
高校生の不登校は、決して人生の行き止まりではありません。これまでの無理をリセットし、自分に本当に合った道を探し始めるための大切な充電期間です。
今の不安を少しでも軽くし、未来への具体的な選択肢を見つけるためのヒントをまとめました。
松陰高等学校町田校では、体験イベントや学校見学を開催しています。
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Tel : 042-816-3061(平日9:00-18:00)
文部科学省の調査では、不登校の高校生は近年約6万人前後と報告されています。クラスに1人以上いてもおかしくない割合であり、特別なことではありません。自分だけが違うと思い詰めないでください。
| 年度 | 不登校生徒数 | 全生徒数に占める割合 |
| 平成25年度 | 約5.6万人 | 1.7% |
| 平成30年度 | 約5.3万人 | 1.6% |
| 令和4年度 | 約6.0万人 | 2.0% |
理由は学業不振や人間関係、心身の不調など複雑に絡み合っています。特に高校生は進路へのプレッシャーが強いため、限界を超えてしまいやすい時期です。SNSによる人間関係の疲れも、現代特有の要因といえます。
心が折れそうな時に無理をすると、回復にさらに時間がかかってしまいます。休むのは逃げではなく、エネルギーを溜めるための積極的な選択です。風邪を治すのと同じように、心の休息を優先しましょう。
回復のスピードは人それぞれです。他人と比較して焦ると、二次的な不調を招くこともあります。今は周囲のペースに合わせようとせず、自分の心を守ることを一番に考えてください。
不登校からの回復には、心の状態に応じた段階的なプロセスがあります。焦って無理に学校復帰を目指すのではなく、今の自分がどの段階にいるのかを理解し、適切な過ごし方を選ぶことが大切です。
回復は階段を上るように進むとは限りません。一進一退を繰り返すのが当たり前だと知っておくと、心が少し楽になります。
| 段階 | 心身の状態 | この時期の過ごし方 | 期間の目安 |
| 初期(混乱期) | 強い不安・疲労感・罪悪感 | とにかく休む・安心できる環境作り | 数週間〜数ヶ月 |
| 中期(安定期) | 落ち着き・好きなことへの関心 | 興味のある活動・生活リズムの回復 | 数ヶ月〜1年 |
| 後期(活動期) | 前向きな気持ち・意欲の芽生え | 学習再開・外部活動への参加 | 個人差が大きい |
この時期は何もしないことが仕事です。勉強の遅れや将来を考えてパニックになりがちですが、今は考えるエネルギーさえ枯渇している状態です。自分を責めず、休息に専念しましょう。
気持ちが落ち着いてきたら、好きな本やゲームなど、心が動く活動を取り入れましょう。決まった時間に起きる、カーテンを開けるといった小さな日常を積み上げる時期です。
何かやりたいという意欲が湧いてきたら、見学やオンライン学習など、少しずつ外の世界と接触を持ちます。ただし、調子の波があることも忘れないようにしましょう。。
安定期から混乱期に戻ることもありますが、それは失敗ではありません。心の回復は波のように進みます。しんどくなったら、いったん立ち止まる選択もできます。
家で過ごす時間は心のガソリンスタンドです。罪悪感を捨てて、エネルギーを効率よく溜める工夫を紹介します。
完璧を目指さず、お昼ご飯は決まった時間に食べるなど、小さな習慣を1つだけ守りましょう。日光を浴びるだけでも、自律神経の安定に繋がります。
学校に行かない=ダメな自分という思い込みを手放しましょう。今は充電中と考え、他人ではなく昨日の自分と比較するようにします。
以下のような考え方を意識すると、罪悪感が軽減されやすくなります。
散歩などの軽い運動や、料理、読書など、できたと思える体験が自信を呼び戻します。
| 活動の種類 | 具体例 | 効果 |
| 身体を動かす | 散歩、ストレッチ、ラジオ体操、家事の手伝い | セロトニン分泌を促し、気分が安定する |
| 創作活動 | 絵を描く、音楽を聴く、料理、手芸 | 達成感を得られ、自己肯定感が高まる |
| 学習・読書 | 興味のある分野の本、動画教材、オンライン講座 | 将来への不安が軽減され、自信につながる |
| リラックス | 音楽鑑賞、入浴、瞑想、好きな動画視聴 | ストレスが軽減され、心が落ち着く |
初期は睡眠第一、回復期は短時間の活動を入れるなど、フェーズに合わせてスケジュールをゆるやかに変えていきましょう。
まだ心身が疲れている時期は、無理に活動せず休息を優先します。
少しずつエネルギーが戻ってきた時期は、活動の幅を広げていきます。
スマホは楽しみになりますが、SNSで友人の活躍を見て落ち込むなら、少し距離を置くのも手です。タイマーを使って使いすぎを防ぐ工夫も有効です。
以下のような工夫で、健全な付き合い方を目指しましょう。
