
不登校は「甘え」ではなく、心が限界を知らせるSOSです。最新の文科省指針でも、無理な登校より「休養」と「多様な学び」が大切であると明記されました。
本記事では、家庭での接し方や年代別のサポート、回復ステップに応じた関わり方を分かりやすく解説します。
フリースクールやオンライン学習など、学校以外の選択肢も幅広くご紹介。お子さんの個性に合った「自立への道」を、一緒に見つけていきましょう。
松陰高等学校町田校では、体験イベントや学校見学を開催しています。
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Tel : 042-816-3061(平日9:00-18:00)
現在の不登校支援は、無理に登校させることよりも、お子さんの安心感と将来的な自立を優先する考え方にシフトしています。
文部科学省の定義では、病気や経済的理由を除き「年間30日以上」欠席することを不登校と呼びます。これには保健室登校や部分的な登校も含まれる場合があります。
令和4年度の調査によれば、小中学校の不登校者数は約29万9千人と過去最多を記録しました。これは全児童生徒の約3.2%(およそ30人に1人)に相当します。
| 学校種別 | 不登校児童生徒数 | 在籍比率 |
| 小学校 | 約10万5千人 | 1.7% |
| 中学校 | 約19万3千人 | 6.0% |
| 高等学校 | 約6万人 | 2.0% |
かつては登校を促すことが最優先でしたが、2016年制定の「教育機会確保法」により方針が転換されました。現在は「登校」という結果のみを目標にせず、本人が自らの進路を主体的に捉え「社会的に自立すること」を目指すべきだと明示されています。
不登校支援において、心身を休める「休養」の意義が法的に認められています。無理な登校刺激は状況を悪化させるリスクがあるため、初期段階では家庭を安全な場所として回復を優先することが、その後の社会参加への土台となります。
文科省は、学校以外の学びの場を公的に認め、多様な教育機会を支援する方針を強化しています。
不登校を問題行動と捉えず、個々の環境や心理要因に配慮した支援を行う理念です。学校復帰の強制ではなく、状態に合わせた段階的なサポートを重視しています。
学校外での学習活動の重要性と休養の必要性を明文化した法律です。自治体に対し、フリースクール等の情報提供や夜間中学などの就学機会提供を責務として定めています。
具体的な施策パッケージとして以下の3本の柱を展開しています。
| 施策の柱 | 主な内容 |
| 未然防止 | 魅力ある学校づくり、心の健康観察、早期発見・早期支援体制の構築 |
| 早期支援 | スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置拡充、教育支援センターの機能強化 |
| 学びの継続 | オンライン学習の活用、フリースクール等との連携、出席扱い制度の周知 |
教室に入れない生徒のために、校内に別室を設けて専門スタッフが支援する取り組みです。組織的・計画的な個別支援や相談対応を目的としています。
自宅等でICT(タブレット等)学習を行った場合、以下の要件を満たせば校長判断で「出席扱い」が可能です。
自治体が運営する公立の支援機関です。従来の学校復帰支援に加え、ICT環境の整備や民間施設との連携強化など、柔軟な支援拠点への転換が進められています。
専門人材を全公立小中学校へ配置することを目指しています。
不登校の解決において、家庭は回復の土台となる場所です。親の関わり方を見直すことで、子どものエネルギー回復を後押しできます。
不登校の初期段階では、親の焦りが「学校に行きなさい」という強いプレッシャーになりがちです。しかし、心身が疲弊している状態での登校刺激は、さらなる自己肯定感の低下を招き、引きこもりの長期化に繋がる恐れがあります。文部科学省の指針でも、まずは安心して休養できる環境を整えることが、回復の土台として位置づけられています。
子どもが理由や気持ちを話し始めたときは、アドバイスや説教を一度脇に置き、まずは最後まで耳を傾けます。「それは甘えだ」といった否定的な言葉を投げかけると、子どもは「相談しても無駄だ」と心を閉ざしてしまいます。
| ポイント | 具体的な対応 |
