公開日:2026.02.27 / 最終更新日:2026.02.27 不登校について

【小学生の不登校】親ができる対応は?原因・勉強・復帰へのステップ

「学校に行きたくない」と子どもが言い出したとき、親としてどう向き合えばいいのか。戸惑いや不安を感じるのは当然のことです。小学生の不登校は、友人関係や環境の変化など、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
この記事では、不登校の原因や子どもの心境をふまえ、家庭での接し方や生活リズムの整え方、学習サポートのステップを具体的に解説します。焦らず、一歩ずつ前進するための「道しるべ」として、ぜひ活用してください。

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目次

小学生が不登校になる主な原因と子供の心理状態

小学生の不登校は、一つのきっかけだけで起こるものではありません。複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。近年、不登校の児童数は増加傾向にあり、文部科学省の調査でもその深刻さが浮き彫りになっています。学校での出来事はもちろん、家庭環境や本人特有の気質など、さまざまな背景が影響しています。

学校に関連する主な原因

不登校のきっかけとして最も多いのが、学校生活での困難です。友人同士のトラブルやいじめ、先生との相性などが代表的です。小学生はまだ心の発達段階にあるため、ちょっとした仲間外れや言葉の行き違いでも、深く傷ついてしまうことがあります。

原因カテゴリ 具体例 子供の心理状態
友人関係 仲間外れ、いじめ、グループ内のトラブル 孤独感、不安、自己否定感
学業のつまずき 授業についていけない、テストの点数が低い 劣等感、無力感、学校への恐怖
教師との関係 叱責が多い、理解してもらえない 不信感、緊張、自己肯定感の低下
集団生活の疲れ クラスの雰囲気に馴染めない、騒がしさが苦手 疲労感、過敏、回避したい気持ち

また、高学年になるほど学習内容が難しくなり、「授業がわからない」という焦りから学校自体に苦手意識を持ってしまうケースも少なくありません。

家庭環境に関わる要因

家庭内のストレスが不登校の引き金になることもあります。家族の病気や環境の急変、また「いい子でいなきゃ」という親の期待に無理に応えようとして、エネルギーが切れてしまう場合も考えられます。家庭が心から安心できる場所でないと感じると、外の世界へ出る気力を失ってしまうのです。

子供本人の特性や心身の状態

本人の特性や気質が関係しているケースもあります。例えば、音や光に敏感な感覚過敏があったり、人一倍繊細な気質(HSC)を持っていたりする場合、刺激の多い学校生活は大人以上に疲弊しやすい環境です。また、自律神経の乱れから朝起きられなくなる「起立性調節障害」など、体の不調が原因で通いたくても通えないという子もいます。

不登校児童の心理状態の変化

子どもの心は時間の経過とともに変化していきます。初期は、学校へ行けない自分を責め、「行かなきゃ」という思いと「行けない」という現実の狭間で激しい罪悪感や不安に襲われます。この時期には腹痛や頭痛といった体の症状が出やすいのも特徴です。

時間が経ち、家庭で過ごすことに慣れてくると、一見落ち着いたように見えるかもしれません。しかし心の内側では、将来への焦りや自己否定感を抱え続けていることがほとんどです。現実の辛さから逃れるためにゲームやスマホに没頭し、生活リズムが崩れてしまうのも、心のエネルギーが低下しているサインといえます。

複合的要因を理解することの重要性

不登校の原因を「これだ」と一つに特定するのは困難です。学校・家庭・本人の要素がパズルのように組み合わさっています。そのため、『甘え』や『怠け』といった言葉で片づけてしまうと、子どもがさらに孤立してしまう可能性があります。 まずは表面的な行動だけでなく、その裏にある「言葉にできない苦しさ」に寄り添い、丁寧に見守ることが大切です。

親が意識すべき「見守り」の心構えとメンタルケア

不登校の子どもを支える柱となるのは、親自身の心の安定と、子どもとの適切な距離感です。親が焦りから「なんとかしなきゃ」と手を出しすぎると、子どもはかえって追い詰められ、心を閉ざしてしまいます。まずは、じっくり見守るための心構えを整えていきましょう。

