公開日:2026.02.27 / 最終更新日:2026.02.27 不登校について

不登校の対応策まとめ|文科省指針から家庭での接し方、年代別支援まで

不登校は「甘え」ではなく、心が限界を知らせるSOSです。最新の文科省指針でも、無理な登校より「休養」と「多様な学び」が大切であると明記されました。
本記事では、家庭での接し方や年代別のサポート、回復ステップに応じた関わり方を分かりやすく解説します。
フリースクールやオンライン学習など、学校以外の選択肢も幅広くご紹介。お子さんの個性に合った「自立への道」を、一緒に見つけていきましょう。

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目次

不登校の現状と定義|最新の考え方と「休養」の重要性

現在の不登校支援は、無理に登校させることよりも、お子さんの安心感と将来的な自立を優先する考え方にシフトしています。

不登校の定義と統計データ

文部科学省の定義では、病気や経済的理由を除き「年間30日以上」欠席することを不登校と呼びます。これには保健室登校や部分的な登校も含まれる場合があります。

令和4年度の調査によれば、小中学校の不登校者数は約29万9千人と過去最多を記録しました。これは全児童生徒の約3.2%(およそ30人に1人)に相当します。

学校種別 不登校児童生徒数 在籍比率
小学校 約10万5千人 1.7%
中学校 約19万3千人 6.0%
高等学校 約6万人 2.0%

不登校に対する考え方の変化

かつては登校を促すことが最優先でしたが、2016年制定の「教育機会確保法」により方針が転換されました。現在は「登校」という結果のみを目標にせず、本人が自らの進路を主体的に捉え「社会的に自立すること」を目指すべきだと明示されています。

「休養の必要性」という新しい視点

不登校支援において、心身を休める「休養」の意義が法的に認められています。無理な登校刺激は状況を悪化させるリスクがあるため、初期段階では家庭を安全な場所として回復を優先することが、その後の社会参加への土台となります。

文部科学省が進める「不登校対策」の全容と最新指針

文科省は、学校以外の学びの場を公的に認め、多様な教育機会を支援する方針を強化しています。

基本方針「誰一人取り残されない学びの保障」

不登校を問題行動と捉えず、個々の環境や心理要因に配慮した支援を行う理念です。学校復帰の強制ではなく、状態に合わせた段階的なサポートを重視しています。

教育機会確保法に基づく支援の枠組み

学校外での学習活動の重要性と休養の必要性を明文化した法律です。自治体に対し、フリースクール等の情報提供や夜間中学などの就学機会提供を責務として定めています。

COCOLOプランによる具体的施策

具体的な施策パッケージとして以下の3本の柱を展開しています。

施策の柱 主な内容
未然防止 魅力ある学校づくり、心の健康観察、早期発見・早期支援体制の構築
早期支援 スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置拡充、教育支援センターの機能強化
学びの継続 オンライン学習の活用、フリースクール等との連携、出席扱い制度の周知

校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム)の設置推進

教室に入れない生徒のために、校内に別室を設けて専門スタッフが支援する取り組みです。組織的・計画的な個別支援や相談対応を目的としています。

ICT活用と出席扱いの要件

自宅等でICT(タブレット等)学習を行った場合、以下の要件を満たせば校長判断で「出席扱い」が可能です。

  1. 学校と保護者の間に十分な連携がある
  2. ICT学習が計画的・継続的である
  3. 訪問等による対面指導が適切に行われる
  4. 学習内容が学校の課程に照らして適切である

