
不登校中の受験は、勉強の遅れや内申点への不安がつきまとうものです。しかし、正しい情報と対策さえあれば、合格は決して不可能ではありません。
本記事では、現在の学力を把握するコツから、出席日数が合否に与える影響、自分に合った学校選び(全日制・定時制・通信制)まで具体的に解説します。保護者のサポート方法や合格までのスケジュールも見ていきましょう。
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不登校のまま受験シーズンを迎えると、本人も保護者も「本当に大丈夫だろうか」と強い焦りを感じるものです。しかし、その不安の正体を正しく知れば、打つべき対策が見えてきます。まずは、何が不安を大きくさせているのかを整理しましょう。
不登校の受験生が抱える悩みは、主に以下の5つに分類できます。
| 不安の種類 | 具体的な内容 |
| 学力面の不安 | 学校を休んでいる間の学習の遅れや、現在の学力レベルが分からない状態 |
| 内申点の不安 | 欠席日数が多く、定期テストを受けていないため内申点が低い、または付かない状態 |
| 入試制度の不安 | 不登校であることが合否判定にどう影響するか分からない状態 |
| 進路選択の不安 | 自分に合った学校や進路が見つからない、選択肢が限られていると感じる状態 |
| 心理的な不安 | 受験当日に試験会場へ行けるか、人が多い場所に耐えられるかという不安 |
不安を放置したまま闇雲に勉強を始めると、焦りから非効率な方法を選んでしまいがちです。また、「情報がない」ことへのストレスは心身に大きな負担をかけ、肝心な時期に体調を崩してしまう恐れもあります。
特に周囲が慌ただしくなる中3の秋以降は、明確な指針がないと、本人の自己肯定感が下がりやすくなるため注意が必要です。
まずは、漠然とした「怖い」という感情を「具体的な課題」に分けることから始めましょう。課題が明確になれば、やるべきことが見えてきます。
次に、客観的なデータを確認してください。模試を受けて今の実力を知り、志望校の募集要項を読んで「内申点がどの程度合否に関わるのか」を調べます。事実を知るだけでも、不安は大きく軽減されます。
また、一人で抱え込まずにプロに頼ることも大切です。カウンセラーや塾の相談員など、不登校受験の知識がある第三者に話を聞いてもらうだけで、具体的な解決のヒントが得られます。
最初からすべての問題を解決しようとする必要はありません。まずは自分が一番気になっていることを「一つだけ」選び、小さな行動を起こしてみましょう。
「1ページだけ問題を解く」「行きたい学校のHPを見る」といった小さなステップで十分です。その積み重ねが自信となり、合格への道筋を少しずつ明るく照らしてくれます。
不登校という状況でも、自分に合った準備を進めれば合格は十分に狙えます。次の章からは、具体的な対策について深掘りしていきましょう。
不登校の期間が長くなると、「今の自分にどれくらいの実力があるのか」が見えず、不安ばかりが膨らみがちです。受験勉強を迷いなく進めるためには、まず「現在地」を正確に知ることから始めましょう。
自分の実力を客観的に測るには、模擬試験が最も有効です。最近は、会場へ行かなくても自宅で受験できる模試が増えています。
偏差値や志望校の判定が出るだけでなく、教科ごとの得意・不得意がグラフや数値で可視化されます。これにより、「どの単元を優先して復習すべきか」が明確になり、無駄のない学習計画が立てられるようになります。
志望校の過去問を「実際の試験時間」に合わせて解いてみるのも、強力な実力把握の方法です。
まずは直近の1年分に取り組んでみましょう。単に点数を見るだけでなく、「時間が足りなかったのか」「基礎的なミスが多かったのか」を分析するのがポイントです。学力だけでなく、入試本番を戦い抜くための「対応力」を肌で感じることができます。
不登校生のサポートに詳しい個別指導塾や家庭教師では、無料の診断テストを行っていることがあります。
