公開日:2026.02.27 / 最終更新日:2026.02.27 不登校について

夏休み明けに不登校が増える理由は?子どものサインと親ができる対応・支援を徹底解説

この記事では、夏休み明けに不登校が増える原因と、見逃してはいけない「SOSのサイン」を解説します。あわせて、親が意識したい接し方や学校との連携、外部の支援制度など、お子さんの心を守るための具体的な対応策をまとめました。

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目次

なぜ夏休み明けに不登校が急増するのか?現状と社会的背景

夏休み明けの不登校は統計的にも明らかな傾向

統計データによれば、9月1日前後は不登校の相談や子どもの悩みに関する訴えが一年で最も増える時期です。長期休暇の「非日常」から、学校という「日常」への再適応を求められることが、子どもにとって想像以上に大きな心理的負担となるためです。特にいじめや人間関係の悩みを抱えている場合、休みが終わる絶望感が登校を困難にさせる大きな要因となります。

コロナ禍以降の不登校増加と社会環境の変化

近年、不登校の数は過去最多を更新し続けているのが現状です。コロナ禍を経てオンライン環境が身近になったことで、対面でのコミュニケーションに不安を感じたり、学校という集団生活に強い抵抗感を抱いたりする子が少なくありません。家で過ごす時間の安心感を知ったことが、皮肉にも学校という場所へのハードルを上げている側面も否定できないはずです。

社会的要因 子どもへの影響
長期の休校・分散登校 学校への帰属意識の低下
友人関係の希薄化 孤立感や疎外感の増大
オンライン環境への慣れ 対面コミュニケーションへの不安

家で過ごす時間が長くなったことで、学校という集団生活の場に戻ることへの抵抗感が生まれやすくなったという側面があります。

不登校への社会的認識の変化

現在は「教育機会確保法」により、学校以外の学び場の重要性が広く認められるようになりました。不登校を「問題行動」と決めつけるのではなく、心を守るための「必要な休養」と捉える考え方が浸透してきたといえます。フリースクールやオンライン学習など、多様な選択肢が公的にも受け入れられつつある社会背景が、無理な登校を控える選択を後押ししているのでしょう。

夏休み明けに学校へ行けなくなる5つの主な理由

夏休み明けに不登校が増える背景には、多くの場合、複数の要因が複雑に重なり合っています。ここでは、子どもたちが直面しやすい5つの代表的な理由を紐解いていきましょう。

理由1:長期休暇による生活リズムの乱れと学校モードへの切り替え困難

夏休み中に就寝や起床の時間が不規則になり、昼夜逆転に近い生活を送るケースは少なくありません。約1ヶ月以上続いた自由なリズムから、急に分単位で管理される学校生活へ戻すことは、心身ともに想像以上の負担となります。特にスマートフォンやゲームへの熱中から深夜まで起きる習慣がつくと、朝起きられない自分に焦りを感じ、そのストレスからさらに登校が遠のく悪循環に陥りやすくなります。

理由2:人間関係のストレスと不安の再燃

夏休み前に友人関係やいじめの問題を抱えていた子にとって、長期休暇は一時的な避難場所となります。しかし、新学期が近づくにつれて「またあの場所に戻らなければならない」という恐怖や不安が再燃してくるでしょう。グループ内での孤立やSNS上のトラブルなどは、休み中も心の中でくすぶり続けていることが多く、再び顔を合わせることへの強い抵抗感が登校を拒む大きな壁となります。

人間関係の問題 具体的な状況
友人グループからの孤立 休み前にグループから外されていた、話題についていけない
いじめや嫌がらせ 悪口、無視、仲間外れなどが休み前から続いていた
SNSトラブル LINE外し、既読スルー、陰口の拡散など

理由3:学習面での遅れや不安の蓄積

宿題が終わっていないことや、休み前から授業についていけていなかった焦りが、新学期への心理的ハードルを押し上げます。特に数学や英語のような積み上げ式の科目では、一度つまずくと自力で取り戻すのが難しく、教室に座っていること自体が苦痛になりかねません。テストの結果や通知表の評価による劣等感も、自己肯定感を下げてしまう要因となり得ます。