教育支援センター(適応指導教室)の機能拡充

自治体が運営する公立の支援機関です。従来の学校復帰支援に加え、ICT環境の整備や民間施設との連携強化など、柔軟な支援拠点への転換が進められています。

スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置拡充

専門人材を全公立小中学校へ配置することを目指しています。

  • スクールカウンセラー:心理的支援を担当
  • スクールソーシャルワーカー:家庭環境や福祉的側面からの支援を担当

家庭での接し方|親ができる「7つの基本対応」

不登校の解決において、家庭は回復の土台となる場所です。親の関わり方を見直すことで、子どものエネルギー回復を後押しできます。

①無理に学校へ行かせない|「休養」を認める姿勢

不登校の初期段階では、親の焦りが「学校に行きなさい」という強いプレッシャーになりがちです。しかし、心身が疲弊している状態での登校刺激は、さらなる自己肯定感の低下を招き、引きこもりの長期化に繋がる恐れがあります。文部科学省の指針でも、まずは安心して休養できる環境を整えることが、回復の土台として位置づけられています。

②否定せず「聴く」|共感的な傾聴の実践

子どもが理由や気持ちを話し始めたときは、アドバイスや説教を一度脇に置き、まずは最後まで耳を傾けます。「それは甘えだ」といった否定的な言葉を投げかけると、子どもは「相談しても無駄だ」と心を閉ざしてしまいます。

ポイント 具体的な対応
アイコンタクト 子どもの目を見て、関心を持って聴いていることを示す
相づちと共感 「うんうん」「そうなんだ」と受容的な反応をする
解決を急がない すぐにアドバイスせず、まず気持ちを吐き出させる
沈黙を恐れない 子どもが考えている時間を尊重する

③安心できる家庭環境づくり|居場所としての機能

家庭を「批判や叱責のない安全な場所」に整えることで、子どもの心は安定します。

  • 朝の登校刺激を控える:朝、学校の話を出さないだけで、子どもの緊張感は緩和されます。
  • 比較を避ける:兄弟姉妹や周囲の子と比べず、本人の今の状態だけを見守ります。
  • 趣味の時間を守る:好きなことに没頭する時間は、心のエネルギーを回復させる重要なプロセスです。

④親自身のメンタルケア|焦りと不安を手放す

不登校の対応は長期戦になることも多く、親が疲弊してしまうと、その不安が子どもに伝播して悪循環に陥ります。

  • 自分を責めない:不登校は多くの要因が重なって起こるもので、親の育て方だけの責任ではありません。
  • 相談先を確保する:親の会やカウンセリングなど、自分の感情を吐き出せる場所を持ち、親自身が孤立しないことが大切です。

⑤小さな変化を認める|肯定的な声かけの習慣

不登校中の子どもは「自分はダメな人間だ」と自信を失っています。特別な成果ではなく、日々の当たり前の行動を肯定することで、少しずつ自己肯定感を取り戻せます。

  • 行動を言葉にする:「自分で起きられたね」「一緒にご飯を食べられて嬉しい」といった声かけ。
  • 感謝を伝える:「ゴミ出しを助けてくれてありがとう」など、家庭内での役割を認める。

⑥生活リズムの維持|緩やかなルール設定

「休養」は大切ですが、完全に無秩序な生活は、再登校や社会参加へのハードルを高くしてしまいます。本人が納得できる範囲で、緩やかな枠組みを維持します。

項目 望ましい対応
起床・就寝時間 極端な昼夜逆転を防ぐため、起きる時間の目安を設定
食事 家族と一緒に食べる機会を大切にする(無理強いはしない)
ゲーム・スマホ 時間制限を話し合いで決める(一方的な禁止は逆効果)
外出 短時間の散歩や買い物など、無理のない範囲で誘う

⑦学校・専門機関との連携|孤立しない支援体制

家庭内だけで抱え込まず、外部の力を借りることが回復への近道です。

  • 学校との情報共有:担任やスクールカウンセラーと定期的に連絡を取り、出席扱いや別室登校などの可能性を探ります。
  • 地域の資源活用:教育支援センターや児童相談所、医療機関など、専門的な視点を取り入れることで、親自身の対応にも自信が持てるようになります。

【年代別】小・中・高校生それぞれの悩みと適切な対応

不登校の背景は、年齢や発達段階によって大きく異なります。心身の成長スピードや社会的な立場に合わせ、その時期に最も必要なサポートを見極めることが大切です。

小学生の不登校における特徴と対応

小学生の場合、多くは「安心感の不足」や「環境変化への戸惑い」が根底にあります。低学年では親と離れることへの不安、高学年では人間関係の複雑化や学習の遅れが目立ち始めます。