「待つ」ことの重要性と親の不安との向き合い方

不登校の始まりは、親もパニックになりがちです。「早く戻さないと」と焦りますが、無理な登校刺激は回復を遠ざけます。まずは家を「心から安心できる充電場所」にすること。それがエネルギーを取り戻すための大前提です。 親が感じる不安や焦りは、愛情ゆえの自然な感情です。ただ、その重荷を子どもに背負わせないよう、親自身が弱音を吐ける場所(友人、専門家、配偶者など)を確保してください。親が冷静さを取り戻すことが、子どもへの一番のサポートになります。

子供の気持ちを否定せず受け止める傾聴の姿勢

子どもが学校について話し出したとき、「甘えだ」「根性が足りない」といった否定は禁物です。たとえ親の意見と違っても、まずは「そう思っていたんだね」と丸ごと受け止めましょう。安心して本音を言える環境が、心の回復を早めます。

ポイント 具体的な対応
遮らずに最後まで聞く 途中でアドバイスや意見を挟まず、子供の言葉が途切れるまで耳を傾ける
共感を示す 「つらかったね」「そう感じていたんだね」など、気持ちに寄り添う言葉をかける
質問は最小限に 詰問にならないよう、「どうして?」より「どんな気持ちだった?」と尋ねる
沈黙を恐れない 子供が考えている時間を大切にし、無理に話を引き出そうとしない

親自身のメンタルヘルスを保つための工夫

不登校が長引くと、親は無力感に襲われがちです。しかし、親が自分を犠牲にしすぎると家庭全体の空気が重くなってしまいます。自分のケアを後回しにしないでください。 趣味を楽しんだり、定期的に外出したり、同じ悩みを持つ親同士で繋がったりと、意識的にリフレッシュする時間を持ちましょう。家族内で役割を分担し、一人で抱え込まない体制を作ることも大切です。

登校刺激のタイミングと声かけの注意点

「いつ登校を促すか」は非常にデリケートな判断が必要です。基本的には、子ども自身から前向きな言葉が出るのを待ちます。無理な後押しは、せっかく溜まってきたエネルギーを一気に削いでしまうからです。

見極めのサイン:

  • 子どもの方から「友達はどうしてるかな」「授業が進んでるかな」と話し始めたとき
  • 昼夜逆転が落ち着き、日中の活動量が増えてきたとき
  • 表情が和らぎ、家族との会話が明るくなってきたとき

こうした変化が見られたら、「行けそうな時に行ってみる?」と、選べる形で提案してみましょう。「もう行けるはずだ」と決めつけるのではなく、本人の意思を一番に尊重してください。

家庭を安心できる場所にするための具体的な接し方

不登校の子どもにとって、家庭が「ありのままの自分でいていい場所」になれるかどうかは、回復のスピードを大きく左右します。親が焦りをぐっとこらえ、子どものペースを尊重することで、家はエネルギーを蓄えるための「安全基地」へと変わります。日常のなかで安心感を育むポイントを見ていきましょう。

否定や説教を避け、子供の気持ちを受け止める会話術

不登校の子は「みんなと同じことができない自分」を責め、自己肯定感が下がっています。そのため、親の何気ない一言が深く刺さってしまうこともあるのです。「なぜ?」と問い詰めるのではなく、まずは今の状態を丸ごと受け止める言葉選びが大切です。

避けるべき言葉 望ましい言葉 効果
「いつまで休むの」 「今日は何をして過ごそうか」 子供が責められていると感じず、現在に意識を向けられる
「みんな頑張っているよ」 「あなたなりのペースで大丈夫」 比較されるプレッシャーから解放される
「甘えないで」 「つらかったね」 感情を否定されず、安心して気持ちを表現できる

会話の際は、穏やかにうなずきながら聴くことを意識してみてください。話してくれたことに対して「話してくれてありがとう」と伝えるだけでも、子どもは「自分の気持ちを大切にしてもらえた」と安心します。