理由4:学校行事や活動へのプレッシャーと疲労感

2学期には体育祭や文化祭といった大きな行事が多く、その準備や練習が登校の足かせになる場合があります。集団行動を強く求められる環境や、人前に出るストレスは、控えめな性格の子にとって非常に大きな重圧です。また、部活動での厳しい指導や人間関係の悩みも、登校意欲を大きく削いでしまう原因の一つに数えられます。

理由5:家庭環境の変化や心身の発達に伴う不調

休み中の引っ越しや家庭内のトラブルなど、環境の変化が子どもの安心感を揺さぶることもあります。あわせて、思春期特有の心身の変化も無視できません。特に「起立性調節障害」のような、朝起きられない、立ちくらみがするといった身体的な不調は、心理的なストレスと密接に関係していると考えられます。

心身の変化 主な症状
起立性調節障害 朝起きられない、立ちくらみ、午前中の体調不良
心身症 頭痛、腹痛、吐き気などストレス性の身体症状
睡眠障害 入眠困難、中途覚醒、過眠

これらの要因は一つとは限らず、いくつも絡み合って不登校に繋がることがほとんどです。まずは子どもの置かれた状況を丁寧に見極めることが、解決に向けた大切な第一歩となるはずです。

見逃さないで!子どもが出している不登校の前兆とSOSサイン

子どもが不登校になる前には、必ずと言っていいほど何らかの予兆が現れるものです。忙しい日常の中ではつい見落としがちですが、早期に変化を察知できれば、深刻な状況を未然に防げる可能性が広がります。ここでは、子どもが発している具体的なSOSサインを確認していきましょう。

身体に現れる具体的なサイン

自分の気持ちを言葉にするのが難しい子どもほど、心の不調は身体の症状として現れやすくなります。

症状の種類 具体的な症状 特徴
朝の体調不良 頭痛、腹痛、吐き気、めまい 登校時刻が近づくと症状が出る。休日や夏休み中は症状がない
睡眠の変化 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝起きられない 生活リズムの乱れが顕著になる
食欲の変化 食欲不振、過食、偏食の悪化 ストレスによる摂食行動の変化
身体的訴え 倦怠感、疲れやすい、体がだるい 医学的検査では異常が見つからない

特に「朝だけ体調が悪く、休ませると回復する」というパターンを仮病と決めつけるのは避けなければなりません。これは心が限界を迎えているサインとして、真摯に受け止める必要があります。

行動や態度に現れる変化

日々のちょっとした振る舞いの変化に、葛藤が隠れている場合も少なくありません。

  • 準備の遅れ:朝の支度が極端に遅くなり、制服を着るのを嫌がります。
  • 生活の分断:帰宅後すぐに自室へこもり、家族との会話を避けるようになります。
  • 話題の回避:学校での出来事を話さなくなり、質問しても曖昧に返します。
  • 孤立の兆候:友人からの連絡を放置したり、遊びの誘いを断ったりします。
  • 興味の消失:今まで夢中になっていた趣味に関心を示さなくなります。

感情や表情に現れるサイン

内面の葛藤は、表情の乏しさや感情の爆発となって表に現れてきます。

  • 感情の不安定さ:些細なことで激しく怒ったり、家族に八つ当たりしたりします。
  • 表情の硬化:笑顔が消え、無表情でぼーっとしている時間が増えるでしょう。
  • 涙もろさ:理由もなく突然泣き出すなど、情緒のコントロールが難しくなります。
  • 自己否定:「どうせ自分なんて」といったネガティブな発言が目立ち始めます。

学習面での変化とサイン

学習に対する態度や成績の変化も、見逃してはいけないサインです。

  • 宿題をやらなくなる:提出物を出さない、やったふりをする
  • 成績の急な低下:それまで問題なかった教科で点数が下がる
  • 持ち物の管理ができなくなる:忘れ物が増える、教科書やプリントを失くす
  • 学習への拒否反応:勉強の話題になると不機嫌になる、避けようとする

物理的なサイン・持ち物の変化

持ち物や身の回りの状態からも、子どもの状況を読み取ることができます。

  • 制服や持ち物の汚れ・破損:いじめなどのトラブルの可能性
  • 持ち物がなくなる:お金や文房具が頻繁に失くなる
  • 身だしなみへの無関心:お風呂に入りたがらない、着替えない
  • 自分の部屋が散らかる:片付けられなくなる、ゴミが溜まる

