支える親自身が、余裕を失わないことも非常に大切です。不登校の子どもの受験を見守る毎日は、親にとっても大きなエネルギーを必要とします。
パートナーや友人、専門の相談員など、自分の本音を話せる場所を確保してください。親がリラックスして穏やかでいることは、子どもにとって何よりの安心材料です。意識的に休息を取り、自分自身の心と体をいたわることも、立派な受験サポートの一つです。
高校合格は一つのゴールですが、同時に新しい生活のスタート地点でもあります。不登校を経験した生徒にとって、入学後に無理なく通い続けられるかは大きな関心事でしょう。合格発表から入学式までの時間をうまく使って、心と体の準備を整えておくことが、スムーズな滑り出しに繋がります。
まずは生活リズムを少しずつ整えていきましょう。不登校の期間に昼夜が逆転していた場合、急に朝型の生活に変えるのは心身に大きな負担となります。「1週間ごとに30分ずつ早める」といったように、数ヶ月かけて段階的に調整するのがコツです。
あわせて、外を歩く時間を増やすなど基礎体力の回復も意識してみてください。家の中で過ごす時間が長かった場合、通学や慣れない授業は想像以上に疲れるものです。散歩などの軽い運動を習慣にしておくだけで、入学後の疲れ方が変わってきます。
入学が決まったら、事前に学校側と相談の場を持つことをおすすめします。担任や養護教諭、カウンセラーにこれまでの経緯や配慮してほしいことを伝えておくと、学校側もサポートの準備がしやすくなります。
| 伝えるべき内容 | 具体例 |
| 不登校の背景 | 人間関係の悩み、学習面の困難、体調不良など |
| 苦手な場面 | 大勢の前での発表、騒がしい環境、急な予定変更など |
| 希望する配慮 | 別室登校の可能性、休憩場所の確保、段階的な登校など |
| 得意なこと・好きなこと | 興味のある科目、趣味、これまで頑張ってきたことなど |
特に通信制や定時制高校は、個別の事情に合わせた柔軟な対応を得意とする学校が多いので、遠慮せずに相談してみましょう。
入学式や最初の数日間は、誰でも緊張するものです。事前に学校を訪れ、教室やトイレ、保健室の場所を確認しておくだけでも当日の不安は軽くなります。
最初の1週間は「完璧に出席すること」を目指すのではなく、まずは「学校の空気に慣れること」を目標にしましょう。1時間だけ出席する、疲れたら保健室で休む、遅刻や早退をうまく使う。自分のペースを守りながら、小さな「通えた」という体験を積み重ねることが大切です。
高校は中学時代とは異なる新しいコミュニティです。友人を作るきっかけとして部活動などは有効ですが、無理に参加する必要はありません。自分のペースを優先し、興味のあるものにだけ関わる程度で十分です。
また、先生以外にも「話しやすい大人」を見つけておきましょう。保健室や図書室の先生、カウンセラーなど、誰か一人でも安心できる相手がいれば、困ったときの心の支えになります。
準備を万全にしても、入学後に壁にぶつかることはあります。そんな時に慌てないよう、親子で「もしもの時のルール」を決めておきましょう。
「朝起きられなかったら午後から行く」「教室が辛くなったら保健室へ行く」といった具体的な対処法が決まっていると、不安が和らぎます。一度休んでしまったからといって、すべてが台無しになるわけではありません。一時的につまずいても、休みながら自分の歩幅で進んでいけば、高校生活は十分に続けていけます。
受験に向けて準備を進める中で、「休んでいた期間がもったいなかった」と感じることもあるかもしれません。しかし、不登校の期間は決して人生の空白ではありません。
立ち止まって自分を見つめ直し、自分にとっての幸せや、無理のない生き方を考え抜いた経験は、これから先の長い人生において大きな強みになります。他人の痛みに共感する優しさや、既存の枠にとらわれない柔軟な考え方は、順風満帆な時にはなかなか得られないものです。
高校合格は一つの通過点にすぎません。不登校という経験を経て「自分なりの歩き方」を見つけたあなたは、これからどんな環境に行っても、自分を大切にしながら進んでいけるはずです。
不登校からの高校受験は、決して「不利な戦い」ではありません。出席扱い制度を活用して欠席日数の影響を軽減したり、通信制や定時制といった自分に合う学び方を選んだりと、今の状況からでも選べる道はたくさんあります。入試本番の点数を重視してくれる学校も多いため、これまでの欠席を過度に悔やむ必要もありません。
受験に向けて一歩ずつ準備を進め、やり遂げたという経験は、合格そのものと同じくらい大きな自信になります。焦らず、まずは自分が「ここなら通えそう」と思える場所を探すことから始めてみてください。不登校という経験を、自分らしい未来を切り拓くための前向きな再スタートに変えていきましょう。
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