家族のルールと個人の自由のバランスを保つ工夫

生活リズムの崩れは心配ですが、厳しすぎる管理は逆効果。家族で守る「最低限のルール」と、子どもが自由に決めていい「個人の領域」を分けるのがコツです。

守るべき最低限のルール例

  • 食事は1日2回は家族と一緒に摂る
  • 昼夜逆転を防ぐため、午前中のうちに一度は起きて光を浴びる
  • 自分の部屋のゴミ出しなど、小さな役割をひとつ持つ

子供に選択を委ねる領域

  • 起床・就寝の具体的な時間(最低限のラインは守りつつ)
  • リビングで過ごすか、自室で過ごすか
  • どんな趣味や遊びに時間を使うか

ルールは親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に話し合って作るプロセスを大切にしてください。「自分で決めた」という感覚が、少しずつ自信を取り戻すきっかけになります。

家族全員が心地よく過ごすための空間づくり

物理的な環境づくりも安心感に繋がります。子どもが自分の居場所をしっかり感じられるよう、工夫してみましょう。

空間の種類 工夫のポイント
個室 プライバシーを守りつつ、ドアを開けやすい雰囲気をつくる。無理に入室しない
リビング 家族が自然に集まれる場所として、テレビやゲーム以外の活動も取り入れる
共有スペース 本棚やボードゲーム、画材など、興味を引く素材を配置し会話のきっかけをつくる

また、家庭内に「否定されない時間」を意識的に設けることも大切です。たとえば夕食時は学校や勉強の話題を出さず、好きなアニメや趣味の話だけをする、といったルールを家族で共有します。

きょうだいへの配慮と家族全体のバランス

不登校の子に意識が向きすぎると、きょうだいが寂しさや不公平感を感じてしまうことがあります。 きょうだい一人ひとりと向き合う時間を個別に作り、「あなたのことも大切に見ているよ」というメッセージを伝え続けましょう。状況を年齢に合わせて説明し、家族みんなで支え合う雰囲気を作ることが大切ですが、きょうだいに過度な我慢をさせないよう親がバランスを取る必要があります。

親自身のストレスケアと夫婦の連携

子どもが安心できる家庭を作る大前提は、親自身が心身ともに健やかであることです。親が疲弊してイライラしていると、その空気は敏感に子どもに伝わります。 夫婦で役割を分担し、定期的に思いを共有しましょう。一人で抱え込まず、週に一度は自分の趣味を楽しんだり、友人と話したりしてリフレッシュする時間を確保してください。親の笑顔が増えることが、結果として子どもの一番の安心に繋がります。

生活リズムの乱れやゲーム依存への向き合い方

不登校が長引くと、昼夜逆転や長時間のゲーム・スマホ利用が習慣になり、不安を感じる保護者の方は少なくありません。無理に正そうとして衝突する前に、まずは現状を整理し、お子さんの心に負担をかけない改善方法を考えていきましょう。

不登校による生活リズムの乱れの実態

「学校」という生活の軸がなくなると、どうしても起床・就寝時間は不規則になります。次第に昼夜が逆転し、家族と顔を合わせる機会が減ってしまうことも。生活リズムの乱れは体力の低下を招くだけでなく、心のエネルギーを回復させる妨げにもなるため、焦らず少しずつ整えていくことが大切です。

ゲームやスマホに依存する心理的背景

お子さんがゲームやスマホにのめり込むのは、単なる遊びだけが理由ではありません。現実の辛さから逃れて心を安定させたり、オンライン上の仲間と繋がることで孤独を癒やしたりしている側面があります。一方的に取り上げてしまうと、大切な居場所を奪われたと感じて激しく反発したり、さらに心を閉ざしたりする恐れがあります。

生活リズムを立て直すための段階的アプローチ

リズムの改善は、いきなり「正しい時間割」を押し付けないのがコツです。お子さんの今の状態を受け入れながら、スモールステップで進めましょう。

段階 具体的な取り組み ポイント
ステップ1 起床時刻を記録し現状を把握する 責めずに観察することから始める
ステップ2 1日1回は家族と食事を共にする 昼食や夕食など柔軟に設定
ステップ3 起床時刻を30分ずつ早める 週単位で調整し無理をしない
ステップ4 朝の光を浴びる習慣をつける カーテンを開ける、散歩など