プロの目による分析を受けることで、自分一人では気づきにくい「つまずきの根本原因」が見つけられます。分析結果に基づいたアドバイスをもらえるため、何から手をつければいいか迷っている方には特におすすめです。
もっと手軽に始めたいなら、教科書や基礎問題集を使って「どこまで理解できているか」をセルフチェックしましょう。中学1年生の内容から順に目を通し、少しでも不安がある単元をリストアップしてください。
| 確認方法 | メリット | 注意点 |
| 自宅受験模試 | 客観的な偏差値・志望校判定が分かる | 受験料がかかる場合がある |
| 過去問演習 | 入試の形式や難易度を直接体験できる | 現時点で解けなくても落ち込まない |
| 学習塾の診断テスト | 専門家の分析と学習計画が得られる | 外出が必要な場合がある |
| 教科書での自己チェック | 費用をかけずに基礎から確認できる | 客観的な評価は得にくい |
自分の実力を把握したら、その結果を日々の学習計画に落とし込みます。得意科目は演習で得点力を磨き、苦手科目は基礎まで戻ってじっくり復習する。この「メリハリ」が、限られた時間で逆転合格を掴む秘訣です。
また、3ヶ月に1回程度のペースで実力を測り直す習慣をつけましょう。少しずつでも「できること」が増えていく実感は、受験を最後まで走り抜くための大きな自信になります。
不登校中、最も頭を悩ませるのが「内申点」や「欠席日数」ではないでしょうか。しかし、結論から言えば、これらが原因で全ての道が閉ざされることはありません。入試制度の仕組みを正しく知ることで、自分に有利な戦い方を見つけることができます。
内申点は、定期テストの点数や提出物、授業態度などを数値化したものです。不登校の場合、これらが評価対象外となり、数値が低くなるのは避けられません。
公立高校の一般入試では、「試験点数」と「内申点」を合算して判定するのが一般的です。内申の比率は地域によって3割〜5割程度と差がありますが、当日点の比重が高い学校や選抜方法を設けているケースもあります。「うちの子はもう無理かもしれない」と結論づける前に、まずは志望校ごとの配点比率と選抜方法を一つずつ確認してみてください。学校によっては、説明会や個別相談で具体的なアドバイスをもらえる場合もあります。
多くの高校では、欠席日数だけで「受験不可」となるケースは稀です。一般入試においては、出席状況が合否を直接左右することはほとんどありません。
ただし、私立の推薦入試や公立の特別選抜などでは、「欠席日数が年間○日以内」といった出願条件がある場合もあります。志望校の募集要項を確認し、条件に当てはまるかどうかを早めに把握しておくことが大切です。
| 学校種別 | 内申点の重要度 | 出席日数の扱い | 特徴 |
| 公立高校(一般入試) | 中~高 | 原則不問 | 学力検査重視の選抜も存在 |
| 公立高校(推薦入試) | 高 | 考慮されることがある | 面接や作文も重視 |
| 私立高校(一般入試) | 低~中 | 原則不問 | 当日の試験結果を重視 |
| 私立高校(推薦入試) | 高 | 考慮されることがある | 基準を満たせば優遇措置あり |
| 通信制高校 | 低 | ほぼ不問 | 学力試験がない場合も多い |
| 定時制高校 | 低~中 | 原則不問 | 面接重視の傾向 |
都道府県によっては、内申点の持ち点が低くても、当日の試験で逆転できる選抜方法があります。自分の学力を最大限に活かせる「学力重視枠」がある学校を優先的に検討しましょう。
私立高校は学校ごとに判定基準が異なります。「内申よりも当日の点数重視」を公言している学校や、単願による優遇措置がある学校を探すことで、合格の可能性を大きく広げられます。
内申や出席日数をほぼ問わないのが、通信制や定時制の強みです。「これまでの経歴」ではなく「これからの意欲」を見てくれるため、心理的なハードルも低く、自分のペースを取り戻しながら大学進学などを目指すことができます。
教室へ行くのが難しくても、保健室や相談室への登校が「出席」として認められる場合があります。まずは、今の学校でどのような登校スタイルなら出席扱いになるか、先生と相談してみましょう。
