公開日:2025.11.03 / 最終更新日:2025.11.03

3Dモデラーになるには|未経験・独学・大学・VTuberまで完全解説

3Dモデラーの学び方や仕事内容、年収、必要なスキルを紹介します。未経験からの独学や学校選び、就職からフリーランスまで解説していきます。採用で最も重要なのは実務レベルのポートフォリオです。無料ツールで基礎を固め、目的に応じて学習するのが効率的でしょう。

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目次

3Dモデラーとは?基本知識と業界動向を徹底解説

3Dモデラーは、ゲームや映像、広告などの制作で、キャラクターや背景などの3Dアセットを設計・構築する専門職です。モデリングに加え、トポロジー設計やUV展開、法線の管理まで含めて、用途に適したデータに仕上げます。

主要ツールはMayaやBlender、ZBrushなどです。業界によってデータ要件が異なるため、制作工程全体の理解が必要になります。

3Dモデラーの価値は、美しさと動かしやすさ、最適化を同時に実現する点にあり、制作の品質を左右する重要なポジションです。

3Dモデラーの役割と重要性

3Dモデラーは、コンセプトアートや仕様書をもとに、ポリゴン数、テクスチャ解像度、PBRルール、リグ要件、ゲームエンジンの制約などを満たしたモデルを作成します。アニメーション前提のキャラクターでは、関節のトポロジーや表情設計、LODの用意など、運用面まで見据えた設計が求められるでしょう。

映像制作ではディテール重視のスカルプト、ゲーム制作では軽量化と描画負荷の最適化が重視されます。フォトグラメトリデータのクリーンアップ、リトポロジー、UV展開の一貫性確保なども担当範囲に含まれます。

モデラーの判断により、その後のリギング・アニメーション・ライティングの効率と品質が大きく変わってきます。チーム内でのコミュニケーションと仕様理解が鍵になるでしょう。

3種類のモデラー(ポリゴン・サーフェイス・ソリッド)

3Dモデリングにはポリゴン、サーフェイス(NURBS)、ソリッド(CAD/B-Rep)の3系統があります。エンタメ分野ではポリゴンが主流で、工業設計ではサーフェイスやソリッドが中心です。用途に合った方式選択が品質と生産性を左右するでしょう。

3種類のモデラー(ポリゴン・サーフェイス・ソリッド)

3Dモデリングにはポリゴン、サーフェイス(NURBS)、ソリッド(CAD/B-Rep)の3系統があり、エンタメ分野ではポリゴン、工業設計ではサーフェイスやソリッドが主流です。用途に合った方式選択が品質と生産性を左右します。

方式 主な用途 代表的なツール 長所 注意点
ポリゴン ゲーム、アニメ、映画VFX、VTuberアバター、背景・プロップ Blender、Maya、3ds Max、ZBrush、Houdini リアルタイム適性、柔軟な編集、リグ・アニメに強い 精密寸法管理には不向き、トポロジー品質が結果を左右
サーフェイス(NURBS) 自動車・家電などの意匠設計、滑らかな曲面 Rhinoceros、Alias、Maya(NURBS) 高品位な連続曲面、意匠面でのコントロール ポリゴンへの変換時にエッジや面数が増えやすい
ソリッド(CAD/B-Rep) 機構設計、製造、図面連携、3Dプリント Fusion 360、SolidWorks、Creo 寸法・公差管理に強い、製造データと親和性 エンタメ用途では軽量化やリトポが前提になりがち

同じ形状でも作り方によって後工程への適合性が変わるため、目的に沿った選択がプロ品質への近道になるでしょう。

VTuber・ゲーム・映像業界での活躍分野

VTuber領域では、リアルタイム配信前提の最適化やモーションキャプチャ対応が重視されます。衣装や髪の物理挙動を見越したモデリングが求められます。

ゲーム開発では、アセットの量産とバージョン管理、テクスチャ制作、LOD対応が要点です。スキャンと手作業の組み合わせが一般的になっています。

映像やVFXでは、微細ディテールとクリーンなトポロジー、レンダラー特性の理解が品質を左右します。守備範囲は広く、他部門との連携が重要です。

リアルタイムレンダリングやVRの拡大により、最適化と高品質を両立できる3Dモデラーの需要が高まっています。生成AIなどの技術は作業を補助し、アートディレクションと品質判断力がより求められています。

