公開日:2026.02.27 / 最終更新日:2026.02.27 不登校について

学校に行けない子どもの心理とは?原因と親ができる無理のないサポート術

「学校に行きたくない」という言葉は、お子さんの心が限界まで頑張った証拠です。今は心のエネルギーが一時的に低下し、休息が必要な状態かもしれません。
この記事では、不登校の心理段階や家庭での接し方のコツ、避けるべき言動を解説します。学校以外の学び方や相談先についてもまとめました。
焦らずにお子さんのペースを守りながら、これからを考えるヒントとして活用してください。

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目次

学校に行けないのは「心のエネルギー」が切れたサイン

朝起きられなかったり、制服を見て泣き出したりする姿を見ると、親は「甘えではないか」と不安になるかもしれません。しかし、これは怠けているのではなく、心のエネルギーを使い果たしてしまった状態です。

心のエネルギーとは何か

心のエネルギーとは、ストレスを受け流したり、物事に取り組んだりするための心理的な余力のことです。普段は休息や遊びで回復しますが、学校生活や人間関係で消費する量が回復を上回り続けると、次第に底をついてしまいます。エネルギーが切れると、昨日まで当たり前にできていた「学校へ行く」という行動が、本人には不可能なほど高い壁に感じられるようになります。

エネルギー切れの主なサイン

エネルギーが不足してくると、心身にさまざまなサインが現れます。

状態 具体的な様子
身体症状の出現 朝になると頭痛や腹痛を訴える、起きられない、吐き気がするなど
感情の変化 イライラしやすい、些細なことで泣く、無表情になる、感情の起伏が激しくなる
意欲の低下 好きだった趣味に興味を示さない、何をするのも面倒くさがる、部屋にこもりがちになる
睡眠リズムの乱れ 夜眠れない、昼夜逆転する、過度に眠る、悪夢を見るなど
回避行動 学校の話題を避ける、制服を見るだけで嫌がる、通学路を通りたがらない

エネルギー切れを起こしやすい子どもの特徴

真面目で責任感が強い子や、完璧主義で自分を責めやすい子は、周囲の期待に応えようとして無理を重ねがちです。また、周囲の刺激を敏感に察知する子や、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子も、ストレスを内に溜め込みやすく、気づいたときには限界を超えていることがあります。これらは決して欠点ではありませんが、人一倍エネルギーを消耗しやすい性質と言えます。

「充電」には時間がかかることを理解する

スマホのバッテリーと同じで、一度空になった心のエネルギーはすぐには満タンになりません。消耗した期間が長いほど、回復にも時間が必要です。焦って登校を促すのは、充電中のバッテリーを無理に使うようなものです。まずは「今は充電が必要な時期」と受け入れ、子どもが安心して休める環境を整えることが、回復への一番の近道になります。

子どもが学校に行けない主な原因と背景にあるもの

不登校の理由は、どれか一つに絞れるものではありません。多くの場合は、いくつかの要因が少しずつ積み重なり、複雑に絡み合っています。まずは代表的なきっかけを知っておきましょう。

いじめ・友人関係のトラブル

直接的なきっかけとして多いのが、友人とのトラブルです。無視や仲間外れ、SNSでの中傷だけでなく、特定の加害者がいなくても「周りに気を遣いすぎて疲れる」といった疲労感も大きな原因になります。思春期の子どもにとって友人は世界の中心であるため、小さなすれ違いでも深刻なダメージを受けます。

学業不振・勉強へのプレッシャー

授業についていけない、テストの点数が下がるといった学業の不安も、登校を重くさせる要因です。特に「周囲の期待」と「自分の実力」にギャップを感じていると、教室にいること自体が苦痛になります。本人の努力ではどうにもならない発達特性が隠れている場合もあり、無理に頑張らせるほど自信を失ってしまいます。

教師との関係・学校の環境

先生との相性や指導方法が合わず、意欲を失うケースもあります。厳しい指導や理不尽な叱責だけでなく、大人数の賑やかさや校則の厳しさ、チャイムの音といった「学校の環境そのもの」がストレスになることもあります。感覚が敏感な子にとって、学校は想像以上に刺激が強い場所です。