自治体の適応指導教室や特定のフリースクールに通った場合、在籍校の校長判断で「出席」としてカウントされる仕組みがあります。学校外での頑張りが評価に繋がるため、積極的に活用したい選択肢です。
授業に出られなくても、定期テストだけを受けたり、自宅で作成した課題を提出したりすることで、成績がつく場合があります。「全くの評価なし」を避けるだけでも、内申点への大きな助けになります。
納得のいく選択をするために、以下の5点は必ずチェックしましょう。
説明会では、不登校であることを伝えた上での受け入れ状況を質問しても大丈夫です。誠実に対応してくれる学校は、入学後もあなたを支えてくれる良い環境だと言えるでしょう。
不登校中は生活リズムが崩れやすく、それが焦りや不安を大きくする原因にもなります。学習効率を上げるには、机に向かう時間だけでなく「心身のコンディション」を整えることが、合格への最短ルートです。ここでは、無理なく生活を立て直し、心を安定させるコツを紹介します。
昼夜逆転や睡眠不足の状態では、どんなに長時間勉強しても記憶が定着しにくくなります。脳は睡眠中に学習した情報を整理・定着させるため、質の良い眠りは「勉強の一部」と言っても過言ではありません。また、規則正しい生活は自律神経を安定させ、受験特有のイライラや落ち込みを防ぐ効果もあります。
昼夜逆転を一気に直そうとするのは禁物です。まずは現在の起床時間を「15分だけ早める」ことから始めてみましょう。1週間ごとに15分ずつ調整すれば、体への負担を抑えて自然に朝型へシフトできます。起きたらまずカーテンを開け、日光を浴びて体内時計をリセットする習慣をつけましょう。
「毎日○時から勉強する」と決めてしまうことで、脳がスムーズに学習モードに切り替わるようになります。最初は15分〜30分程度の短時間からで構いません。特に午前中は脳がクリアで記憶力が高まりやすいため、暗記物や苦手科目を優先するのが効率的です。
| 時間帯 | 推奨される行動 | 避けるべき行動 |
| 就寝2時間前 | 入浴、軽いストレッチ、読書 | スマートフォンやパソコンの使用 |
| 就寝1時間前 | 部屋の照明を暗くする、リラックスできる音楽 | カフェイン摂取、激しい運動 |
| 就寝直前 | 深呼吸、瞑想、温かい飲み物 | SNSチェック、勉強の詰め込み |
特にスマホのブルーライトは眠りを妨げるため、寝る1時間前にはスマホを別の部屋に置くなどのルール作りが大切です。
頭の中のモヤモヤは、紙に書き出すだけでスッキリします。「内申が足りない」「試験会場に行けるか怖い」など、不安を全て書き出し、「自分で変えられること」と「どうにもできないこと」に分けましょう。変えられないことは一旦横に置き、今できることに集中するのがメンタル維持の秘訣です。
緊張で胸が苦しくなったときは、深呼吸が即効性のある薬になります。4秒吸って、7秒止め、8秒かけてゆっくり吐き出す。これだけで副交感神経が刺激され、パニックや強い不安を和らげることができます。
「学校に行っている子と同じようにやらなきゃ」と比較する必要はありません。昨日の自分より一歩でも進んでいれば、それは大きな前進です。小さな「できた」をカレンダーに書き込むなど、自分の努力を自分で認めてあげましょう。
一人で抱え込みすぎると、孤独感からプレッシャーに押しつぶされそうになります。家族には「今は自分のペースで進めたい」「週に一度だけ進み具合を聞いてほしい」など、自分にとって心地よいサポートの形を伝えておきましょう。
焦りから休まず勉強し続けると、燃え尽き症候群を招く恐れがあります。適度な休憩や趣味の時間は、脳のパフォーマンスを維持するために不可欠です。「週に1日は勉強しない日」を作るなど、勇気を持って休むことも合格に必要な戦略です。
不登校の経験があると「それだけで落とされるのではないか」と不安になるかもしれませんが、安心してください。日本の高校入試は、過去の経歴だけで合否を決めるような不公平な仕組みにはなっていません。ここでは、入試のルールや合格後の実態について解説していきます。
