公開日:2026.02.27 / 最終更新日:2026.02.27 不登校について

別室登校の完全ガイド|メリット・注意点・教室復帰への5ステップと親の接し方

「クラスには入れないけれど、学校とのつながりは絶ちたくない」 そんなお子さんの思いを支える選択肢が、保健室や相談室で過ごす「別室登校」です。
この記事では、気になる出席扱いや内申点への影響といった現実的なルールから、別室登校のメリット・デメリット、そして将来の進路選びまでを分かりやすく整理しました。
お子さんが自信を取り戻し、自分らしいペースで一歩踏み出すためのヒントとして、ぜひ役立ててください。

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目次

別室登校(分離登校)とは?定義と不登校との違いを整理

「学校には行けるけれど、どうしても教室には足が向かない」というお子さんにとって、学校内での大切な居場所となるのが別室登校です。まずは、その仕組みや不登校との具体的な違いについて整理していきましょう。

別室登校の基本的な定義

別室登校とは、クラスのみんなと一緒に授業を受けるのが難しい場合に、保健室や相談室、空き教室など「教室以外の場所」に登校して過ごすスタイルです。

学校という場所には通いながらも、心理的な負担を減らすために集団から離れて過ごすため、専門的には「分離登校」と呼ばれることもあります。

基本的には、プリントを使った自習やスクールカウンセラーとの対話、先生による個別指導などが行われます。登校する時間や過ごし方は、お子さんの心のエネルギーに合わせて「1時間だけ」「お昼まで」といった形で柔軟に調整できるのが一般的です。

不登校との明確な違い

「学校に行けていない」という点では似ていますが、制度上の扱いは大きく異なります。

最も大きな違いは「出席扱い」になるかどうかです。不登校は、病気や経済的な理由を除いて年間30日以上欠席している状態を指しますが、別室登校は学校内にいるため、多くの場合は出席扱いとなりますが、最終的な判断は学校ごとに異なります。

項目 別室登校 不登校
学校への登校 できている できていない
出席の扱い 出席扱い 欠席扱い
教室での授業 参加が難しい 学校自体に行けない
学習機会 別室で確保されている 家庭学習や適応指導教室等

別室登校は、不登校になるのを未然に防ぐ「防波堤」のような役割や、一度不登校になったお子さんが少しずつ学校に戻るための「リハビリ期間」として活用されることも多いです。

別室登校が必要とされる背景

今の学校現場では、クラスという大人数の空間にストレスを感じるお子さんが増えています。人間関係の悩みやいじめだけでなく、発達の特性による感覚過敏、あるいは「なぜか分からないけれど教室が怖い」といった漠然とした不安など、理由は人それぞれです。

以前は「無理をしてでも教室へ行くべき」という考えが主流でしたが、現在は「まずは安心できる場所で学ぶ権利を守ろう」という方針へ変わってきています。お子さんの個性に合わせた柔軟な学びの場として、別室登校の重要性はますます高まっています。

子供が別室登校を希望する心理と「教室」が難しい主な原因

別室登校を選ぶお子さんは、決して「怠けている」わけではありません。表面的には登校を渋っているように見えても、その根底には教室という特定の空間に対する強い不安や、言葉にできない「しんどさ」が隠れていることがほとんどです。

別室登校を希望する子供の心理状態

別室登校を望む子の多くは、「学校を辞めたい」と思っているわけではありません。むしろ「学校には行きたい、でも教室は怖い」という矛盾した葛藤の中で、一生懸命に自分の居場所を探しています。

心理状態 具体的な内面
学習意欲の維持 勉強は続けたい、学校生活も送りたいという前向きな気持ちがある
環境への不安 教室という集団空間に対する恐怖や緊張が強い
段階的な関わり いきなり教室は無理だが、少しずつなら学校と関われるという希望
自己防衛 心身の安全を確保しながら学校との接点を保ちたい

このように、別室登校は「不登校になりたくない」というお子さんなりの防衛本能であり、学校との細い糸をつなぎとめようとする意志の表れでもあります。

教室が難しい主な原因

人間関係の問題

やはり最も多いのが人間関係です。いじめのような明確なものだけでなく、「なんとなく浮いている気がする」「周りの視線が怖い」といった孤立感も大きな原因になります。思春期の子にとって、教室という密室での立ち位置は、大人想像以上に切実な問題です。