夏休み明け特有の危険なサイン

新学期直前は、一年の中でも最も慎重な観察が求められる時期にあたります。

時期 サイン 対応の必要性
夏休み終盤(8月下旬) 「学校の話をすると機嫌が悪くなる」「宿題に手をつけない」 高い
始業式前日 「明日学校に行きたくない」と直接的に訴える、不眠 非常に高い
始業式当日の朝 起きられない、激しい体調不良、泣く、パニック状態 緊急対応が必要

年齢別に見るサインの現れ方

小学校低学年

「お腹が痛い」といった身体の訴えや、親から離れられないといった分離不安が強く出やすい傾向にあります。

小学校高学年

友人関係の悩みが深刻化し、友達の話題を避けたり、現実逃避のためにゲームに没頭したりする様子が見られます。

中学生

思春期の複雑な心理が重なり、昼夜逆転や自室への引きこもりが目立ちます。「消えてしまいたい」といった自暴自棄な言葉には、特に細心の注意を払わなければなりません。

複数のサインが同時に現れたら要注意

一つひとつのサインは小さくても、「睡眠不足」に「イライラ」と「成績低下」が重なるなど、複数が連鎖している場合は深刻な状況だと判断すべきです。サインに気づいたときは、決して叱咤激励せず、まずは子どもの苦しみに耳を傾ける姿勢を大切にしてください。

「学校に行きたくない」と言われた時の初期対応と親の心構え

子どもから「学校に行きたくない」と打ち明けられた瞬間、多くの親は動揺し、どう言葉を返すべきか戸惑うものです。しかし、この最初の対応が、その後の親子関係や子どもの回復を大きく左右するといっても過言ではありません。まずは一呼吸置いて、落ち着いて向き合うことを意識しましょう。

まずは否定せず、子どもの気持ちを受け止める

子どもが勇気を出して本音を伝えてくれたとき、最も避けたいのは否定や説得から入ることです。「みんな頑張っている」「そんな弱音を言わないで」といった言葉は、子どもの心を閉ざす原因になりかねません。まずは「そうなんだね」「話してくれてありがとう」と、ありのままの気持ちを受け止めてあげることが大切です。この安心感があってこそ、子どもは次の本音を話しやすくなります。

理由を無理に聞き出さず、タイミングを見極める

親としては「なぜ?」と原因を問い詰めたくなりますが、焦りは逆効果を生んでしまいます。子ども自身も理由がわからず混乱していたり、言葉にできないほど疲れ切っていたりすることも多いためです。無理に聞き出そうとせず、本人が話しだすタイミングを待つ余裕を持ちましょう。何気ない日常の会話の中で、少しずつ心の内を明かしてくれるのを待つ姿勢が信頼を深めます。

当日の対応|休ませるか登校させるかの判断基準

その日の朝、休ませるべきか登校させるべきかの判断に迷った際は、以下の基準を一つの目安にしてみてください。

子どもの状態 対応の目安 具体的なアプローチ
体調不良や強い不安がある 休ませる 無理に登校させず、心身の回復を優先する
朝は辛そうだが午後には落ち着く 遅刻・早退の活用 保健室登校や短時間登校を検討する
漠然とした不安だが話せる状態 寄り添いながら判断 一緒に学校まで行く、担任に相談するなど
原因がはっきりしない行き渋り 頭ごなしに否定しない 「本当にしんどいのかもしれない」という前提で、体調や気持ちの変化を丁寧に観察する

無理に登校させて子どもを追い詰めると、修復に多大な時間を要することになります。心を守る判断を優先させましょう。

親自身の感情をコントロールする重要性

わが子の行き渋りに直面し、不安や自責の念に駆られるのは自然な反応といえます。しかし、親の焦りやイライラは子どもに敏感に伝わり、さらなるプレッシャーを与えてしまうでしょう。まずは親自身が深呼吸をし、自分自身の心を整える時間を大切にしてください。一人で抱え込まず、周囲の信頼できる人や専門家を頼ることで、冷静な視点を取り戻せるはずです。