小学生によく見られる悩み

学年 主な悩み 背景
低学年(1~3年) 親と離れることへの不安、集団生活への適応困難 環境変化への敏感さ、安心感の必要性
高学年(4~6年) 友人とのトラブル、学習の遅れ、自己肯定感の低下 比較意識の芽生え、思春期への移行

小学生への適切な対応

まずは「学校に行かなくても、自分には価値がある」と思える心理的な安全を最優先してください。

  • スモールステップの活用:保健室や別室登校を認め、学校への心理的ハードルを下げます。
  • 担任との連携:クラスの状況を共有してもらい、本人が安心して戻れる環境を調整します。
  • 成功体験の積み重ね:お手伝いや趣味など、学校以外の場面で褒められる機会を増やし、自信を回復させます。

中学生の不登校における特徴と対応

思春期を迎える中学生は、最も不登校者数が多い年代です。自我が発達し、親や教師に対して複雑な反発心を持つ一方で、将来への強い不安も抱えています。

中学生によく見られる悩み

領域 具体的な悩み
対人関係 いじめ、仲間外れ、SNSトラブル、部活動での人間関係
学習面 授業についていけない、テストへの不安、進路への焦り
心理面 自己否定感、劣等感、将来への不安、起立性調節障害

中学生への適切な対応

この時期は、親の干渉を嫌いながらも孤独を恐れる繊細な時期です。

  • 適切な距離感:無理に理由を聞き出さず、本人が相談してきた時にしっかり受け止める姿勢を保ちます。
  • 第三者の介入:スクールカウンセラーなど、親以外の「信頼できる大人」との接点を作ります。
  • 選択肢の提示:通信制や定時制など、全日制以外の進路があることを伝え、視野を広げてあげましょう。

高校生の不登校における特徴と対応

高校生は義務教育ではないため、出席日数や単位の問題が現実的な壁となります。進路や将来に直結する不安が大きく、無力感に陥りやすいのが特徴です。

高校生によく見られる悩み

領域 具体的な悩み
進路・将来 大学受験への不安、就職への焦り、将来像が描けない
学校生活 単位不足、出席日数の問題、クラスへの所属意識の希薄化
精神面 無気力、昼夜逆転、ゲーム依存、自己否定感の強まり

高校生への適切な対応

本人の判断力を尊重し、対等なパートナーとして将来を話し合う必要があります。

  • 現実的な選択肢の検討:留年を待つのではなく、通信制高校への転校や高卒認定試験(高認)などの代替ルートを具体的に提示します。
  • 社会との接点作り:アルバイトやボランティアなど、学校以外のコミュニティが自信を取り戻すきっかけになることもあります。
  • 専門医との連携:生活リズムが著しく崩れている場合は、医療機関のサポートも視野に入れます。

年代に共通する対応の基本姿勢

どの年代であっても、共通して必要なのは**「否定しない」「焦らせない」「孤立させない」**の3点です。不登校は一時的な停滞に過ぎません。その子の特性に合わせた柔軟な道を見つけることが、再始動への確かな一歩となります。

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不登校の「3つのステージ」と段階別のベストな支援

不登校は、時間の経過とともにお子さんの心理状態が変化していくプロセスです。大きく分けて3つのステージがあり、それぞれの段階に合わせた適切な関わり方を知ることで、スムーズな回復を後押しできます。

ステージ1:混乱期・初期段階

学校に行けなくなり始めたばかりの時期で、本人も保護者も混乱の渦中にあります。朝になると体調を崩す、あるいは登校を激しく渋るのが特徴です。

混乱期の子どもの状態

心理状態 具体的な様子
不安と焦り 学校に行けない自分への罪悪感、遅れへの焦り
身体症状 頭痛、腹痛、吐き気、めまいなど
情緒不安定 イライラ、泣く、無気力などの感情の波