高校入試の原則は、すべての受験生を公平に選抜することです。文部科学省のガイドラインでも、不登校であることだけを理由に不合格にすることは認められていません。
調査書(内申書)に欠席日数が記載されていても、判定のメインは「当日の試験点数」や「面接」です。不登校期間があっても、試験で合格ラインの点数を取れば、他の受験生と同じように合格を勝ち取ることができる仕組みになっています。
調査書には出席状況の欄があり、長期欠席の場合は「病気」「不登校」といった区分が記されるのが一般的です。しかし、これはあくまで「事実の記録」であり、それ自体が自動的に減点対象になるわけではありません。
| 記載項目 | 内容 | 合否への影響 |
| 出席日数 | 各学年の出席・欠席日数 | 内申点の一部として考慮される場合がある |
| 欠席理由 | 病気、不登校などの区分 | 直接的な減点対象にはならない |
| 特記事項 | 進路指導上の参考情報 | 面接での説明材料になることがある |
私立高校の一部では調査書を重視する学校もありますが、公立高校の一般入試であれば、多くの場合「当日点」で十分にカバー可能です。
高校に入学した瞬間、不登校の経歴は「過去のこと」になります。全員が同じスタートラインから再出発するため、過去の欠席が理由で進級が不利になるようなことは一切ありません。
ただし、高校は義務教育ではないため、卒業には規定の出席日数と単位取得が必要です。もし入学後に通学が難しくなったとしても、最近では通信制への転籍や単位制高校への転校など、柔軟に学びを継続できる選択肢が整っています。
面接で欠席理由を聞かれたら、隠さず正直に、かつ「これからの前向きな姿勢」を伝えるのがコツです。
ポイントは、不登校の理由を短く説明した後、「その期間にどう過ごし、今は何を目指しているか」に重点を置いて話すことです。「家で自習を続けてきた」「将来のためにこの学校で学びたい」といった意欲を伝えることで、困難を乗り越えようとする姿勢が評価に繋がります。
願書の志望理由欄には、無理に不登校の経歴を書く必要はありません。それよりも「この学校で何を学びたいか」を熱意を持って記述し、一人の受験生として堂々と自分をアピールしましょう。
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不登校を経験すると、「次こそは失敗したくない」という思いから進路選びに慎重になるものです。高校には大きく分けて3つのスタイルがあり、それぞれ学べる環境が全く異なります。まずは各校種の特徴を整理し、自分にとって無理のない選択肢を探してみましょう。
まずは、それぞれの高校の特徴を比較表で確認してみましょう。
| 学校の種類 | 登校日数 | 授業時間帯 | 卒業までの期間 | 向いている人 |
| 全日制高校 | 週5日(平日毎日) | 主に昼間 | 3年 | 毎日通学できる体力と意欲がある人 |
| 定時制高校 | 週5日程度 | 夜間・昼間・午前など | 3~4年 | 働きながら学びたい人、ゆっくり学びたい人 |
| 通信制高校 | 月1~週数日程度 | 自由(スクーリング時のみ登校) | 3年以上 | 自分のペースで学習したい人、通学が難しい人 |
全日制高校は、平日の昼間に毎日通学する一般的な高校の形態です。部活動や学校行事が充実しており、友人との交流機会も多いのが特徴です。
もっとも一般的なスタイルで、平日の昼間に毎日通学します。
夜間だけでなく、最近では昼間に授業を行う「多部制」の学校も増えています。
自宅学習をベースに、レポート提出とスクーリング(面接指導)で単位を取得します。
迷ったときは、以下の4つのポイントで今の自分の心境を整理してみてください。
ネットやパンフレットの情報だけで決めるのは禁物です。必ず「学校見学」や「個別相談」に足を運び、教室の雰囲気や先生の話し方を確認してください。