長期的な視点を持ち「今すぐ解決」を求めない

不登校の解決には時間がかかることもありますが、それを「停滞」ではなく「必要な休息」と捉えてみてはいかがでしょうか。「明日には学校へ」と短期的な目標を追うと、親子ともに疲弊してしまいます。学校へ行くことだけをゴールにするのではなく、子どもが自分らしく、笑顔で過ごせるようになることを最終的な目標に据えましょう。焦らず一歩ずつ進むことで、適切な支援の道も見えてきます。

子どもが安心できる家庭環境づくりと適切な接し方

夏休み明けに学校へ行けなくなった子どもが求めているのは、家庭が自分を守ってくれる「安全基地」であるという実感です。批判や叱責を避けて、まずは家が心からリラックスできる居場所になることが、回復に向けた大きな一歩となります。

安心感を生む家庭の基本姿勢

子どもを支えるためには、まず親が自身の心を落ち着かせる必要があります。親の焦りや不安な空気は、言葉にしなくても子どもに伝わってプレッシャーを与えてしまうためです。「学校に行かないことは決して悪いことではない」という視点を持つようにしましょう。不登校を「怠け」ではなく「心身のSOS」として捉えることで、自然と子どもへの接し方も変わってくるはずです。

やってはいけないNG対応

良かれと思ってかけた言葉が、かえって子どもを追い詰めてしまうケースもあります。避けるべき対応と、その代わりとなる接し方を整理しました。

NG対応 子どもへの影響 望ましい対応
無理やり学校に行かせようとする 信頼関係が崩れ、症状が悪化する 子どものペースを尊重し、気持ちを聴く
「なぜ行けないの?」と理由を問い詰める 自分でも説明できない苦しみが増す 理由を無理に聞かず、寄り添う姿勢を示す
他の子と比較する 自己肯定感がさらに低下する その子自身の良いところを認める
昼夜逆転を厳しく叱る 罪悪感が増し、回復が遅れる 生活リズムは徐々に整えていく

日常生活での具体的な接し方

普段通りの態度を保つ

腫れ物に触れるような特別扱いや、逆に無視するような態度は避けるべきです。元気なときと同じように挨拶を交わし、一緒に食事を囲むなど、日常のさりげないコミュニケーションを続けてください。

子どもの話を否定せずに聴く

もし子どもが話し始めたら、遮らずに最後まで聴いてあげましょう。「そうなんだね」「つらかったね」と共感を示すだけで、子どもは「自分は認められている」と感じて心が軽くなるものです。

小さな成功体験を積み重ねる

学校に行けないことで自信を失っている子には、家の中での役割が効果的です。料理の手伝いや植物の水やりなど、簡単なことで構いません。「ありがとう」と感謝される経験が、自己肯定感を取り戻すきっかけとなります。

きょうだいへの配慮

不登校の子どもに意識が向きがちですが、他のきょうだいへの目配りも忘れてはいけません。きょうだいが「自分だけ我慢している」という不満や不安を溜め込まないよう、一対一で向き合う時間を意図的に作り、それぞれの話を聞く場を設けてください。

家庭のルールと柔軟性のバランス

すべての決まりをなくす必要はありませんが、状況に合わせた柔軟さは必要です。食事や睡眠の時間など、最低限の生活習慣は緩やかに守りつつも、できないときを責めるのではなく「今は休む時期」と割り切る心のゆとりを持ちましょう。

親自身のメンタルケア

子どもを支える親が倒れてしまっては、家庭の安定は保てません。自分を責めすぎず、信頼できる友人や専門機関に相談して、親自身がリフレッシュできる時間を確保してください。親が心に余裕を持ち、笑顔で過ごせることが、子どもにとっても一番の安心材料になるはずです。

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学校や担任とのスムーズな連携・相談の進め方

不登校の悩みを解消するには、家庭だけで解決しようとせず、学校側と協力体制を築くことが欠かせません。「いつ相談すべきか」「どう伝えればいいのか」と迷うかもしれませんが、まずは現状を共有し、お子さんを一緒に支えるパートナーを見つける意識を持つことが大切です。