混乱期の適切な支援

この時期は無理に登校させず、まずは心身を休ませることを最優先します。

  • 現状の受け入れ:本人の訴えを否定せず「今は休んでいい」と伝える。
  • 登校刺激を控える:無理に登校を促さず、家庭を安心できる居場所にする。
  • 状況の共有:学校と連絡を取り、しばらく休養する意思を伝えておく。
  • 外部相談の検討:親だけで抱え込まず、必要に応じて専門機関や医療機関を視野に入れる。

ステージ2:安定期・充電段階

不登校の状態が続き、少しずつ心が落ち着いてくる時期です。家庭内では表情が和らぎ、自分の好きなことにエネルギーを注げるようになります。

安定期の子どもの状態

学校に対する罪悪感はまだ残っていますが、趣味や興味のあることに没頭し始めます。これは、次のステップへ進むための「心のエネルギー」を充電している大切な期間です。

安定期の適切な支援

焦って学校に戻そうとせず、活動の幅を広げる準備を整えます。

  • 本人の興味を尊重:趣味や遊びを否定せず、前向きに取り組める環境を守る。
  • 情報提供に留める:学校以外の居場所(フリースクール等)があることをさりげなく伝えておく。
  • 学習支援の準備:本人が「勉強が遅れて不安」と口にしたら、タブレット学習などを提案する。
  • 無理強いしない:将来の話は避け、日常の他愛ない会話を大切にする。

ステージ3:回復期・準備段階

エネルギーがたまり、外の世界や将来に関心が向き始める時期です。自発的に学校の話題を出したり、新しいことに挑戦したいという意欲が見え始めます。

回復期の子どもの状態

変化のサイン 具体例
前向きな発言 友達に会いたい、勉強したいなどの言葉
外出の増加 買い物や趣味の活動で外に出る
生活リズムの改善 朝起きられる、夜更かしが減る
新しい挑戦 習い事やボランティアへの興味

回復期の適切な支援

本人の「やってみたい」という気持ちを尊重し、具体的な一歩をサポートします。

  • スモールステップの実行:放課後の登校や別室登校など、段階的なプランを学校と相談する。
  • 多様な選択肢の提示:元のクラスに戻る以外の進路(転校、フリースクール等)も並行して検討する。
  • 失敗を許容する:一度動いてみて止まっても責めず「挑戦したこと」を肯定する。

ステージ間の移行について

これら3つのステージは、一本道ではありません。回復期に見えても、些細なきっかけで混乱期に逆戻りすることもあります。

重要なのは、今どの段階にいるかを見極め、一歩進んで二歩下がるようなペースでも、お子さんの歩みを尊重し続ける姿勢です。焦らずに見守ることが、結果として確実な回復に繋がります。

学校以外の居場所|フリースクールやICT活用の選択肢

学校に通えない期間、外部に安心できる居場所や学びの場を作ることは、子どもの孤立を防ぐために有効です。現在は、本人の特性や状況に合わせて選べる選択肢が広がっています。

フリースクールとは何か

民間の団体が運営する教育施設で、不登校の子どもたちが自由に過ごし、学ぶ場です。決まったカリキュラムをこなすことよりも、本人の興味や自主性を尊重した活動を重視しています。 スタッフは教員免許の有無に関わらず、子どもに寄り添う姿勢を大切にするケースが多いのが特徴です。費用は施設により幅がありますが、月額3万〜5万円程度が目安となります。

教育支援センター(適応指導教室)の活用

各自治体の教育委員会が運営する公的な施設です。主な目的は学習支援や集団生活への適応サポートです。 公営のため、費用が無料または安価であることや、通所した日数がそのまま「学校の出席扱い」になりやすいというメリットがあります。一方で、平日の日中しか開いていない、中学生までといった年齢制限があるなどの制約も確認が必要です。