コンビニへの買い物や、オンラインの趣味の集まりなど、負担のない範囲で外の世界と繋がってみましょう。
以下のような方法で、少しずつ外の世界と接点を持ってみましょう。
今日は本を3ページ読むといった、絶対にできる目標を立ててクリアする。この小さな成功体験が、心を強くします。
不登校が続くと、出席日数が進級や卒業の要件を満たせなくなる可能性があります。この時、焦って無理に登校を再開するのではなく、自分の状態と将来の目標に合わせて冷静に選択肢を検討することが大切です。
高校には卒業・進級のルールがあります。欠席が続くと進級が難しくなるため、早めに担任の先生に基準を確認しておきましょう。
欠席日数がかさんでも、今の学校を卒業できる可能性は残されています。まずは以下の方法が可能か、学校側と相談してみましょう。
| 学校種別 | 特徴 | 向いている人 |
| 通信制高校 | 自宅学習が中心で、登校日数が少ない。レポート提出とスクーリング、テストで単位取得 | 自分のペースで学びたい、対人関係に疲れている |
| 定時制高校 | 夜間や昼間など時間帯を選べる。全日制より柔軟な学習スタイル | アルバイトと両立したい、少人数の環境が合う |
| チャレンジスクール・クリエイティブスクール | 不登校経験者を積極的に受け入れる公立高校。午前・午後など時間帯を選べることも | 学び直しをしたい、サポート体制のある学校を希望 |
| 単位制高校 | 学年の区切りがなく、自分のペースで単位を積み重ねられる | 柔軟なカリキュラムで卒業を目指したい |
転校は大きな環境の変化を伴います。決断する前に、まずは学校見学や個別相談に足を運び、実際の「空気感」を確かめましょう。 また、今の高校で取得した単位がどれだけ引き継げるかも重要なポイントです。転校の時期によっては卒業のタイミングが半年から1年ほど遅れる可能性もあるため、事前に具体的なシミュレーションをしておくと安心です。
どの道を選べばいいか分からなくなった時は、以下の視点で自分に問いかけてみてください。
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不登校中の受験勉強で一番大切なのは、焦って高い目標を立てる前に、今の実力を冷静に見ることです。もしブランクが長いなら、思い切って中学レベルの基礎からやり直しましょう。特に英語と数学は土台が抜けていると先へ進めません。基礎を埋めることが、結果的に合格への最短ルートになります。
体調や気分に波がある不登校中の学習は、「決まった時間に毎日やる」というルールを課しすぎないのがコツです。
| 状況 | 学習目安 | 取り組み方 |
| 調子が良い日 | 2~3時間 | 新しい単元や難しい問題に挑戦 |
| 普通の日 | 1~2時間 | 復習や基礎問題を中心に |
| 調子が悪い日 | 0~30分 | 英単語の確認や映像授業を見るだけでもOK |
自宅学習では、一人で抱え込まない工夫が重要です。
今の大学入試は、学力試験だけで決まるものばかりではありません。
| 入試方式 | 特徴 | 向いている人 |
| 一般選抜 | 学力試験のみで判定 | 出席日数に不安があるが学力に自信がある |
| 総合型選抜(旧AO入試) | 志望理由書、小論文、面接など | 明確な目標や意欲を持っている |
| 学校推薦型選抜 | 高校からの推薦が必要 | 出席日数と成績が基準を満たしている |
一般選抜は出席日数や内申点が合否に影響しないため、不登校でも学力があれば十分に勝負できます。また、総合型選抜では不登校の経験を含めた自分の歩みを前向きに表現できる場合もあります。
やる気が続かない時は、「今日はこれだけやる」という極小の目標を立てて、クリアしたら自分にご褒美をあげましょう。また、オープンキャンパスの動画を見て、自分がその大学に通っている姿を具体的にイメージするのも効果的です。
試験当日は朝が早いため、少しずつ朝型の生活に慣らしていく必要があります。ただし、一気に変えるのは体への負担が大きすぎます。数ヶ月かけて、15分ずつ起床時間を早めていくような、ゆるやかな調整を心がけましょう。
高校を卒業しなくても大学受験の資格が得られるのが高卒認定試験です。
8〜10科目の合格が必要ですが、不登校になる前に高校で単位を取っていれば、その科目は免除されます。16歳以上なら誰でも受けられ、試験は年に2回あります。
| 試験科目 | 必修/選択 | 備考 |
| 国語 | 必修 | 全員受験 |
| 数学 | 必修 | 全員受験 |
| 英語 | 必修 | 全員受験 |
| 世界史・日本史・地理 | 2科目選択 | 社会系科目 |
| 科学と人間生活・物理・化学・生物・地学 | 2~3科目選択 | 理科系科目 |
最大のメリットは「自分のペースで、最短で進路を切り拓ける」点です。人間関係や出席日数に悩まされることなく、受験勉強に集中できます。