発達特性・HSC(敏感な気質)

集団生活を送るだけで、人一倍エネルギーを消耗してしまう子もいます。

特性 学校生活での困難
ASD(自閉スペクトラム症) 暗黙のルール理解、コミュニケーション、予定変更への対応
ADHD(注意欠如多動症) 授業中の集中、忘れ物、衝動的行動による叱責
LD(学習障害) 読み書き計算の困難、授業についていけない焦り
HSC(敏感な子) 刺激への過敏、他者の感情の影響を受けやすい

家庭環境・家族の問題

家庭内の不和や親の体調不良など、家の中が不安定だと子どもは安心して外(学校)へ向かうエネルギーが湧きません。また、親が過干渉になりすぎて自立を妨げたり、逆に関心が薄すぎたりすることも、子どもの心に影響を与えます。家が唯一の避難所になっている場合、外の世界が怖く感じることもあります。

起立性調節障害など身体疾患

朝起きられない、立ちくらみや頭痛がするといった体調不良が原因のケースも目立ちます。特に思春期に多い「起立性調節障害」は、自律神経の乱れによる立派な病気です。「サボり」や「気合が足りない」と誤解されやすいですが、本人の意思ではコントロールできないため、周囲の理解が不可欠です。

明確な理由がない場合もある

「なぜ行けないのか、本人も理由がわからない」という状況は珍しくありません。小さな不満や疲れがバケツの水が溢れるように限界を超えたとき、言葉にならない拒絶反応が出ることがあります。無理に原因を突き止めようとするよりも、「体が動かないほど疲れているんだ」と今の状況を受け止めることが大切です。

学校に行けない子どもの心理状態|段階別の変化と特徴

不登校は突然始まるものではなく、多くの場合、心の変化に沿っていくつかの段階をたどります。今、子どもがどの状態にあるのかを知ることで、家庭で必要な関わり方が見えてくるでしょう。

第1段階:違和感・もやもや期

本人も理由がはっきりわからず、「なんとなく学校へ行くのがしんどい」と感じ始める時期です。登校はできていても、朝の準備に時間がかかったり、帰宅後にひどく疲れていたりします。

心理状態 行動の特徴
漠然とした不安や違和感 登校前に時間がかかる、準備が遅くなる
原因を自覚できていない 「なんとなく嫌」「理由はわからない」と答える
頑張ろうとする気持ちが残っている 遅刻しながらも登校しようとする

第2段階:葛藤・我慢期

「行かなければ」という義務感と、身体の拒絶反応の間で激しく揺れ動く時期です。朝になると頭痛や腹痛を訴え、登校時間が過ぎるとケロッと治ることもありますが、これは仮病ではなく、強いストレスによる反応です。「みんなと同じにできない自分はダメだ」と、自分を強く責めてしまう傾向があります。

第3段階:限界・休息期

心のエネルギーが底をつき、気力だけでは動けなくなった状態です。部屋に閉じこもったり、一日中寝て過ごしたりすることも増えます。この時期に無理やり登校を促すのは逆効果です。心身ともに疲れ切っているため、まずは一切のプレッシャーをなくし、徹底的に休ませる必要があります。

心理状態 行動の特徴
無気力感、虚無感 一日中寝ている、何もする気が起きない
強い罪悪感と自己否定 「自分なんていない方がいい」などの発言
周囲への警戒心 家族との会話も避ける、部屋に閉じこもる

第4段階:安定・充電期

十分な休息により、家の中で穏やかに過ごせるようになる時期です。好きなゲームや読書に熱中できるようになり、笑顔も戻ってきます。ただし、学校や将来の話にはまだ過敏です。回復しているように見えても、無理に登校の話を出すと再びエネルギーを削ってしまうため、焦らず見守る姿勢が求められます。