学校への連絡はいつ、どのように行うべきか

お子さんが「学校に行きたくない」と口にしたり、欠席が続きそうだと感じたりした際は、早めに連絡を入れるようにしましょう。対応が遅れるほど、学校側も状況が見えにくくなり、サポートのタイミングを逃してしまう恐れがあります。 最初の連絡は電話で問題ありません。その際、単に「体調不良」とだけ伝えるのではなく、「登校をしぶっている状況がある」と正直に共有するのが望ましいといえます。担任の先生には、今後の対応を一緒に考えてほしい旨を伝え、ゆっくり話せる場を設けてもらいましょう。

担任・学年主任・養護教諭との面談で伝えるべきこと

面談の場では、お子さんの様子を整理して伝えると、学校側も具体的な支援をイメージしやすくなります。

伝える内容 具体例
子どもの現在の状態 朝起きられない、腹痛や頭痛を訴える、イライラしているなど
いつ頃から変化があったか 夏休み明けから、2学期の初日から、など時期を明確に
家庭での様子 食欲の有無、睡眠の状態、趣味への興味など
子どもが話している内容 友達関係、授業の不安、学校での出来事など
家庭で試みた対応 話を聞いた、休養を取らせた、など既に行ったこと

感情的にならず、事実を中心に伝えることがスムーズな連携のコツです。「誰が悪いか」を問うのではなく、お子さんの安心を取り戻すために知恵を出し合う姿勢で臨みましょう。

学校側に求められる配慮と支援の具体例

学校には、お子さんの心の負担を減らすための調整を依頼できます。

  • 登校形態の工夫:保健室や別室への登校、特定の授業のみの出席などを検討してもらいます。
  • 時間の柔軟化:遅刻や早退を前提とした、無理のない通学ペースを相談しましょう。
  • 人間関係の調整:トラブルがある場合、教職員による見守りや関係改善の仲介を頼みます。
  • 情報の共有:プリントの受け渡しや連絡事項を、オンラインやメールで共有できないか確認してください。
  • 学習のフォロー:学習の遅れをどうカバーするか、個別の配慮をお願いしてみましょう。

すべてが必ずしも実現するわけではありませんが、子どもの状況に応じて相談してみる価値があります。

スクールカウンセラーや教育相談室の活用方法

学校に定期的に訪問するスクールカウンセラーは、専門的な視点からアドバイスをくれる心強い存在です。担任の先生を通じて予約をすれば、お子さん本人はもちろん、保護者の方だけでも相談できます。 カウンセラーには守秘義務があり、学校内の人間関係からも一歩引いた立場で話を聞いてくれるため、複雑な悩みも安心して打ち明けられるはずです。また、自治体の教育相談室なども、第三者の意見を聞ける貴重な窓口となります。

連携がうまくいかない時の対処法

学校側の理解がなかなか得られなかったり、対応が後回しにされたりして、連携がスムーズにいかない場合もあるかもしれません。そのようなときは、一人で抱え込まずに以下のような段階を踏んでみてください。

  • 責任者に相談する:学年主任や教頭、校長といった管理職の先生に現状を相談してみましょう。
  • 外部機関を頼る:教育委員会の窓口や、スクールソーシャルワーカーに相談して介入を依頼するのも一つの方法です。
  • 支援団体を活用する:保護者の会や民間の支援団体から、学校との交渉方法についてアドバイスをもらうことも有効です。

 学校との関係が悪くなることを心配しすぎる必要はありません。お子さんの心を守ることを最優先に考え、多角的に動いていきましょう。

学校以外の居場所と教育の選択肢|フリースクール・ICT活用

不登校になったからといって、学びの場が学校だけに限定されるわけではありません。近年は学校以外の場所で学んだり、過ごしたりする選択肢が大きく広がっています。お子さんの状態や特性に合わせて、最適な支援を受けられる環境を柔軟に探していくことが可能です。

フリースクールとは?特徴と利用方法

フリースクールは、不登校の子どもたちが自分らしく過ごせる民間の教育施設を指します。学校のような厳格なルールや時間割はほとんどなく、本人の興味や関心を軸にした活動を自分のペースで進められるのが魅力といえるでしょう。 学習面だけでなく、創作活動やスポーツ、遠足といった体験を通じ、社会性やコミュニケーション能力をゆっくり育んでいけます。スタッフはお子さんの心に寄り添う姿勢を大切にしており、無理に学校へ戻そうとするのではなく、まずは自信を取り戻すことを最優先にサポートしてくれます。 利用料金は施設ごとに異なりますが、月額2万円から5万円程度が一般的です。自治体によっては利用料の助成制度が設けられている場合もあるため、地域の教育委員会や支援センターへ事前に確認してみるのが良いでしょう。