学習面の困難

「授業についていけない」「周りと比べて自分だけできない」といった挫折感が、教室を苦痛な場所へと変えてしまうことがあります。また、発達の特性によって、一斉授業のスピードや進め方がどうしても合わないケースも少なくありません。

感覚過敏や発達特性

教室は、騒がしい声、机を引く音、掲示物の多さなど、刺激に溢れた場所です。感覚が過敏なお子さんにとって、その空間に数時間い続けることは、嵐の中に立ち続けているような疲労感を伴います。

過去のトラウマ体験

「みんなの前で怒られた」「授業中に失敗して笑われた」といった過去の嫌な記憶が、教室という場所と結びついてしまっている場合があります。一度植え付けられた恐怖心は、本人の努力だけで拭い去れるものではありません。

起立性調節障害など身体的要因

朝どうしても起きられない、午前中に頭痛や吐き気がするといった身体的な不調も原因の一つです。特に起立性調節障害などの場合、午後からは動けるようになることが多いため、「遅れて別室にだけ行く」という形が現実的な選択肢となります。

「別室なら行ける」という状態の意味

「別室なら行ける」という言葉は、お子さんが発しているポジティブなサインです。これは学校を拒絶しているのではなく、自分に合った「安全なルート」を模索している証拠。この状態を維持できていることは、将来的に社会や学校と再び深くつながるための、非常に重要なステップになります。

別室登校を選ぶ大きなメリットと出席扱いの仕組み・内申点への影響

「教室へ戻ること」だけを目標にすると親子で苦しくなってしまいますが、別室登校は、学校とのつながりを絶たずに自分を守りながら学べる「避難所」のような役割を果たします。ここでは、別室登校がもたらす具体的なメリットと、保護者の方が最も心配される「出席扱い」や「内申点」のリアルな仕組みについて見ていきましょう。

別室登校の主なメリット

学校とのつながりを保ち生活リズムが整う

別室登校の大きな利点は、朝起きて着替え、学校へ向かうという「社会とのリズム」を維持できることです。完全に家から出ない状態が続くと昼夜逆転に陥りやすくなりますが、別室という目的地があることで規則正しい生活を守りやすくなります。

また、廊下で先生と挨拶をしたり、保健室で誰かと顔を合わせたりするだけでも、社会的な孤立感を大きく和らげることができます。

安心できる環境で学習を継続できる

騒がしい教室や人間関係のプレッシャーから離れ、静かな環境で勉強に集中できます。最近では、タブレットを使ったオンライン教材やプリント学習など、その子の進度に合わせて柔軟に対応してくれる学校も増えています。自分のペースで進められるため、授業の遅れに対する焦りも軽減されます。

自己肯定感の回復と段階的な復帰の足がかり

「教室には入れなかったけれど、学校には行けた」という事実は、お子さんの自信に直結します。たとえ短時間でも校門をくぐれたという成功体験の積み重ねが、心のエネルギーを回復させ、将来に向けた大切な一歩となります。

別室登校の出席扱いについて

出席扱いになる条件と学校の判断基準

実は、別室登校が出席になるかどうかは最終的に「校長先生の判断」に委ねられています。そのため、学校によって基準が異なるのが実情です。一般的には、以下のようなポイントが判断材料になります。

判断基準 詳細内容
登校時間 決められた時間帯に学校へ登校している
滞在時間 一定時間以上、別室で過ごしている
学習活動 プリント学習や読書など何らかの学習活動をしている
教職員の関与 養護教諭やスクールカウンセラーなど職員が見守りや指導を行っている

「行けば必ず出席になる」と思い込まず、事前に「どんな過ごし方をすれば出席扱いになるか」を先生と話し合っておくのが一番確実です。

出席日数が進路に与える影響

高校受験では、調査書(内申書)の欠席日数が見られるため、不登校が続くと不利になるのではと不安になりますよね。別室登校で出席実績を作ることができれば、欠席日数を抑えられ、進路の選択肢を広げることにつながります。