3Dモデラーの仕事内容と年収を詳しく解説

3Dモデラーの仕事は設計された形を作るだけでなく、要件に合わせて再現性や最適化、運用性まで考える総合的な職種です。以下では実務の工程、国内で一般的な年収の目安、雇用形態ごとの働き方を整理します。

実際の作業工程(モデリング・テクスチャリング・リギング)

案件の種類(ゲームや映像、VTuber、プロダクト可視化など)により細部は変わりますが、基本のワークフローは共通です。仕様書や参照資料、スケジュールに沿って、品質とパフォーマンス、納期のバランスを取りながら進めます。

工程 主なタスク 主なツール例 成果物/チェックポイント
モデリング ローポリ/ハイポリ制作、サブディビジョン、リトポロジー、ディテール設計、スケール合わせ Maya、Blender、3ds Max、ZBrush 適切なトポロジー、ポリゴン数・LOD設計、法線の一致、命名規則
UV展開・ベイク UVレイアウト、シーム設計、テクセル密度調整、ノーマル/AOベイク Maya、Blender、RizomUV、Marmoset Toolbag 歪みの少ないUV、UDIM運用(必要時)、ベイクアーチファクトの最小化
テクスチャリング・シェーディング PBRテクスチャ作成(BaseColor、Roughness、Metallic、Normal、AO 等)、マテリアル設定 Substance 3D Painter/Designer、Photoshop 一貫したPBR物理値、解像度・容量最適化、色管理
リギング・スキニング ジョイント配置、コントローラ設計、ウェイト調整、フェイシャル、モーションリターゲット Maya、Blender 破綻のないデフォーメーション、操作性、再利用性
エクスポート・実装 FBX/Alembic等での書き出し、ゲームエンジンへのインポート、マテリアル置換 Unity、Unreal Engine ターゲット環境での表示確認、フレームレート影響、バージョン管理
検証・修正 表示チェック、干渉・破綻修正、フィードバック対応、最終デリバリー Marmoset Toolbag、各DCCツール 要件充足、レビュー通過、納品ファイル一式の整備

ゲーム向けと映像向けで異なるポイント

ゲームはリアルタイム描画のためポリゴン数・テクスチャ容量・ドローコール最適化が重要で、LODやライトマップ運用が前提になります。映像はレンダリング品質を最優先し、高精細スカルプトや多層シェーダの追求、レンダラ依存の表現調整が中心です。

品質管理とコミュニケーション

命名規則、スケール統一、リファレンスの共有、レビュー体制、タスク管理ツールの活用で手戻りを防げます。「作れる」だけでなく「チームで運用できる形に整える」ことがプロの仕事といえるでしょう。

経験年数別の年収相場と昇給の仕組み

ここでの金額は、国内のゲームや映像、CG制作会社などの公開求人で見られる一般的な目安です。実際には会社の規模、担当する領域や難度、地域によって変わるでしょう。

経験年数別の目安(国内)

経験年数 年収の目安 主な役割 補足
未経験〜1年 約300万〜350万円 ジュニア/アシスタント 育成枠。基礎工程の習熟と品質基準の理解が中心。
2〜4年 約350万〜500万円 モデラー 単独で一連の工程を完遂。工数見積もりや最適化を担う。
5〜7年 約500万〜650万円 シニア/リード 品質基準の策定、レビュー、若手育成、難案件の火消し。
8年以上 約650万円〜 シニアリード/スーパーバイザー 仕様策定支援、パイプライン設計、複数プロジェクト横断。

昇給の仕組みと評価軸

昇給は、担当の難易度や再現性、工数精度、不具合率、レビュー貢献、チーム貢献などの総合評価で決まるのが一般的です。安定したクオリティを保ち、手戻りを減らす運用設計ができる人ほど評価されやすい傾向があります。