教育支援センター(適応指導教室)の活用

教育支援センターは、各自治体が運営する公的な支援機関です。不登校の児童生徒に対して、学習支援や集団活動の場を提供しています。学校復帰を視野に入れつつも、決して無理をさせないペースで通える点が特徴といえます。 利用料は原則として無料で、在籍している学校と連携しているため、通った日数が出席扱いになるケースも少なくありません。教員経験者やカウンセラーが常駐しており、学習指導と心のケアの両面から支えてもらえる安心感があります。

施設の種類 運営主体 費用 出席扱い 特徴
フリースクール 民間団体 有料(月2〜5万円程度) 条件付きで可能 自由度が高く、子どものペースを重視
教育支援センター 自治体 無料 可能 学校復帰を視野に入れた支援
オンライン教材 民間企業など 無料〜月数千円 条件付きで可能 自宅で学習できる

ICTを活用した学習支援

デジタル技術が進歩したことで、自宅にいながら学習を継続できる環境が整ってきました。タブレットやパソコンを使ったオンライン学習は、対人不安があるお子さんでも無理なく取り組める選択肢として注目されています。

文部科学省のICT活用支援

文部科学省の指針により、不登校の児童生徒がICTを使って自宅学習を行った場合、一定の要件を満たせば「出席扱い」として認められるようになりました。これにより、学校に通うのが難しくても学習の記録がしっかりと残り、進級や進学への不安を軽減できます。 この制度を利用するには、保護者と学校が連携して学習計画を立て、定期的に状況を報告する必要があります。まずは担任の先生や教頭先生に、自宅学習を出席扱いにするための相談を持ちかけてみましょう。

代表的なオンライン学習サービス

オンラインの学習サービスには、学年を遡って学び直したり、得意な分野を先取りしたりできる機能が備わっています。動画解説や自動採点ドリルなど、お子さんの理解度に合わせて進められる工夫が凝らされています。 また、画面越しにリアルタイムで質問ができるオンライン指導であれば、人目を気にせず自分のペースでやり取りが可能です。顔を出さずに音声のみで受講できる形式もあり、人との関わりに慎重になっている時期でも活用しやすい工夫が見られます。

通信制中学・高校という選択肢

義務教育期間の中学校には通信制の仕組みはありませんが、高校進学の際には「通信制高校」が有力な選択肢となります。通信制高校は、毎日の登校を必要とせず、レポート提出やスクーリングを中心に卒業を目指す制度です。 近年は、週1回から通えるコースや、オンラインのみで卒業を目指せるコース、特定の専門分野を深く学べるコースなど、多様なスタイルが用意されるようになりました。全日制高校と同じ卒業資格を得られるため、その後の大学進学や就職において不利になることはありません。

居場所選びで大切にしたいポイント

学校以外の居場所を検討する際は、何よりも「お子さん本人の意思」を尊重してあげてください。無理に連れて行くのではなく、見学や体験利用を通じて、本人が「ここなら行ってみようかな」と思える場所を一緒に探していく姿勢が大切です。 スタッフの雰囲気や通いやすさ、費用面なども含め、家族全体に負担がかかりすぎない環境を選ぶようにしましょう。焦ることなく、お子さんの心の回復具合に合わせて少しずつ選択肢を広げていくことが、本当の意味での安心感に繋がります。

親が孤独にならないための相談先とメンタルケア

お子さんの不登校に直面すると、多くの親御さんは「自分の育て方のせいではないか」と自分を責めたり、周囲の目が気になって孤独を感じたりしがちです。しかし、親自身が疲れ切ってしまうと、お子さんを支え続けることは難しくなります。ここでは、保護者の方が一人で抱え込まずに済むための相談先や、心の整え方についてお伝えします。

公的機関の相談窓口

不登校の悩みについて、無料で専門的なアドバイスを受けられる公的機関は意外と身近にあります。誰かに話を聞いてもらうだけで、解決の糸口が見つかったり、気持ちがふっと軽くなったりすることも多いものです。