中学校の先生や、不登校支援の専門スタッフに相談するのも有効です。第三者の視点が入ることで、自分では気づかなかった「居心地の良い場所」が見つかるはずです。複数の選択肢を比較して、あなたが一番「ここなら通えそう」と思える場所を納得いくまで探しましょう。
不登校のお子さんが受験に向き合うとき、保護者の関わり方は合否以上に「本人のエネルギー」を左右します。親の不安からくる過度な期待や心配は、時として逆効果になりがちです。ここでは、お子さんの自信を引き出し、前向きな意欲を支えるための具体的な接し方をまとめました。
不登校を経験しているお子さんは、「自分だけが遅れている」「周りと同じようにできない」と強い劣等感や不安を抱えています。まずは、その不安を否定せずに丸ごと受け止める姿勢が何よりも大切です。
対話のポイントは、問い詰めるのではなく「聴く」こと。「どうして勉強しないの?」という詰問を、「今、何か心配なことはある?」「手伝えることがあれば教えてね」といった、本人が答えやすい質問に変えてみてください。また、日常会話がすべて受験の話にならないよう、趣味やたわいもない話題を共有して、親子間の「安心感」を維持しましょう。
親が良かれと思ってかける言葉が、お子さんを追い詰めてしまうことがあります。以下の表を参考に、言葉の「変換」を意識してみましょう。
| 避けるべき言葉がけ | 推奨される言葉がけ | 理由 |
| 「あなたのために言っている」 | 「一緒に考えよう」 | 主体性を尊重し、対等な関係を築ける |
| 「○○高校に受からないと」 | 「どんな学校が合いそう?」 | 子供自身の意思を引き出せる |
| 「みんな頑張っているよ」 | 「今日できたことは何?」 | 他人との比較ではなく自分の成長に焦点を当てられる |
| 「不登校だったんだから」 | 「これまでの経験も力になる」 | 過去を肯定的に捉え直せる |
小さな進歩を認め、自己肯定感を育てる言葉選びを心がけましょう。
保護者にできる最大の物的サポートは、静かな学習スペースや適切な照明、必要な参考書の準備といった「環境作り」です。
しかし、環境を整えた後は「見守る」ことに徹しましょう。「今どこまで進んだ?」「サボっていない?」といった監視のような声かけは、本人の集中力を削ぎ、反発を招くだけです。つかず離れずの距離を保ち、お子さんから頼られた時にだけ快く応じる。その「待つ姿勢」が、本人の自立した学習意欲を支えます。
受験勉強を支えるのは、何よりも健康な体です。食事の時間を一定にする、栄養バランスに配慮する、質の高い睡眠環境を整えるなど、生活の基盤を支えてあげてください。
不登校による昼夜逆転がある場合も、無理やり正すのではなく、朝日を浴びる習慣作りなどからスモールステップで進めましょう。焦りは禁物です。また、煮詰まった時には一緒に散歩に出かけるなど、軽い運動やリフレッシュの機会を親子で楽しむ余裕も大切です。
すべてを家族だけで抱え込む必要はありません。学習面なら塾や家庭教師、心理面ならカウンセラーなど、プロの力を借りるのも賢い選択です。
不登校生の受験に詳しい専門家は、学校選びのノウハウや、特有のメンタルケアに関する知識を持っています。第三者が介在することで、親子の間に適度な距離感が生まれ、関係がスムーズになることも珍しくありません。地域の支援センターなど、相談できる窓口をいくつか持っておきましょう。
お子さんの受験は、保護者にとっても大きなプレッシャーです。「自分の育て方のせいでは」と自責の念に駆られることもあるかもしれません。
しかし、親が不安定だと、その不安はお子さんにも伝播してしまいます。保護者の方自身も、同じ悩みを持つ親の会に参加したり、趣味の時間を持ったりして、心に「余白」を作るようにしてください。完璧な親である必要はありません。お子さんと一緒に、新しい未来を探していく姿勢こそが、最大のサポートになります。
不登校からの受験を成功させる鍵は、根性論ではなく「見通し」を立てることです。受験日から逆算して、いつ、何をすべきかを整理すれば、焦りは自然と落ち着いていきます。無理のないペースで進めるための具体的なロードマップを確認しましょう。