第5段階:模索・動き出し期

エネルギーが溜まってくると、次第に「勉強が遅れるのが気になる」「友達に会いたい」といった、外の世界への関心が芽生え始めます。一歩進んで二歩下がるような不安定さはありますが、少しずつ自分のペースで外との接点を探せるようになります。元の学校に戻るだけでなく、フリースクールなど新たな居場所を選択肢に入れる時期でもあります。

段階 期間の目安 親のサポートのポイント
違和感・もやもや期 数週間~数か月 変化に気づき、話を聞く姿勢を持つ
葛藤・我慢期 数週間~数か月 身体症状を軽視せず、休む選択肢を示す
限界・休息期 数か月~半年以上 無条件に受け入れ、安心できる環境をつくる
安定・充電期 数か月~1年以上 焦らず見守り、子どものペースを尊重する
模索・動き出し期 個人差が大きい 小さな挑戦を応援し、多様な選択肢を示す

体に現れるSOS「心身症」と「起立性調節障害」の理解

学校に行けない子どもが訴える頭痛や腹痛は、単なる「気疲れ」で片付けられない身体のSOSです。病院で異常なしと言われても、実際には心身症や起立性調節障害といった病気が隠れていることが多く、正しい理解が求められます。

心身症とは何か

心身症とは、強いストレスや不安がきっかけで、実際に身体へ不調が出る状態です。いじめや学業のプレッシャーなど、言葉にできない苦しみが頭痛、吐き気、腹痛となって現れます。これらは仮病ではなく、本人は本当に痛みを感じています。特に登校前や休み明けに症状が強まり、逆に学校を休んだり夏休みに入ったりすると落ち着くのが特徴です。

起立性調節障害(OD)の特徴

思春期に多く見られる自律神経の不調による疾患です。立ち上がった時に血圧や心流のコントロールがうまくいかず、激しい立ちくらみや倦怠感を引き起こします。最大の特徴は、午前中は起き上がれないほど辛いのに、夕方から夜にかけて回復すること。周囲からは「午後から元気ならサボりではないか」と誤解されやすいですが、本人の意思で治せるものではない身体の問題です。

心身症と起立性調節障害の見分け方

両者は混同されやすいですが、以下のような違いがあります。

 

項目 心身症 起立性調節障害
主な原因 心理的ストレス、不安 自律神経の機能不全
症状の出方 登校前や特定の場面で悪化 午前中に症状が強く午後に改善
検査での所見 身体的異常なし 起立試験で血圧低下などが確認される
対応の重点 心理的サポート、環境調整 生活リズムの改善、薬物療法

身体症状への適切な対応

まずは子どもの痛みを否定せず、受け止めることから始めましょう。「気の持ちよう」といった言葉は、子どもを孤立させ症状を悪化させます。専門の医療機関を受診し、適切な診断を受けることが安心に繋がります。起立性調節障害なら無理に早起きをさせない工夫や水分補給、心身症ならストレス源となる環境の調整など、症状に合わせた具体的な対策を専門医と相談しましょう。

身体症状を理解するための視点

身体の症状は、言葉で言い表せない不安や恐怖の代弁です。「体が何かを伝えようとしている」と捉え、症状の真偽を疑うのではなく寄り添う姿勢を大切にしてください。心と体の両面からアプローチすることで、少しずつ回復の糸口が見えてきます。

「学校に行きたくない」と言われた時の親の初期対応

子どもから「学校に行きたくない」と告げられたとき、動揺しない親はいません。しかし、この瞬間の対応がその後の回復スピードを左右します。まずは深呼吸をして、冷静に向き合うことから始めましょう。

まずは気持ちを否定せず受け止める

「行きたくない」と言い出すまで、子どもは一人で相当な時間を悩み、葛藤しています。まずは「そうなんだね」「話してくれてありがとう」と、その気持ちを丸ごと受け止めてください。この段階で説得やアドバイスは不要です。味方だと伝わることが、何よりの薬になります。

無理に理由を聞き出さない

親としては原因を突き止めて解決したくなりますが、無理に聞き出すのは逆効果です。子ども自身も理由がわからず混乱していたり、言葉にできないほど疲れ切っていたりすることも多いからです。問い詰められると「責められている」と感じて心を閉ざしてしまうため、本人が話しだすまで待つ余裕を持ちましょう。