| アイコンタクト | 子どもの目を見て、関心を持って聴いていることを示す |
| 相づちと共感 | 「うんうん」「そうなんだ」と受容的な反応をする |
| 解決を急がない | すぐにアドバイスせず、まず気持ちを吐き出させる |
| 沈黙を恐れない | 子どもが考えている時間を尊重する |
家庭を「批判や叱責のない安全な場所」に整えることで、子どもの心は安定します。
不登校の対応は長期戦になることも多く、親が疲弊してしまうと、その不安が子どもに伝播して悪循環に陥ります。
不登校中の子どもは「自分はダメな人間だ」と自信を失っています。特別な成果ではなく、日々の当たり前の行動を肯定することで、少しずつ自己肯定感を取り戻せます。
「休養」は大切ですが、完全に無秩序な生活は、再登校や社会参加へのハードルを高くしてしまいます。本人が納得できる範囲で、緩やかな枠組みを維持します。
| 項目 | 望ましい対応 |
| 起床・就寝時間 | 極端な昼夜逆転を防ぐため、起きる時間の目安を設定 |
| 食事 | 家族と一緒に食べる機会を大切にする(無理強いはしない) |
| ゲーム・スマホ | 時間制限を話し合いで決める(一方的な禁止は逆効果) |
| 外出 | 短時間の散歩や買い物など、無理のない範囲で誘う |
家庭内だけで抱え込まず、外部の力を借りることが回復への近道です。
不登校の背景は、年齢や発達段階によって大きく異なります。心身の成長スピードや社会的な立場に合わせ、その時期に最も必要なサポートを見極めることが大切です。
小学生の場合、多くは「安心感の不足」や「環境変化への戸惑い」が根底にあります。低学年では親と離れることへの不安、高学年では人間関係の複雑化や学習の遅れが目立ち始めます。
| 学年 | 主な悩み | 背景 |
| 低学年(1~3年) | 親と離れることへの不安、集団生活への適応困難 | 環境変化への敏感さ、安心感の必要性 |
| 高学年(4~6年) | 友人とのトラブル、学習の遅れ、自己肯定感の低下 | 比較意識の芽生え、思春期への移行 |
まずは「学校に行かなくても、自分には価値がある」と思える心理的な安全を最優先してください。
思春期を迎える中学生は、最も不登校者数が多い年代です。自我が発達し、親や教師に対して複雑な反発心を持つ一方で、将来への強い不安も抱えています。
| 領域 | 具体的な悩み |
| 対人関係 | いじめ、仲間外れ、SNSトラブル、部活動での人間関係 |
| 学習面 | 授業についていけない、テストへの不安、進路への焦り |
| 心理面 | 自己否定感、劣等感、将来への不安、起立性調節障害 |
この時期は、親の干渉を嫌いながらも孤独を恐れる繊細な時期です。
高校生は義務教育ではないため、出席日数や単位の問題が現実的な壁となります。進路や将来に直結する不安が大きく、無力感に陥りやすいのが特徴です。
| 領域 | 具体的な悩み |
| 進路・将来 | 大学受験への不安、就職への焦り、将来像が描けない |
| 学校生活 | 単位不足、出席日数の問題、クラスへの所属意識の希薄化 |
| 精神面 | 無気力、昼夜逆転、ゲーム依存、自己否定感の強まり |
本人の判断力を尊重し、対等なパートナーとして将来を話し合う必要があります。
どの年代であっても、共通して必要なのは**「否定しない」「焦らせない」「孤立させない」**の3点です。不登校は一時的な停滞に過ぎません。その子の特性に合わせた柔軟な道を見つけることが、再始動への確かな一歩となります。
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不登校は、時間の経過とともにお子さんの心理状態が変化していくプロセスです。大きく分けて3つのステージがあり、それぞれの段階に合わせた適切な関わり方を知ることで、スムーズな回復を後押しできます。
学校に行けなくなり始めたばかりの時期で、本人も保護者も混乱の渦中にあります。朝になると体調を崩す、あるいは登校を激しく渋るのが特徴です。
| 心理状態 | 具体的な様子 |
| 不安と焦り | 学校に行けない自分への罪悪感、遅れへの焦り |
| 身体症状 | 頭痛、腹痛、吐き気、めまいなど |
| 情緒不安定 | イライラ、泣く、無気力などの感情の波 |