ゲーム・スマホ利用のルール設定と対話の進め方

ルールは親が一方的に決めるのではなく、お子さんとの対話から作りましょう。「今の使い方のままで困っていることはない?」と聞き出し、本人の気持ちを確認します。 その上で、「睡眠時間はしっかり確保しよう」といった、健康を守るための最低限の約束を一緒に決めます。罰則で縛るよりも、ルールを守れた時にポジティブな声をかけたり、別の楽しみを提案したりする方が、自発的な改善に繋がりやすくなります。

代替活動の提案と興味の引き出し方

画面の中以外にも興味を広げることは、依存傾向を和らげる大きな助けになります。料理、工作、読書、絵描きなど、家の中で無理なくできることから誘ってみましょう。 親子で一緒に何かに取り組む時間は、信頼関係の修復にも役立ちます。「上手だね」「ありがとう」といった小さなやり取りが、お子さんの自信(自己肯定感)を少しずつ積み上げていきます。

医療機関や専門家への相談が必要なケース

家庭内での対応が難しいと感じる場合は、早めに専門機関を頼ることも検討してください。以下のようなサインが見られる時は、一人で抱え込まずに相談しましょう。

  • ゲームを止めるように言うと激しい暴言や暴力が出る
  • 食事や入浴など、最低限の生活習慣を拒否し続ける
  • 昼夜逆転が1ヶ月以上続き、全く改善の兆しがない
  • 体重が急激に変化したり、体調不良を頻繁に訴えたりする

小児科や教育相談センターなどの専門家は、お子さんの状態を客観的に見て、適切なアドバイスをくれます。保護者の方が「相談できる相手」を持つことが、心の余裕に繋がります。

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心の回復から外出・登校へ至るまでのロードマップ

不登校からの回復は、らせん階段を登るように、良くなったり停滞したりを繰り返しながら進んでいきます。焦りは禁物です。お子さんの心の状態を丁寧に見極め、無理のないペースで歩みを進めていきましょう。

回復の3つの段階を理解する

不登校からの回復は、大きく分けて「休養期」「回復期」「活動期」という3つのフェーズがあります。今のステージに合った関わり方をすることで、お子さんは安心してエネルギーを蓄えることができます。

段階 子供の状態 親の関わり方 期間の目安
休養期 疲れが強く家で過ごすことが多い、不安定な様子が見られる 無理に外出や登校を促さず、安心して休める環境を整える 数週間~数ヶ月
回復期 表情が明るくなり、趣味や好きなことに関心を示す 本人の興味に寄り添い、小さな外出を提案する 数ヶ月~半年
活動期 外出に前向きになり、学校や人との関わりを意識し始める 段階的な登校や支援機関の利用を検討する 半年~1年以上

休養期:心のエネルギーを蓄える時期

不登校の初期は、心身ともに底をついている状態です。まずは、すり減ったエネルギーを回復させることが最優先。この時期に無理をさせると、かえって回復を遅らせてしまいます。 学校の話題は一旦横に置いて、「今はしっかり休んでいいんだよ」というメッセージが伝わる雰囲気作りを心がけましょう。ただし、昼夜逆転が進みすぎないよう、朝にカーテンを開けて光を浴びる、一緒に食事をするといった「ゆるやかなリズム」だけは守っておくと、後のステップが楽になります。

回復期:小さな外出で自信を取り戻す

家の中でリラックスして過ごせる時間が増えてきたら、外の世界と少しずつ繋がっていきましょう。

外出の段階的なステップ

  • 庭やベランダで外の空気を吸う
  • 近所を短時間、一緒に散歩する
  • 人が少ない時間帯に、コンビニやスーパーへ行く
  • 公園や図書館など、本人が落ち着ける場所へ行く
  • 習い事やフリースクールなど、学校以外の居場所をのぞいてみる

大切なのは、親が連れ出すのではなく、お子さんが「行ってみようかな」と思えるまで待つこと。外出できたら、結果よりも「外に出ようと思ったこと」を肯定し、明るい言葉をかけてあげてください。

活動期:学校復帰に向けた準備を始める

外に出ることに抵抗がなくなってきたら、いよいよ学校との接点を考え始めます。最初から「朝から教室へ」と欲張らず、まずは心理的なハードルが低い方法から試していきましょう。