まずは全体像を把握しましょう。不登校期間がある場合は、体調や学習の進み具合に合わせて、余裕を持った計画を組むのがコツです。
| 時期 | やるべきこと | 注意点 |
| 受験6ヶ月前 | 志望校の絞り込み、過去問の入手、学習計画の作成 | 出願条件や選抜方法を必ず確認する |
| 受験4ヶ月前 | 過去問演習の開始、苦手分野の洗い出し | 解けない問題は基礎に戻る |
| 受験2ヶ月前 | 願書準備、面接練習の開始、生活リズムの調整 | 提出書類に不備がないか複数回確認 |
| 受験1ヶ月前 | 最終確認、体調管理、当日のシミュレーション | 新しい問題集には手を出さない |
一日の勉強時間は、最初は「10分だけ」でも構いません。まずは机に向かう習慣を積み重ね、継続することを最優先にしましょう。
願書は、学校側にあなたの魅力を伝える最初のプレゼン資料です。特に不登校の経験がある場合、その期間を「どう前向きに捉えているか」が評価の分かれ道になります。
「なぜこの学校なのか」を自分の言葉で書きましょう。パンフレットにある方針に触れつつ、「この学校なら、自分のやりたい〇〇ができると思った」と具体的に繋げます。不登校の経歴については、隠す必要はありません。「その期間に自分を見つめ直し、今は〇〇に向けて頑張りたい」と、未来への意欲として締めくくるのがポイントです。
学校以外の活動も立派なアピールポイントです。読書、イラスト制作、プログラミング、家事の手伝い、あるいは資格取得など、自分が熱中したことがあれば積極的に盛り込みましょう。「自分で決めて取り組んだこと」は、自立心の証明になります。
願書は必ずコピーを取り、まずは下書きから始めましょう。多くの学校では修正液が使えないため、一字一字丁寧に、想いを込めて清書します。期限ギリギリになるとミスが起きやすいため、余裕を持って準備を済ませておきましょう。
面接は「落とすための試験」ではなく「あなたを知るための対話」です。願書に書いた内容を軸に、自分の言葉で話せるよう準備しましょう。
不登校の経歴については、以下の質問を想定しておくと安心です。
家族や先生に協力してもらい、模擬面接を行いましょう。話す内容だけでなく、姿勢や目線、声のトーンを意識するだけで印象はガラリと変わります。最初は言葉に詰まっても大丈夫。繰り返すうちに、自分の想いがスムーズに出るようになります。
完璧な受け答えを目指す必要はありません。質問の意図がわからなければ「もう一度お願いします」と言ってもいいですし、言葉に詰まったら「少し考えさせてください」と伝えても失礼にはあたりません。一生懸命に伝えようとする誠実な姿勢が、面接官の心に届きます。
出願を済ませたら、受験票が届くのを待ち、当日の交通手段を確認しておきましょう。特に試験会場までのルートは、実際に一度足を運んでおくと当日の緊張が和らぎます。
結果が出るまでは落ち着かない日々が続きますが、過度に結果を恐れず、規則正しい生活を送ることが一番の薬です。もしもの場合に備えて、併願校や別の進路についても家族とフラットに話し合っておくと、心に余裕を持って本番に臨めます。
不登校という状況での受験は、確かに人一倍の勇気と準備が必要です。しかし、今の不安は決して「終わりの見えないもの」ではありません。学力を正しく知り、自分に合った学校を選び、生活リズムを少しずつ整える。そんな「小さな一歩」の積み重ねが、確実に合格へと繋がっていきます。
受験は、これまでの遅れを取り戻すための場所ではなく、これからの新しい自分を見つけるためのチャンスです。願書や面接でも、不登校の期間を「自分を見つめ直した大切な時間」としてポジティブに伝えていきましょう。
保護者の方も、どうか焦らず、お子さんの「今」を信じて見守ってあげてください。家族で足並みを揃えて進んだ経験は、合格という結果以上に、お子さんのこれからの人生を支える大きな自信になるはずです。一歩ずつ、納得のいく未来を一緒に手繰り寄せていきましょう。
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