ICTを活用した学習環境

タブレットやPCを使った学習は、外出が難しい子でも自宅で教育機会を確保できる手段です。

オンライン学習教材の種類

種類 特徴 適した子ども
動画授業型 自分のペースで繰り返し視聴できる 自学自習が可能な子ども
双方向オンライン授業 リアルタイムで講師と対話できる 対人交流を求める子ども
AIドリル型 学習の定着度に応じて問題が出題される 基礎学力の補強が必要な子ども

文部科学省の要件を満たせば、自宅でのICT学習が「出席扱い」として認められる制度もあります。

居場所の選び方と注意点

選定にあたって最も重要なのは「本人の意思」です。親が無理に勧めるのではなく、見学や体験を通じて本人が安心できる環境かどうかを確認してください。 また、施設によって「学校復帰を目指す」のか「今の個性を伸ばす」のか方針が異なります。家庭の考え方や、月謝・送迎の負担を含め、無理なく続けられるかを総合的に判断しましょう。

複数の居場所を組み合わせる考え方

一つの場所に絞る必要はありません。「月水金はフリースクール、火木は自宅でオンライン学習」といった併用も可能です。子どものエネルギー量や興味の変化に合わせて、その時々に最適な環境を柔軟に作り直していく視点が大切です。

進路・受験への不安を解消する「学習支援」の考え方

不登校における学習や進路への不安は、本人と保護者双方にとって大きなストレスです。しかし、現在は学校外での学習を評価する制度や多様な進学ルートが整っており、欠席期間があっても進路の選択肢を確保することは十分に可能です。

不登校中でも出席扱いになる学習方法

文部科学省の通知により、一定の要件を満たせば自宅学習や外部施設での活動を「出席扱い」にできる制度があります。これを活用することで、内申点への影響を抑えながら学びを継続できます。

学習形態 出席扱いの可否 主な条件
オンライン学習教材 可能 学校との連携・計画的な学習・定期的な報告
フリースクール 可能 学校長の判断・教育委員会との連携
教育支援センター 可能 通所による学習活動
IT・民間施設を利用しない家庭学習 条件付き可能 専門機関の指導・学校との情報共有

学力維持のための段階的アプローチ

学習支援は、本人の心の回復度合いに合わせて進めることが重要です。

初期段階:生活リズムの安定を優先

まずは心身の回復を最優先し、規則正しい生活リズムを整えます。この時期は無理な学習は避け、読書や趣味など本人が興味を持てる活動を通じて、机に向かう心理的ハードルを下げていきます。

中期段階:基礎学力の確認と補強

本人の意欲が出てきたら、現在の理解度を確認し、つまずいた箇所から学び直しを始めます。オンライン教材や自分のペースで進められる通信教育を活用し、「わかった」という成功体験を積み重ねます。

後期段階:受験に向けた計画的学習

志望校や目標が定まってきたら、試験に向けた具体的な計画を立てます。過去問演習や模擬試験を取り入れ、少しずつ実戦的な準備へとシフトします。

多様な進路選択肢の理解

全日制高校以外にも、本人の特性や希望するライフスタイルに合わせた進路があります。

進路の種類 特徴 向いている子ども
通信制高校 自宅学習中心・登校日数が少ない 自分のペースで学びたい
定時制高校 夜間や午後から登校・働きながら通える 少人数環境を好む
全日制高校(不登校受入校) 不登校経験者への理解がある 集団生活に再挑戦したい
高等専修学校 専門分野を学べる・実践的 明確な目標や興味がある
高卒認定試験 試験合格で高卒同等資格 早く次のステップに進みたい

受験における配慮と対策

不登校経験がある場合、当日の試験結果を重視する「オープン入試」や、内申書を必要としない、あるいは比重の低い学校を選ぶことで不利を避けられます。通信制や一部の私立では、作文や面接を主軸にした入試形態も一般的です。

家庭教師・塾・オンライン教材の活用法

対人関係に不安があるなら、まずは自分の部屋で完結するオンライン教材から始め、段階的にマンツーマンの家庭教師、少人数の塾へと広げていくのがスムーズです。大切なのは他者と比較せず、本人の「継続できるペース」を守ることです。