段階的な登校のパターン

段階 内容 留意点
保健室登校 保健室や別室で過ごし、安心できる先生と関わる 教室に入る必要がないことを明確にする
短時間登校 好きな授業や給食の時間だけ参加する 無理に一日中いる必要がないことを伝える
放課後登校 人のいない時間に学校へ行き、環境に慣れる 担任や友達との交流は段階的に進める
部分登校 午前中だけ、週2日だけなど、無理のない範囲で通う 「できた」という達成感を積み重ねる

担任や養護教諭と密に連携し、お子さん専用の「登校プラン」を一緒に作ってもらうことが成功の鍵です。

後戻りや停滞期への対応

回復の途中で「昨日は行けたのに、今日は起きられない」といった後戻りは必ずと言っていいほど起こります。これは決して失敗ではありません。 波があるのは、お子さんが一生懸命、外の世界に適応しようと頑張っている証拠です。停滞したときは「今はちょっと休憩が必要な時期なんだね」と受け止め、再びゆっくり動き出すのを待ちましょう。もし長期間、変化が見られず不安なときは、一人で抱え込まずに専門家へ相談し、対応を見直すきっかけにしてください。

勉強の遅れを解消する学び直しの進め方と活用ツール

不登校の期間が長くなると、「このまま勉強についていけなくなったらどうしよう」「将来困るのでは」と不安になるのは当然です。ただ、小学生の学習内容は段階的に積み上がる仕組みになっているため、今のつまずきを一つずつ戻って確認すれば、後から取り戻せるケースがほとんどです。実際に、数ヶ月〜1年のブランクがあっても、家庭学習や支援を活用しながら十分に追いついている子どもは少なくありません。まずは、お子さんの心に負担をかけない進め方から考えていきましょう。

学習の遅れを正しく把握する方法

まずは、今の実力がどのあたりにあるのかを冷静に見極めることから始めます。無理に全教科をチェックする必要はありません。まずは「国語」と「算数」に絞り、教科書やドリルを使って「どこまではスムーズに解けるか」を確認しましょう。

お子さんが嫌がる場合は無理強いせず、担任の先生に連絡して、今のクラスがどの単元を進んでいるのか、どこが重要なのかを教えてもらうのも一つの手です。

子供のペースに合わせた学び直しの進め方

遅れを取り戻そうとして一気に詰め込むのは逆効果です。まずは「1日10〜15分だけ」といった短い時間から始め、学習のハードルを徹底的に下げましょう。

特につまずきやすい算数は、学年をさかのぼって復習することが近道になります。土台がしっかりすれば、その先の理解もスムーズになります。「わかった!」「できた!」という小さな成功体験を褒めて共有し、自信を育てることを最優先にしてください。

家庭学習で活用できるツールと教材

今は、家でも質の高い学習ができるツールが充実しています。お子さんの性格に合わせて選んでみましょう。

ツールの種類 特徴 向いている子供
タブレット学習教材 ゲーム感覚で学べ、自動採点・解説機能がある 紙の教材に抵抗がある、視覚的な学習が得意
通信教育 添削指導があり、計画的に進められる 自分のペースでじっくり取り組みたい
学習プリント配布サイト 無料で必要な単元だけ選べる 特定の苦手分野を集中的に復習したい
オンライン家庭教師 個別指導で質問しやすく、対話的に学べる 対人不安が少なく、双方向のやりとりを好む

どのツールも一長一短があるため、子供と一緒に試しながら相性の良いものを見つけることが重要です。

学校との連携で学習支援を受ける

学校によっては、不登校のお子さんのためにプリントを届けてくれたり、別室登校時に先生が個別についてくれたりするサポートもあります。家庭学習の状況を学校と共有しておくことで、復帰した際もスムーズに授業へ入りやすくなります。

また、自治体が運営する教育支援センター(適応指導教室)など、外の施設で学習支援を受けられる場合もあるので、一度窓口で確認してみるのがおすすめです。

学習意欲を引き出す工夫と環境づくり

勉強を再開するきっかけは、本人の好きなことからで構いません。生き物が好きなら図鑑を眺める、YouTubeで理科の実験動画を見る、それだけでも立派な「学び」です。

学習スペースは、ゲームやスマホが視界に入らない静かな場所を整えましょう。ただし、無理に禁止するのではなく、「勉強が終わったら一緒にゲームをしよう」など、楽しみをセットにする方法もあります。