内申点(調査書)への影響と評価のしくみ

別室登校時の成績評価はどうなるか

内申点は「テストの点数」だけでなく「授業中の態度(関心・意欲)」も評価対象です。授業に参加していない別室登校の場合、どうしても評価がつきにくい側面はあります。

しかし、以下のような工夫で評価を得られる可能性があります。

  • 別室で進めたプリントや課題をこまめに提出する
  • 定期テストを別室(保健室など)で受験する
  • 実技教科(音楽や美術など)をレポート提出で代替する

「どうすれば成績を付けてもらえるか」を教科担任と相談しておくことで、納得感のある評価につなげやすくなります。

内申点が十分につかない場合の対応策

もし内申点が低くなったとしても、過度に悲観する必要はありません。今の入試制度は非常に多様化しています。

  • 当日の学力試験を重視する学校を選ぶ
  • 内申点を問わない通信制高校や定時制高校を検討する
  • 面接や作文で自分を出す「自己推薦」を活用する

別室登校を一つのステップと捉え、別の選択肢を組み合わせることで進路を考えることもできます。

注意すべきデメリット|別室登校の固定化と学習の遅れを防ぐには

別室登校はお子さんにとっての「安全地帯」になりますが、長く続くことで直面する課題もいくつかあります。大切なのは、デメリットを正しく知った上で、どうフォローしていくか。今の安心を守りつつ、将来の不安を減らすためのポイントを整理しました。

別室登校が固定化してしまうリスク

別室が「あまりに居心地の良い場所」になると、教室へ戻ることや次のステップへ進むことへのハードルが、以前より高く感じられるようになることがあります。クラスメイトとの接点が減ることで、戻るきっかけを見失ってしまうケースも少なくありません。

別室登校は、今の心を守るための大切な居場所です。すぐに次の段階を目指さなくても構いません。結果として教室復帰につながることもあれば、別の進路を選ぶこともあります。大切なのは「今ここで安心して過ごせているか」を軸に考えることです。

学習の遅れと学力への影響

別室では先生の授業を直接受けられないことが多いため、どうしても自習中心になりがちです。特に積み上げが大事な数学や英語は、一度わからなくなると一人で取り戻すのが難しくなります。

学習面の課題 具体的な影響
授業の未受講 単元の抜け、理解不足が蓄積
定期テストへの対応 範囲が未履修で成績に影響
受験への準備不足 進路選択の幅が狭まる可能性

「なんとなく自習して終わり」にせず、学校から授業プリントをもらったり、タブレット学習を活用したりして、進度を合わせる工夫が必要です。

人間関係の希薄化と社会性の発達

教室での何気ないお喋りやグループ活動、給食の時間などは、対人スキルを磨く貴重な機会でもあります。別室にいる時間が長くなると、こうした「同年代とのぶつかり合いや交流」の経験が不足し、余計に人との関わりに自信を失ってしまう悪循環に陥ることがあります。

クラスへの帰属意識が薄れることで、「自分の居場所はここ(学校)にはない」と感じてしまう寂しさも、注意しておきたいポイントです。

別室登校の固定化を防ぐための具体策

定期的な目標設定と見直し

「ずっとこのまま」という不安をなくすために、家庭と学校でこまめに状況を確認しましょう。「今月は週3回登校できたね」「来月は放課後に担任の先生と少し話してみようか」といった小さな目標を立て、達成感を積み上げていくことが自信につながります。

段階的な教室参加の計画

いきなり「明日から教室で全部の授業を受ける」のは無理があります。まずは「好きな美術の授業だけ」「朝の会だけ」「お弁当だけ」というように、ハードルの低いところから少しずつ教室との接点を作っていきましょう。完全復帰を急がないことが、結果的に近道になります。

 学習サポート体制の整備

学校の先生と連携して、別室でも授業と同じプリントを使わせてもらったり、わからないところを質問できる時間を作ってもらったりしましょう。また、学校外でも塾や家庭教師、オンライン学習などを活用し、「学力だけは維持できている」という状態を作っておくと、本人の心の余裕につながります。

人との関わりを持つ機会の創出

学校だけにこだわらず、習い事や地域の活動、あるいは趣味の集まりなど、本人がリラックスして他者と関われる場を作ってあげてください。学校以外の場所で「誰かとつながっている」という実感があれば、社会性を育む機会をしっかり確保できます。

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無理のない教室復帰へ向けた「5つのステップ」と進め方

別室登校から教室へ戻ることを考える際、最も大切なのは「急がないこと」です。階段を一段ずつ登るように、お子さんの安心感を育てながら進めていきましょう。焦って無理をさせると、せっかく溜まったエネルギーが枯渇してしまいます。