学校を休ませるかどうかの判断基準

休ませるべきか、背中を押すべきか迷ったときは、以下の表を一つの目安にしてください。

状態 対応の方向性
体調不良(頭痛・腹痛・吐き気など)がある 無理をさせず休ませる
泣いたり震えたりするなど感情が不安定 登校を強制せず様子を見る
理由を言わず表情が暗い まずは話を聞く姿勢を示し、状況に応じて休ませる
「今日だけ休みたい」と具体的に訴える 一旦受け入れ、その後学校や専門家と相談

身体や心に明らかなサインが出ているなら、休むことは「逃げ」ではなく「回復に必要な処置」だと捉えてください。

学校への連絡と情報共有

欠席の連絡をするときは、単なる体調不良として済ませず、担任や養護教諭に「登校をしぶっている現状」を伝えておきましょう。学校側と早めに状況を共有しておくことで、プリントの配布方法や別室登校の検討など、柔軟なサポートを受けやすくなります。

家庭でのルールと過ごし方

休んでいる間は、無理のない範囲で基本的な生活リズムを保つようにします。厳格なルールで縛る必要はありませんが、「食事は一緒に摂る」「夜更かししすぎない」といった最低限の習慣を守ることで、再始動しやすくなります。何より、家庭が「心からリラックスできる場所」であることを優先してください。

親自身の気持ちを整理する時間も必要

子どもが不登校になると、親も自分を責めたり、将来が不安になったりするものです。しかし、親の焦りは子どもに伝播します。友人や専門機関に不安を吐き出すなどして、親自身が心のゆとりを取り戻す時間を作ってください。親が落ち着いていることが、子どもの一番の安心感につながります。

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親がやってしまいがちなNG行動と、家庭での接し方のコツ

子どもが学校に行けなくなると、親は焦りから良かれと思って行動しがちですが、それが逆効果になることも少なくありません。ここでは避けるべき行動と、子どもが安心できる接し方についてまとめました。

やってしまいがちなNG行動

親の不安や世間体への焦りが、無意識のうちに子どもを追い詰めてしまうことがあります。

 

NG行動 子どもへの影響 背景にある親の心理
「学校に行きなさい」と無理に行かせようとする 心理的プレッシャーが増し、自己否定感が強まる 世間体への不安、将来への焦り
「なんで行けないの?」と理由を問い詰める 自分でも分からない気持ちを言語化させられ、追い詰められる 原因を特定すれば解決できるという思い込み
「みんな頑張っているのに」と比較する 劣等感と孤立感が深まり、回復を妨げる 標準的な姿との違いへの不安
過度に甘やかす、または過保護になる 自立心や自己効力感が育ちにくくなる 罪悪感や責任感からの過剰な補償行動
兄弟姉妹と差をつけた対応をする 家庭内で孤立感を感じ、家族関係が悪化する 特別扱いが必要という判断

家庭での接し方の基本原則

「待つ姿勢」を持つ

最も大切なのは、子どものペースを尊重することです。心の充電には想像以上に時間がかかります。焦って背中を押すと、せっかく溜まり始めたエネルギーを再び使い果たしてしまい、回復を遅らせる原因になります。

安心できる居場所を作る

家庭を、学校に行けない自分も否定されない「安全基地」にしましょう。「今はしっかり休んでいい時期なんだよ」という受容的な態度が、子どもの心の傷を癒やします。

小さな変化を認める声かけ

「自分からリビングに来た」「朝ごはんを食べられた」など、日常の些細な行動を肯定しましょう。大げさに褒める必要はありません。「見守っているよ」と伝わる程度の、さりげない声かけが自己肯定感を育みます。

日常生活での具体的な接し方のコツ

会話の質を変える

学校や進路の話は一旦横に置き、子どもの好きなことや何気ないニュースなど、プレッシャーにならない話題を選びましょう。無理に話させようとせず、隣に座って一緒にテレビを観るといった「沈黙の共有」も立派なコミュニケーションです。