遅れを取り戻すことよりも大切なこと

学習の遅れはもちろん気になりますが、それ以上に大切なのはお子さんの「心の回復」です。無理に学校の進度に合わせようとすると、せっかく溜まってきた心のエネルギーがまた減ってしまいます。

「いつか追いつける」とどっしり構え、今は「わかって楽しい」という感覚を大切にしましょう。その安心感こそが、長期的な学力向上と、未来へ向かうための確かな土台になります。

学校外の支援機関・専門窓口の選び方と活用法

不登校のサポートは、学校の中だけで完結させる必要はありません。公的な相談窓口や民間のフリースクールなど、外の世界にも頼れる居場所はたくさんあります。お子さんの状態やご家庭の考え方に合った支援先を見つけることが、回復への大きな一歩となります。

主な支援機関の種類と役割

まずは、どんな機関があり、それぞれ何を得意としているのかを知っておきましょう。

機関名 主な役割 対象・特徴
教育支援センター(適応指導教室) 学校復帰を目指した学習・活動支援 市区町村が運営。在籍校と連携し出席扱いになる場合も
スクールカウンセラー 学校内での心理相談・助言 子供本人や保護者の心理的ケア
教育相談室 教育委員会による総合相談窓口 進路・学習・生活全般の相談に対応
児童相談所 家庭環境や虐待など深刻な問題への対応 必要に応じて専門的な介入や保護を実施
フリースクール 学校外での学習・居場所提供 民間運営。独自のプログラムで柔軟な対応
医療機関(心療内科・小児科) 診断・治療・医学的なサポート 発達障害や心身症などが疑われる場合

支援機関を選ぶ際のポイント

支援先を選ぶときは、焦って決めず、以下の4つのポイントを意識してみてください。

子供の状態と必要な支援内容の整理

まずは、お子さんの今の「困りごと」を整理します。

  • 体の不調や強い不安があるなら:まずは医療機関へ。
  • 心の整理をしたいなら:カウンセリングが受けられる場所。
  • 少しずつ活動したいなら:教育支援センターやフリースクール。

通いやすさとアクセス

不登校の回復期には、移動だけでも大きなエネルギーを使います。自宅からの距離や、公共交通機関の使いやすさなど、無理なく通い続けられる環境かどうかを確認しましょう。

費用と利用条件

公的機関は基本的に無料や低額ですが、民間のフリースクールなどは月謝が発生します。家計の負担にならないか、継続して利用できるかを事前にチェックしておくことが大切です。

見学や体験の実施

百聞は一見にしかずです。可能であれば親子で(難しければ親御さんだけでも)見学へ行き、場所の雰囲気やスタッフとの相性を確かめましょう。お子さんが「ここなら行けるかも」と思える感覚が、何よりの決め手になります。

支援機関との連携と活用の進め方

支援先が決まったら、そこを「孤立した場所」にせず、周囲と繋げることが効果を高めるコツです。

情報共有と連携体制の構築

学校と外部機関が別々に動くのではなく、連携してもらえるよう親御さんがパイプ役になります。役割を分担することで、お子さんへのサポートがよりスムーズになります。

定期的な面談と状況確認

一度決めたら終わりではなく、定期的に担当者と話をしましょう。「最近の様子」を共有することで、その時の状況に合わせた柔軟なサポートに切り替えていくことができます。

無理なく継続できる関わり方

最初からフル活用しようと思わず、まずは「週1回、短時間から」と、お子さんのペースを優先してください。焦らず、小さな「通えた」を積み重ねていく姿勢が、長期的な安定に繋がります。

不登校を乗り越えた事例に学ぶ「周囲のサポート」

不登校から回復したご家庭には、共通する「支え方」のヒントが隠されています。家族や学校がどのように連携し、子どもの心に寄り添ったのか、具体的な事例を見ていきましょう。

事例1:母親の「待つ姿勢」が安心につながったケース

友人関係のトラブルで学校に行けなくなった小学4年生の男の子の事例です。当初、お母さんは焦りから登校を促していましたが、カウンセラーの助言で「待つこと」に専念しました。