ステップ1:別室での安定した登校リズムを確立する

まずは「別室なら安心して通える」という状態をしっかり作ります。週に何日行けるか、何時間いられるかなど、お子さんにとって負担のないペースを見極めましょう。

この時期は教室のことは一切考えなくて大丈夫です。「学校という場所は怖くない」と思えるようになることが、何よりの優先事項。好きな本を読んだり、得意な科目の自習をしたりして、学校を「自分の居場所」として上書きしていく時期です。

ステップ2:教室の様子を「安全な距離」から観察する

別室での生活が安定してきたら、少しずつ教室の気配を感じる練習をします。いきなり中に入るのではなく、まずは遠くから眺める程度で十分です。

観察方法 具体例 ポイント
廊下からの観察 休み時間に別室から出て、教室の前を通る 無理に中を見る必要はない
授業の音を聞く 別室のドアを少し開けて教室の声を聞く 子供のペースで距離を調整
放課後の教室訪問 誰もいない時間帯に教室を見学 安心できる環境で慣れる

「しんどくなったら、いつでも別室という安全基地に戻れる」という安心感があるからこそ、外をのぞく勇気が湧いてきます。

ステップ3:短時間・特定の授業への部分参加を試みる

「ちょっと教室に入ってみようかな」と思えたら、いよいよ実践です。まずはハードルを徹底的に下げて、5分〜10分程度の短時間から始めましょう。

  • 朝の会や帰りの会だけ顔を出す
  • 図工・音楽・体育など、本人が好きな授業だけ参加する
  • 座席を出入り口の近くにしてもらい、いつでも出られるようにする

「最後までいなきゃダメ」というルールは作らないのがコツです。「いつでも抜けていいよ」と伝えておくことで、逆にプレッシャーが消えて滞在しやすくなります。

ステップ4:参加時間と教科を徐々に増やしていく

短時間の参加で自信がついたら、少しずつ範囲を広げます。ただし、ここでの進歩は「3歩進んで2歩下がる」ものだと心得ておきましょう。

  • 「昨日できたから今日も」と期待しすぎない
  • 調子が悪い日は無理をせず、別室に戻ることを認める
  • 週単位で見て、少しでも教室にいられたら「花丸」をあげる

お友達との関わりも、まずは「特定の話しやすい子一人」から。焦らずに少しずつ、関わりの輪を広げていきます。

ステップ5:完全復帰後のフォローアップと心のケア

一日中教室で過ごせるようになっても、そこがゴールではありません。数ヶ月は特に疲れが出やすい時期なので、丁寧なケアを続けましょう。

  • 週に一度、カウンセラーや先生と話す時間を設ける
  • 疲れた時は「予防的なお休み」や「別室休憩」を積極的に取り入れる
  • 家では「頑張ったね」と、結果よりもプロセスを労う

もし再び別室に戻ることがあっても、それは後退ではありません。自分を壊さないために「今は休むべきだ」と自分で判断できた、大きな成長の証です。

各ステップで共通する大切な心構え

すべてのステップにおいて、主役はお子さん自身です。大人が勝手に目標を決めず、「次はどうしてみたい?」とお子さんの意見を聞きながら進めましょう。

教室復帰はあくまで選択肢の一つ。何より大切なのは、お子さんが心から「ここは安心だ」と思える学び場を、一緒に見つけていくことです。

親の接し方ガイド|子供の心に寄り添う声かけと見守りのコツ

別室登校を選んだお子さんにとって、家は唯一「戦わなくていい場所」です。親御さんが焦りや不安をぐっとこらえて、今の状態を丸ごと受け入れてあげることで、お子さんの心には少しずつエネルギーが溜まっていきます。

基本姿勢:まずは子供の選択を肯定する

まずは「学校へ行こうとしている」その気持ちを、全力で肯定してあげてください。教室に入れないことを気にする必要はありません。「学校の敷地内に入れただけで十分すごいことだよ」というメッセージを伝え続けましょう。

「自分のペースでいいんだ」という安心感こそが、お子さんの自己肯定感を守り、次の一歩を踏み出すためのガソリンになります。

避けるべき声かけと推奨される声かけの例

何気ない一言が、お子さんの心を重くしてしまうこともあります。ポイントは「未来への不安」をぶつけるのではなく、「今の頑張り」に目を向けることです。

 

避けるべき声かけ 推奨される声かけ 理由
いつ教室に戻れるの? 今日はどんなことをして過ごしたの? プレッシャーではなく関心を示す
みんなと一緒に勉強しなきゃダメでしょ 別室でも頑張っているね 子供の努力を認める
このままじゃ将来が心配 今できることを一緒に考えよう 未来への不安ではなく現在に焦点を当てる
甘えてるんじゃないの つらいことがあったら話してね 安心して気持ちを話せる環境をつくる