注意したいのは、これが「学歴(卒業)」ではなく「資格」である点です。大学に進学すれば最終学歴は「大学卒業」になりますが、もし進学しない場合は履歴書上の最終学歴が「中卒」扱いのままになってしまうリスクがあります。
「今の学校を卒業するのは難しいが、早く大学受験の勉強を始めたい」「集団生活を避けて自学自習で進みたい」という人には、非常に有効な武器になります。
進路や勉強について一人で悩み続けると、どうしても悪い方に考えてしまいがちです。世の中にはたくさんの相談窓口があります。それぞれの特徴を知って、自分に合う場所を頼ってみてください。
担任の先生やカウンセラー、保健室の先生は、やはり最も身近な存在です。単位が今どうなっているのか、具体的な卒業の条件を確認する場所として活用しましょう。話しやすい先生を一人見つけるだけでも、心強さが違います。
自治体が運営する、学校以外の居場所です。ここへの通所が「学校の出席」として認められるケースも多いので、出席日数が気になっている場合は相談してみる価値があります。
教育相談センターやひきこもり支援センターなど、無料で利用できる窓口が各地にあります。まずは匿名で電話をしてみるだけでも、心の重荷が少し軽くなるかもしれません。
| 相談機関 | 主な内容 | こんな時に活用 |
| 教育相談センター | 学習・進路・不登校に関する相談 | 学校との関係に悩む時、第三者の意見がほしい時 |
| 児童相談所 | 18歳未満の子どもの福祉全般 | 家庭内の問題が背景にある時、虐待が疑われる時 |
| ひきこもり地域支援センター | ひきこもり状態にある本人・家族の相談 | 外出が難しい状態が続いている時 |
| 保健所・精神保健福祉センター | メンタルヘルスに関する相談 | うつや不安が強い時、医療機関の紹介がほしい時 |
不登校専門の塾やフリースクールは、一人ひとりに寄り添った手厚いサポートが期待できます。同じ境遇の仲間と出会えることもあり、孤独感を和らげてくれます。まずは見学や体験で、自分に合う雰囲気か確かめてみましょう。
夜眠れない、食欲がない、不安でたまらないといった症状があるなら、早めに心療内科や精神科へ行ってください。医師のサポートを受けることで、学校側に必要な配慮を求める際の「診断書」という心強い材料が得られることもあります。
「進路のことは学校、勉強は塾、心の内はカウンセラー」というように、相談先を使い分けるのが賢い方法です。多角的な視点から支えてもらうことで、より安心できる「自分だけのチーム」が作れます。
お子さんが学校に行けない姿を目の当たりにして、親御さんが戸惑うのは当然です。でも、親の焦りは驚くほどお子さんに伝わります。お子さんの「自分で回復する力」を信じるための接し方について考えてみましょう。
何もせず家で過ごすお子さんを見て、親は「このままでは手遅れになる」と焦りがちです。しかし不登校の初期は、休むことそのものが立派な回復活動。エネルギーを一生懸命チャージしている最中なのだと捉え、ゆったりと構えてあげてください。
| 望ましい接し方 | 避けたい接し方 |
| 子どもの気持ちを聞く姿勢を持つ | 一方的にアドバイスや説教をする |
| 小さな変化を認める声かけをする | 他の子と比較したり過去を責める |
| 本人のペースを尊重する | 学校や勉強の話を無理に持ち出す |
| 日常的な会話を大切にする | 無視したり過度に気を遣いすぎる |
| 親自身も楽しむ時間を持つ | 子どもに24時間付きっきりになる |
学校の話や進路の話は横に置いて、お子さんが好きな趣味や動画の話題を振ってみてください。親が興味を持って話を聞いてくれるだけで、お子さんは「自分を認めてもらえている」という安心感を得られます。
本人から「これからどうしよう」と話し始めた時が、そのタイミングです。親が答えを提示するのではなく、「一緒に調べてみようか」と一緒に歩むスタンスで接すると、お子さんも自分の未来を前向きに考えやすくなります。
親御さんが心身ともにボロボロでは、お子さんを支えることはできません。親御さん自身が趣味を楽しんだり、相談先で弱音を吐いたりして、心の余裕を保ってください。親が穏やかでいることが、お子さんにとっては何よりの安心になります。
不登校は決して人生の失敗ではありません。自分らしく生きるために必要な「作戦会議の時間」だと思ってみてください。
今は全日制高校以外のルートもたくさんあります。無理に周りに合わせようとせず、自分の心地よいペースで歩んでいけば大丈夫です。ここで過ごした時間は、将来必ずあなたの強みや優しさに変わります。まずは今日一日を、ゆっくり休むことから始めてみましょう。
※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。
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