段階 母親の対応 子供の変化
初期(1〜2ヶ月) 登校の話題を避け、家庭での安心を優先 表情が穏やかになり、家族と話すようになる
中期(3〜5ヶ月) 本人の興味を尊重し、一緒に図書館や公園へ 外出への抵抗が減り、生活リズムが整う
後期(6ヶ月以降) 担任と連携し、別室登校の選択肢を提示 週1回の別室登校から段階的に教室復帰

「学校より、あなたの安心が大事」というメッセージが伝わったことで、回復の土台が築かれました。

事例2:父親の関わりが転機になったケース

勉強への自信を失い、不登校になった小学5年生の女の子。転機となったのは、忙しいお父さんが意識的に作った「二人の時間」でした。 週末に一緒に料理をしたり、とりとめのない話をしながら散歩をしたり。お父さんは学校の話をあえて出さず、ただ娘との時間を楽しみました。この「無条件に受け入れられている感覚」が彼女の自信を回復させ、8ヶ月後、自ら教育支援センターに通い始めるきっかけとなりました。

事例3:学校と家庭の連携が功を奏したケース

音や刺激に敏感な特性(感覚過敏)を持つ小学3年生の男の子の事例です。担任の先生がこまめに家庭訪問を行い、お母さんと情報を共有し続けました。

学校が行った配慮:

  • 静かな別室での学習場所を用意
  • 「給食だけ」「1時間だけ」といった柔軟な登校を認める
  • クラスの子たちに、彼の特性を優しく伝えて理解を促す

家庭と学校が対立せず、「どうすれば彼が安心できるか」を一緒に考えたことが、スムーズな再登校に繋がりました。

事例4:兄弟姉妹の理解が支えになったケース

小学6年生の女の子が不登校になった際、支えになったのは中学生のお姉ちゃんでした。お姉ちゃんは妹を特別視せず、一緒にゲームをしたり、自分の失敗談を話したりと、自然な距離感で接し続けました。 両親もお姉ちゃんに「我慢させてごめんね」と気を配り、家族全員の心のバランスを意識しました。兄弟姉妹が「変わらない日常」を提供してくれたことが、妹の孤立感を防ぐ大きな力となりました。

効果的だった周囲のサポートの共通点

多くの事例に共通するのは、「焦らず、責めず、孤立させない」という姿勢です。

  • 子どものペースを尊重:大人の都合で登校を急かさない。
  • 家を「絶対的な安全地帯」に:否定的な言葉を避け、ありのままを受け入れる。
  • チームで支える:親だけで抱え込まず、学校や専門家と情報を共有する。
  • 家族全体のケア:きょうだいや、親自身のメンタルも大切にする。

周りの大人が手を取り合い、子どもが「自分は大丈夫だ」と思える環境を整えること。それが、時間はかかっても確実な回復への近道となります。

まとめ:焦らず専門家と連携し子供の未来を支える

小学生のお子さんが不登校になると、出口の見えないトンネルにいるような不安を感じるかもしれません。しかし、大切なのは焦らず、長期的な視点で見守ることです。まずは家庭を「心からリラックスできる場所」にし、お子さんのエネルギーが回復するのを待ちましょう。生活リズムや学習へのサポートは、本人の心が元気になってから、段階的に進めていけば大丈夫です。

決して一人で抱え込まないでください。スクールカウンセラーや専門の支援機関など、周囲には必ず助けになってくれる人がいます。不登校を経験したお子さんの多くは、自分に合ったサポートを受けながら、一歩ずつ自分の道を見つけています。お子さんの力を信じ、周りと手を取り合って寄り添い続けることが、明るい未来への確かな土台となります。

 

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

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私たち松陰高等学校は、山口県岩国市に本校を置く広域通信制高校です。「問いを立てる力」を育むことを大切にし、生徒一人ひとりの個性やペースに合わせた学びを提供しています。全国の学習センターを正規スクーリング校として活用し、移動の負担を減らした柔軟な学習環境を実現。教員と民間出身者が協力し、社会とつながる教育を行っています。校則はなく、生徒自らが学校をつくる「対話」と「実践」の場です。

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