相談先 内容 特徴
教育支援センター(適応指導教室) 不登校児童生徒への支援、保護者相談 各自治体に設置され、継続的な支援が受けられる
教育相談所・教育センター 教育全般の相談、心理カウンセリング 臨床心理士などの専門家が対応
児童相談所 児童の福祉に関する総合的な相談 虐待などの深刻なケースにも対応
子ども家庭支援センター 子育て全般の相談、家族支援 地域に密着した支援を提供
24時間子供SOSダイヤル 電話相談(0120-0-78310) 夜間・休日でも相談できる

民間の支援団体・親の会

同じ不登校の悩みを持つ親同士が集まる「親の会」は、共感と情報交換ができる貴重な場といえるでしょう。「自分だけではない」と実感できることは、孤独感を解消する大きな力になります。民間のNPO法人や支援団体でも、保護者向けの学習会や個別相談を行っているケースが多いため、お住まいの地域の活動を調べてみるのがおすすめです。

医療機関・カウンセリング

親御さん自身の不安や落ち込みが激しい場合は、専門家による医学的なサポートを検討するのも一つの方法です。

精神科・心療内科

眠れない、食欲がない、涙が止まらないといった症状が続くときは、心療内科などを受診してみてください。適切な診断や治療を受けることで、心身の健康を取り戻す手助けになります。

臨床心理士・公認心理師によるカウンセリング

医療機関や民間のカウンセリングルームでは、対話を通じて感情を整理できます。第三者の客観的な視点を取り入れることで、お子さんとの向き合い方を冷静に考え直すきっかけが得られるはずです。

親自身のセルフケアの重要性

お子さんを優先するあまり、自分のケアを後回しにしていませんか。日常の中で少しずつ自分を労わる時間を持つことが、結果としてお子さんの安心につながります。

自分を責めすぎない

不登校は、本人の特性や学校環境、社会状況などが複雑に絡み合って起こる現象です。決して「親の責任」だけではありません。自分を責め続けても状況は好転しにくいため、まずは現状をありのまま受け入れることから始めましょう。

休息と気分転換

ケアに追われる毎日だからこそ、意識的に「自分だけの時間」を確保してください。読書や散歩、趣味に没頭する時間を持つことで気持ちをリセットできれば、お子さんにも穏やかな気持ちで接しやすくなります。

家族や友人に頼る

パートナーや親戚、信頼できる友人に弱音を吐くことも立派なセルフケアです。解決策を求めていなくても、誰かに共感してもらうだけで心の余裕は変わってきます。

情報の取捨選択と距離感

ネットやSNSには不登校に関する情報が溢れていますが、中には不安を煽るようなものも含まれています。情報の波に飲まれず、信頼できる公的な情報や専門家の意見を優先するようにしましょう。また、他のお子さんと比較して落ち込まないよう、適度な距離感を保つことも大切です。

親御さんが心穏やかに過ごせていることが、お子さんにとっては何よりの薬になります。周囲の支援を遠慮なく活用し、自分自身の心も大切に守っていきましょう。

まとめ:夏休み明けの不登校は「一歩休むためのサイン」

夏休み明けの行き渋りは、心が休息を求めている切実なサインです。生活リズムの変化や人間関係の不安など、複数の要因が重なるこの時期は、誰の身にも起こり得る反応といえるでしょう。

まずは不登校を否定せず、お子さんの気持ちに寄り添うことから始めてみてください。家庭を安心できる居場所に整えながら、学校や専門機関と連携し、お子さんのペースに合った道を探していきましょう。

今はフリースクールやオンライン学習など、学校以外の選択肢も広がっています。保護者の方も一人で抱え込まず、周囲を頼るようにしてください。「休むこと」も大切な成長の一歩だと捉え、お子さんの歩幅を尊重して見守っていきましょう。

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

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私たち松陰高等学校は、山口県岩国市に本校を置く広域通信制高校です。「問いを立てる力」を育むことを大切にし、生徒一人ひとりの個性やペースに合わせた学びを提供しています。全国の学習センターを正規スクーリング校として活用し、移動の負担を減らした柔軟な学習環境を実現。教員と民間出身者が協力し、社会とつながる教育を行っています。校則はなく、生徒自らが学校をつくる「対話」と「実践」の場です。

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