子供の気持ちを引き出す傾聴のコツ

お子さんが話し始めたら、親御さんは「聞き役」に徹しましょう。すぐに解決策をアドバイスしたくなりますが、まずは「そうだったんだね」「それはしんどかったね」と、気持ちをそのまま受け止めるだけで十分です。

途中で口を挟まずに最後まで聞くことで、お子さんは「自分の気持ちを分かってもらえた」と安心します。たとえ沈黙が続いても、焦らずに待ってあげる時間が、信頼関係を深めてくれます。

過干渉と放任のバランスを取る見守り方

心配のあまり学校での様子を根掘り葉掘り聞くのは、お子さんにとって大きなプレッシャーです。逆に、全く触れないのも「見捨てられた」という不安を与えてしまいます。

理想は「何かあったら、いつでも聞く準備はできているよ」というスタンス。普段は学校の話題を出しすぎず、美味しいご飯を食べる、一緒にテレビを見て笑うといった、当たり前の日常を大切にしてください。

家庭での生活リズムと安心できる環境づくり

家を「最高の充電場所」にするために、まずは食事や睡眠といった基本的な生活リズムを整えましょう。体が整うと、心も安定しやすくなります。

また、趣味や好きなことに没頭できる時間を奪わないでください。自分の好きなことで心が満たされる時間が、学校で削られた自尊心を回復させてくれます。

兄弟姉妹や家族全体での理解と協力

もし兄弟姉妹がいる場合は、家族全員で状況を共有しておくことが大切です。「ずるい」と感じさせないよう、それぞれの子に「あなたも大切だし、今はお兄ちゃん(お姉ちゃん)にはこの時間が必要なんだよ」と丁寧に伝えましょう。

家族の誰かがお子さんを責めたり、誰かと比較したりしない雰囲気づくりが、家庭の風通しを良くしてくれます。

学校・先生と良好な連携を築くための具体的な相談ポイント

別室登校をうまく進めるためには、保護者と先生が「お子さんを支える一つのチーム」になることが大切です。学校側とスムーズに協力し合うための、具体的な相談のコツをまとめました。

初回面談で確認すべき5つの重要事項

別室登校を始める際の面談では、後から「こんなはずじゃなかった」と困らないよう、以下の5点をあらかじめ確認しておきましょう。

確認項目 具体的な内容
別室の環境 利用できる部屋(保健室・相談室・空き教室など)、利用可能時間、設備
登校時間・下校時間 柔軟な登下校が可能か、遅刻・早退の扱い
学習支援の方法 プリント配布、授業動画、教員による個別指導の有無
出席扱いの基準 何時間滞在すれば出席か、記録の方法
担当者と連絡方法 窓口となる教員、連絡帳・電話・メールなどの手段

定期的な情報共有の仕組みづくり

お子さんの状態は日々変わります。週に1回程度、短時間でも良いので状況を共有する場を作れるのが理想的です。

対面が難しければ、連絡帳や電話でも構いません。「別室でどう過ごしていたか」「学習は進んだか」といった学校での様子と、「家ではリラックスできているか」といった家庭での様子を交換し合うことで、適切な一歩が見極めやすくなります。

要望を伝える際の効果的な伝え方

学校へお願いをする際は、「具体的な事実」と「希望」をセットで伝えるのがコツです。

×「教室は無理そうです」

○「周りの視線が気になって、入口で足が止まってしまいます。まずは静かな別室で、少しずつ勉強を進めることから始めたいです」

このように具体的に伝えると、先生もどう動けばいいか判断しやすくなります。「お忙しい中すみませんが」といった一言を添えるだけで、協力体制はぐっと強まります。

担任以外の支援者との連携も視野に入れる

別室登校では、担任の先生だけでなく、多くの専門家が関わってくれます。

  • 心の相談: スクールカウンセラー
  • 体調の相談: 養護教諭(保健室の先生)
  • 学習環境の工夫: 特別支援教育コーディネーター

一人の先生にすべてを任せず、内容に合わせて適切な相手に相談しましょう。学校全体で支えてもらう体制(ケース会議など)を提案してみるのも一つの手です。

うまく連携が取れない時の対処法

もし学校側の理解が得られなかったり、忙しさから対応が後回しにされたりする場合は、一人で抱え込まないでください。自治体の教育相談窓口や、地域の「親の会」などに相談してみるのも立派な解決策です。