どこに頼る?不登校支援の専門機関と相談窓口一覧

不登校の解決には、家庭内だけで抱え込まず、外部の専門機関を適切に活用することが重要です。

学校内の相談窓口

最も身近な相談先です。担任、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)などが対応します。

  • メリット: 学校生活の詳細を把握しており、出席扱いや別室登校、試験の受け方など、具体的な環境調整を直接相談できます。
  • 役割: SCは心理ケア、SSWは家庭環境や外部福祉機関との調整を担います。

教育委員会の相談機関

自治体が設置する教育センターや教育相談所では、専門の相談員による電話・来所相談を無料で行っています。

  • 教育支援センター(適応指導教室): 不登校の子どもが通える公的な「学校外の居場所」です。学習支援や集団活動を提供し、通所が出席扱いになるケースも多くあります。

児童相談所と福祉関係機関

家庭環境や福祉的な課題が背景にある場合に活用する機関です。

  • 児童相談所: 18歳未満の子どもに関する専門機関です。心理判定や医学的診断が必要な場合、または法的・専門的な介入を要する場合に対応します。
  • 子ども家庭総合支援拠点: 市区町村に設置されており、育児や経済的な悩みも含め、家庭全体をサポートします。

医療機関(小児科・精神科・心療内科)

心身の不調や発達の偏りが疑われる場合は、医療的なアプローチが必要です。

  • 内容: 児童精神科や発達外来での診断・検査を通じて、本人の特性を把握します。必要に応じて薬物療法やカウンセリングを行い、特別支援教育や福祉サービスを受けるための診断書の発行も行います。

民間の相談・支援団体

NPO法人や民間企業が運営する窓口で、より柔軟なサポートを受けられるのが特徴です。

  • 親の会: 同じ悩みを持つ保護者同士で情報を共有し、孤立を防ぐピアサポートの場です。
  • フリースクール: 独自のカリキュラムや居場所を提供します。SNSやオンラインで相談を受け付けている団体も増えています。

主な相談窓口の比較

機関名 相談内容 料金 特徴
学校(担任・SC・SSW) 学校生活全般、心理相談 無料 最も身近で迅速な対応が可能
教育センター・相談所 不登校全般、学習相談 無料 専門相談員による継続支援
教育支援センター 居場所提供、学習支援 無料 出席扱いの可能性あり
児童相談所 家庭環境、虐待、心理判定 無料 法的権限を持つ専門機関
医療機関 診断、治療、投薬 保険適用 医学的アプローチが可能
民間団体・親の会 情報交換、ピアサポート 団体により異なる 経験者の視点からの支援

相談する際のポイント

  • 複数の機関を併用する: 「学校と医療」「教育委員会と親の会」など、異なる視点の相談先を持つことで、親自身の不安も軽減されます。
  • 状況をメモしておく: 不登校の経緯、現在の生活リズム、本人の訴えなどを整理して伝えると、相談がスムーズに進みます。
  • 相性を重視する: 相談員との相性が合わない場合は、無理に継続せず、担当の変更や別の機関を検討することも選択肢の一つです。

まとめ:子どもの自立を支える「伴走者」として

不登校は問題行動ではなく、子どもが心身の限界を知らせるSOSのサインです。文部科学省の指針でも「休養」の重要性が明記されている通り、まずは焦らずに見守る姿勢が回復への土台となります。

家庭での接し方、年代や回復段階に応じたサポート、そして学校外での多様な学びなど、選べる選択肢は一つではありません。教育支援センターやフリースクール、スクールカウンセラーといった専門機関とも連携し、多角的な視点を取り入れていきましょう。

親に求められるのは、正解を押し出す「指導者」ではなく、子どもの隣で歩みを支える「伴走者」としての役割です。保護者自身が孤立しないよう適切な相談先を持ちながら、お子さんの自立に向けて一歩ずつ進んでいくことが大切です。

 

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

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