生活リズムの緩やかな維持

完全に昼夜が逆転すると社会復帰へのハードルが上がります。「朝はカーテンを開ける」「食事の時間は合わせる」など、無理のない範囲でリズムを保ちましょう。厳しく管理するのではなく、生活の軸を緩やかに残すイメージです。

親自身の感情コントロール

親の不安は子どもに強く伝わります。親自身が自分の時間を楽しんだり、信頼できる相談相手を見つけたりして、心のゆとりを保つことが、結果として子どもを一番に支えることにつながります。

きょうだいへの配慮

不登校の子に手がかかる分、他のきょうだいは寂しさや不公平感を感じがちです。きょうだい一人ひとりと向き合う時間を意識的に作り、家族全体のバランスを崩さないよう配慮しましょう。

長期的な視点を持つ

この期間を「人生の遅れ」ではなく、自分を見つめ直すための「必要な休息」と捉え直してみてください。長い人生において、今は立ち止まってエネルギーを蓄える大切なプロセス。そう考えることで、親自身の焦りも少しずつ和らいでいきます。

学校以外の居場所と、学習機会を確保する多様な選択肢

学校に通えないからといって、学びや成長が止まるわけではありません。現在は「学校以外の場所」で過ごすことや、自宅での学習が正式な出席として認められるケースも増えています。お子さんに合った居場所の選択肢を知っておきましょう。

教育支援センター(適応指導教室)の活用

教育支援センターは、自治体の教育委員会が運営する公的な施設です。学校復帰だけを目標にするのではなく、少人数での学習やスポーツ、創作活動などを通じて、子どもの自立を支援します。専門の相談員が在籍しており、ここへ通うことで在籍校の「出席」としてカウントされるのが大きなメリットです。

フリースクールという選択肢

民間団体やNPOが運営する教育施設です。決まった時間割や評価がないことが多く、子どもの主体性を尊重する自由な校風が特徴です。自然体験や芸術活動など、独自のプログラムを持つスクールも多く、学校とは違う人間関係の中で自信を取り戻す子が少なくありません。校長の判断により、出席扱いが認められる場合もあります。

オンライン学習と在宅教育の可能性

自宅が一番安心できる場所であるなら、オンライン学習が有効です。

学習形態 特徴 出席扱いの可能性
教育委員会提供のオンライン授業 公的機関による無料または低額のサービス 出席扱いとなるケースが多い
民間のオンライン学習教材 学年に応じた体系的な学習が可能 校長判断により認められる場合あり
個別指導のオンライン家庭教師 マンツーマンで丁寧な指導 学習記録の提出により認められる場合あり

図書館や公民館など公共施設の利用

「どこかへ通う」のがハードルが高い場合、地域の図書館や公民館を居場所にするのも一つの手です。静かな環境で本を読んだり自習したりするだけでも、社会との接点を保つことにつながります。家庭以外の「サードプレイス」を持つことは、心の安定に大きく寄与します。

通信制学校という進路選択

中学卒業後の進路に不安があるなら、通信制高校が有力な選択肢になります。毎日通う必要がなく、レポート提出やスクーリングが中心のため、不登校を経験した子も無理なく卒業を目指せます。最近では、大学進学支援や専門スキルを学べるコースも充実しており、多様な生き方を肯定してくれる環境が整っています。

地域のサポートステーションやNPO団体

学習だけでなく「社会とのつながり」を重視したい場合は、地域活動を行うNPOやサポートステーションが適しています。職業体験やボランティア、同じ悩みを持つ仲間との交流など、教科書以外の学びを得られる場所です。親同士の情報交換会が開催されていることも多く、家族全体の支えになります。

選択肢を検討する際の注意点

最も大切なのは、お子さん本人が「ここなら行ってみようかな」と思えるかどうかです。親が先回りして決めるのではなく、まずは一緒に見学や体験に行き、空気感を確認しましょう。もし合わないと感じたら、すぐに中断しても大丈夫。「他にも選択肢はある」とゆとりを持って構えることが、結果としてお子さんの安心感につながります。