この時期は無理に登校させず、まずは心身を休ませることを最優先します。
不登校の状態が続き、少しずつ心が落ち着いてくる時期です。家庭内では表情が和らぎ、自分の好きなことにエネルギーを注げるようになります。
学校に対する罪悪感はまだ残っていますが、趣味や興味のあることに没頭し始めます。これは、次のステップへ進むための「心のエネルギー」を充電している大切な期間です。
焦って学校に戻そうとせず、活動の幅を広げる準備を整えます。
エネルギーがたまり、外の世界や将来に関心が向き始める時期です。自発的に学校の話題を出したり、新しいことに挑戦したいという意欲が見え始めます。
| 変化のサイン | 具体例 |
| 前向きな発言 | 友達に会いたい、勉強したいなどの言葉 |
| 外出の増加 | 買い物や趣味の活動で外に出る |
| 生活リズムの改善 | 朝起きられる、夜更かしが減る |
| 新しい挑戦 | 習い事やボランティアへの興味 |
本人の「やってみたい」という気持ちを尊重し、具体的な一歩をサポートします。
これら3つのステージは、一本道ではありません。回復期に見えても、些細なきっかけで混乱期に逆戻りすることもあります。
重要なのは、今どの段階にいるかを見極め、一歩進んで二歩下がるようなペースでも、お子さんの歩みを尊重し続ける姿勢です。焦らずに見守ることが、結果として確実な回復に繋がります。
学校に通えない期間、外部に安心できる居場所や学びの場を作ることは、子どもの孤立を防ぐために有効です。現在は、本人の特性や状況に合わせて選べる選択肢が広がっています。
民間の団体が運営する教育施設で、不登校の子どもたちが自由に過ごし、学ぶ場です。決まったカリキュラムをこなすことよりも、本人の興味や自主性を尊重した活動を重視しています。 スタッフは教員免許の有無に関わらず、子どもに寄り添う姿勢を大切にするケースが多いのが特徴です。費用は施設により幅がありますが、月額3万〜5万円程度が目安となります。
各自治体の教育委員会が運営する公的な施設です。主な目的は学習支援や集団生活への適応サポートです。 公営のため、費用が無料または安価であることや、通所した日数がそのまま「学校の出席扱い」になりやすいというメリットがあります。一方で、平日の日中しか開いていない、中学生までといった年齢制限があるなどの制約も確認が必要です。
タブレットやPCを使った学習は、外出が難しい子でも自宅で教育機会を確保できる手段です。
| 種類 | 特徴 | 適した子ども |
| 動画授業型 | 自分のペースで繰り返し視聴できる | 自学自習が可能な子ども |
| 双方向オンライン授業 | リアルタイムで講師と対話できる | 対人交流を求める子ども |
| AIドリル型 | 学習の定着度に応じて問題が出題される | 基礎学力の補強が必要な子ども |
文部科学省の要件を満たせば、自宅でのICT学習が「出席扱い」として認められる制度もあります。
選定にあたって最も重要なのは「本人の意思」です。親が無理に勧めるのではなく、見学や体験を通じて本人が安心できる環境かどうかを確認してください。 また、施設によって「学校復帰を目指す」のか「今の個性を伸ばす」のか方針が異なります。家庭の考え方や、月謝・送迎の負担を含め、無理なく続けられるかを総合的に判断しましょう。
一つの場所に絞る必要はありません。「月水金はフリースクール、火木は自宅でオンライン学習」といった併用も可能です。子どものエネルギー量や興味の変化に合わせて、その時々に最適な環境を柔軟に作り直していく視点が大切です。
不登校における学習や進路への不安は、本人と保護者双方にとって大きなストレスです。しかし、現在は学校外での学習を評価する制度や多様な進学ルートが整っており、欠席期間があっても進路の選択肢を確保することは十分に可能です。
文部科学省の通知により、一定の要件を満たせば自宅学習や外部施設での活動を「出席扱い」にできる制度があります。これを活用することで、内申点への影響を抑えながら学びを継続できます。
| 学習形態 | 出席扱いの可否 | 主な条件 |
| オンライン学習教材 | 可能 | 学校との連携・計画的な学習・定期的な報告 |
| フリースクール | 可能 | 学校長の判断・教育委員会との連携 |
| 教育支援センター | 可能 | 通所による学習活動 |