学校との関係を気にして遠慮しすぎる必要はありません。一番大切なのはお子さんの笑顔です。必要に応じて外部の力も借りながら、お子さんが一番「呼吸しやすい環境」を整えていきましょう。

別室登校からの進路選択|高校進学や学校外の多様な居場所

別室登校を続けているお子さんや保護者の方にとって、将来の進路は最も大きな懸念事項です。「このままの状態で高校へ進学できるのか」と不安を感じる場面もあるかと思いますが、現在は本人の状態に合わせて選べる多様な選択肢が存在します。

別室登校からの高校進学と内申点の実際

別室登校が「出席扱い」として認められていれば、欠席日数による入試への影響は最小限に抑えることが可能です。テストを別室で受験したり、課題を提出したりすることで成績(内申点)を確保できれば、志望校の幅も広がります。

高校入試における主な選択肢は、以下の通りです。

進学先のタイプ 特徴 向いている子供
全日制高校 通常の高校生活を送る。部活動や学校行事も充実 教室復帰の見通しがあり、集団生活への適応が期待できる場合
通信制高校 登校日数が少なく、自宅学習が中心。自分のペースで学べる 対人関係に不安があり、柔軟な学習スタイルを求める場合
定時制高校 夜間や昼間に授業。年齢層が幅広く、多様な生徒が在籍 自分のペースで学びたいが、登校による学習リズムは保ちたい場合
サポート校 通信制高校と連携し、手厚い支援を提供 学習面や心理面でサポートを必要とする場合

まずは中学校の進路指導担当の先生に相談し、現在の状況で柔軟に対応してくれる高校の情報を集めることから始めてみてください。

学校外の居場所|フリースクールや教育支援センター

学校の別室以外にも、お子さんが安心して過ごせる場所はいくつかあります。学校という枠組みだけにこだわらず、外部の環境を活用することで、本人の心が安定するケースも少なくありません。

フリースクール

民間の教育施設であり、少人数でアットホームな環境が整っています。教科学習だけでなく、体験活動を通じて自己肯定感を取り戻すことに重点を置いているのが特徴です。在籍校の校長判断により「出席扱い」となる事例も増えているため、事前に確認しておくのが望ましいでしょう。

教育支援センター(適応指導教室)

市区町村が運営する公的な施設です。不登校や別室登校のお子さんを対象に、無料で学習支援や相談を行っています。ここへの通所は原則として「出席」とカウントされるため、学校とのつながりを保ちながら、同じ悩みを持つ仲間と出会える場としても機能します。

オンライン学習やホームエデュケーション

ICT教材やオンライン指導を活用し、自宅で学習を進める方法です。外出が困難な時期でも学習の遅れを防げる有効な手段といえます。近年は一定の条件を満たすことで、自宅学習が出席扱いとして認められる制度の活用も進んでいます。

進路選択で大切にしたい視点

進路を検討するにあたっては、以下のポイントを意識することが大切です。

  • 本人の意思や「どうしたいか」という気持ちを最優先に尊重する
  • 周囲と同じ道であることに固執せず、現在の本人に適した環境を選ぶ
  • 親子で実際に学校見学へ足を運び、現地の雰囲気を確認する
  • 「やり直しはいつでもできる」と考え、焦って決断を下さない

別室登校の期間は、自分に合った学び方や生き方を模索するための貴重な準備期間でもあります。その経験を前向きに捉えつつ、次なるステージを落ち着いて検討していきましょう。

まとめ:別室登校は子供が自信を取り戻すための大切なプロセス

別室登校は、不登校でも完全な教室復帰でもない「中間的な選択肢」であり、お子さんが無理なく学校とつながり続けるための重要な仕組みといえます。教室に入れない理由は一人ひとり異なりますが、別室という安心できる環境で少しずつ自己肯定感を育み、自分のペースで学校生活に関わっていくことが可能です。

何より大切なのは、周囲が焦らず長期的な視点を持ち、学校側と手を取り合いながらお子さんの成長を信じて見守ること。別室登校は決して最終目的地ではなく、お子さんが本来の自信を取り戻し、自分らしい次のステップへ進むための、かけがえのないプロセスなのです。

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

 

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