専門機関や第三者への相談|家族だけで抱え込まないために

不登校の問題を家族だけで解決しようとすると、どうしても行き詰まってしまいます。外部の専門知識や視点を取り入れることは、現状を打破し、親子双方が心のゆとりを取り戻すための大きな一歩になります。

相談できる主な専門機関と窓口

相談先にはそれぞれ得意分野があります。お子さんの状況に合わせて、まずは話しやすい場所を選んでみてください。

機関名 対応内容 特徴
スクールカウンセラー 学校生活における心理的な悩み、友人関係や教員との関係の相談 学校に配置されており、子どもの状況を学校と共有しやすい
教育支援センター(適応指導教室) 学校復帰を目指した学習支援や居場所の提供 自治体が運営し、出席扱いになる場合もある
児童相談所 子どもの福祉全般に関する相談、虐待やネグレクトなど深刻なケース 専門的な支援が必要な場合に介入可能
精神科・心療内科・小児科 心身症、うつ、不安障害、発達障害などの診断と治療 医学的な視点から診断やカウンセリングが受けられる
民間のカウンセリングルーム 心理カウンセリング、家族療法など 学校とは独立した立場で、柔軟な対応が可能

相談するタイミングと判断基準

相談に「早すぎる」ことも「遅すぎる」こともありません。特に以下のような変化がある場合は、早めに専門家の知恵を借りることを検討しましょう。

  • 頭痛や腹痛などの身体症状が長引いている
  • 部屋に閉じこもり、家族との会話も拒むようになった
  • 喜怒哀楽が消え、一日中無気力に見える
  • 自分を傷つける言動や、死を口にすることがある
  • 親自身が精神的に限界を感じ、余裕がなくなっている

第三者に相談することで得られるメリット

誰かに話すことで、暗闇の中に光が見えることがあります。

客観的な視点が得られる

親はどうしても感情的になりがちですが、専門家は状況を冷静に分析してくれます。親子の間だけでは気づかなかった「本当の原因」や「解決の糸口」が見つかることも少なくありません。

子どもに新たな人間関係が生まれる

カウンセラーや支援者との関係を通じて、子どもは「話を聞いてもらえる」「理解される」という経験を得られます。これが自己肯定感の回復につながります。

保護者の心理的負担が軽減される

「自分一人で背負わなくていい」と思えるだけで、家庭の空気は劇的に変わります。親が前向きになれることで、子どもも安心して休めるようになります。

相談時に伝えておきたい情報

限られた時間で的確な助言をもらうために、以下の項目をメモしておくと安心です。

  • 時期:いつ頃から渋り始めたか
  • きっかけ:思い当たる出来事や環境の変化
  • 現状:睡眠リズム、食事、家での過ごし方
  • 言動:本人が口にしている不安や不満
  • 履歴:これまでに相談した場所や、医療機関での受診歴

相談しづらさを感じたときの心構え

「親の育て方のせいだと思われないか」「相談するのは恥ずかしい」と感じる必要はありません。助けを求めることは、お子さんの未来のために親ができる立派な行動です。相性の合う相談先に出会うまで、いくつかの扉を叩いてみるくらいの軽い気持ちで始めてみてください。

まとめ:焦らず子どものペースに寄り添い、歩み出す力を待つ

学校に行けないお子さんの心は、いわばエネルギーが空っぽになった状態です。回復に必要なのは、何よりも「安心して休める時間」と「心の充電」です。親が焦って登校を促したり、周囲と比べてプレッシャーをかけたりすると、かえって回復を遅らせてしまいかねません。

家庭を「ありのままの自分でいていい場所」に整え、お子さんを温かく見守りましょう。同時に、学校や専門機関などの外部ともつながり、家族だけで問題を抱え込まないことが大切です。

子どもは本来、自分なりのタイミングで再び前を向く力を持っています。その力を信じて静かに待つこと。それが、今の親御さんにできる最も価値のあるサポートです。

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

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