| IT・民間施設を利用しない家庭学習 | 条件付き可能 | 専門機関の指導・学校との情報共有 |
学習支援は、本人の心の回復度合いに合わせて進めることが重要です。
まずは心身の回復を最優先し、規則正しい生活リズムを整えます。この時期は無理な学習は避け、読書や趣味など本人が興味を持てる活動を通じて、机に向かう心理的ハードルを下げていきます。
本人の意欲が出てきたら、現在の理解度を確認し、つまずいた箇所から学び直しを始めます。オンライン教材や自分のペースで進められる通信教育を活用し、「わかった」という成功体験を積み重ねます。
志望校や目標が定まってきたら、試験に向けた具体的な計画を立てます。過去問演習や模擬試験を取り入れ、少しずつ実戦的な準備へとシフトします。
全日制高校以外にも、本人の特性や希望するライフスタイルに合わせた進路があります。
| 進路の種類 | 特徴 | 向いている子ども |
| 通信制高校 | 自宅学習中心・登校日数が少ない | 自分のペースで学びたい |
| 定時制高校 | 夜間や午後から登校・働きながら通える | 少人数環境を好む |
| 全日制高校(不登校受入校) | 不登校経験者への理解がある | 集団生活に再挑戦したい |
| 高等専修学校 | 専門分野を学べる・実践的 | 明確な目標や興味がある |
| 高卒認定試験 | 試験合格で高卒同等資格 | 早く次のステップに進みたい |
不登校経験がある場合、当日の試験結果を重視する「オープン入試」や、内申書を必要としない、あるいは比重の低い学校を選ぶことで不利を避けられます。通信制や一部の私立では、作文や面接を主軸にした入試形態も一般的です。
対人関係に不安があるなら、まずは自分の部屋で完結するオンライン教材から始め、段階的にマンツーマンの家庭教師、少人数の塾へと広げていくのがスムーズです。大切なのは他者と比較せず、本人の「継続できるペース」を守ることです。
不登校の解決には、家庭内だけで抱え込まず、外部の専門機関を適切に活用することが重要です。
最も身近な相談先です。担任、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)などが対応します。
自治体が設置する教育センターや教育相談所では、専門の相談員による電話・来所相談を無料で行っています。
家庭環境や福祉的な課題が背景にある場合に活用する機関です。
心身の不調や発達の偏りが疑われる場合は、医療的なアプローチが必要です。
NPO法人や民間企業が運営する窓口で、より柔軟なサポートを受けられるのが特徴です。
| 機関名 | 相談内容 | 料金 | 特徴 |
| 学校(担任・SC・SSW) | 学校生活全般、心理相談 | 無料 | 最も身近で迅速な対応が可能 |
| 教育センター・相談所 | 不登校全般、学習相談 | 無料 | 専門相談員による継続支援 |
| 教育支援センター | 居場所提供、学習支援 | 無料 | 出席扱いの可能性あり |
| 児童相談所 | 家庭環境、虐待、心理判定 | 無料 | 法的権限を持つ専門機関 |
| 医療機関 | 診断、治療、投薬 | 保険適用 | 医学的アプローチが可能 |
| 民間団体・親の会 | 情報交換、ピアサポート | 団体により異なる | 経験者の視点からの支援 |
不登校は問題行動ではなく、子どもが心身の限界を知らせるSOSのサインです。文部科学省の指針でも「休養」の重要性が明記されている通り、まずは焦らずに見守る姿勢が回復への土台となります。
家庭での接し方、年代や回復段階に応じたサポート、そして学校外での多様な学びなど、選べる選択肢は一つではありません。教育支援センターやフリースクール、スクールカウンセラーといった専門機関とも連携し、多角的な視点を取り入れていきましょう。
親に求められるのは、正解を押し出す「指導者」ではなく、子どもの隣で歩みを支える「伴走者」としての役割です。保護者自身が孤立しないよう適切な相談先を持ちながら、お子さんの自立に向けて一歩ずつ進んでいくことが大切です。
※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。
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