業界・地域による差の傾向

首都圏や大規模スタジオは給与幅が広く、映像長編や大型ゲームなど難度の高い案件では上振れが見られます。一方で、受託中心の小規模プロダクションや地方は控えめな提示が多い傾向です。

雇用形態別(正社員・フリーランス)の働き方

キャリアやライフスタイルに合わせて、雇用形態でリスクと裁量のバランスを取りましょう。どちらにもメリットと注意点があります。

項目 正社員 フリーランス
収入形態 月給/年俸(賞与・残業代の扱いは会社規定) 案件単価/時給・日給・月額準委任など多様
年収の目安 公開求人では概ね上表レンジ内が中心 案件数と単価で変動が大きい(繁閑差を受けやすい)
福利厚生・安定性 社会保険・有給などの制度が整いやすく安定的 保険・税務は自己管理。休業時収入は原則自己リスク
裁量・案件選択 社内方針・配属に左右される 得意分野に特化し案件を選びやすい
働き方 出社/ハイブリッド。チーム常駐前提が多い リモート案件も増加。守秘義務・データ管理は厳格

正社員の働き方

プロジェクト単位でのアサインが基本で、レビューや教育など組織的な役割も担います。繁忙期は残業が発生する場合があり、労働協定や就業規則の範囲で運用されます。

フリーランスの働き方

見積もりや契約、請求まで自己管理が必要です。リグやツール整備など高付加価値領域に特化すると単価が上がりやすい一方、営業やスケジュール管理の工数も発生します。継続取引先の確保と品質の安定が、収入の安定化に直結します。

3Dモデラーに向いている人・向いていない人の特徴

3Dモデリングは観察と再現、最適化を繰り返しながら品質と生産性を両立させる専門職です。ここでは未経験者でも判断しやすい観点で、必要な才能や性格、成功者に共通する思考や行動を示します。

必要な才能・適性・性格特性

モデラーの適性は芸術性だけでなく、仕様に合わせて形状やトポロジー、テクスチャを最適化する論理性と、レビューや仕様変更に対応する粘り強さが重要です。

向いている人の主な特徴

リファレンスを細部まで観察し、形と比率の差分を言語化できる人が向いています。ポリゴン数、UV展開、テクスチャ解像度、ネーミング規約といった制約を守りながら試行錯誤できることが重要です。空間認識力が高く、複雑な形状を分解して段階的に組み立てられる論理的思考、締切管理、フィードバックを前向きに受け止める姿勢も求められます。

向いていない人の傾向

過度な完璧主義で作業を終わらせられない、基本(トポロジーや法線、スケール、面の向き)を軽視する、レビューへの抵抗が強い、単調な修正作業を避ける、仕様書を読まず自己解釈で進める、学習を継続できない、長時間の座位作業が極端に苦手といった傾向は不向きのサインです。

チーム制作で求められる資質

命名規則、フォルダ構造、バージョン管理、チェックリストに基づく作業が必須です。アニメーター、テクニカルアーティスト、エンジニア、ディレクターと連携するため、仕様書の読解力と報連相、レビューコメントの要点把握が欠かせません。リアルタイム環境での検証と最適化のバランス感覚も重要です。

成功する3Dモデラーの共通点

優れたモデラーは、目的から必要な精度と構造設計を逆算し、検証と修正を素早く繰り返します。物理特性やスケール、動きを考慮した構造、リアルタイムとオフラインレンダリングの違いを理解し、成果物の再現性を確保するでしょう。見た目だけでなく、仕様やパフォーマンス、再利用性まで含めて品質を定義できることがプロの基準です。

プロが実践するワークフロー例

仕様確認からリファレンス収集、ブロッキング、形状精緻化、リトポロジー、UV展開、ベイク、テクスチャ制作、検証、最適化、セルフチェック、レビュー対応という順で、常に使われる前提で仕上げます。

 評価される行動

作業見積もりと進捗の透明化、フィードバックのタスク化、再発防止策(チェックリスト・スクリプト化)、検証結果の共有、ポートフォリオの定期更新、リファレンスと制作意図の明文化が、チームと成果に継続的な価値をもたらします。

適性診断チェックリスト

作業見積もりと進捗の透明化、フィードバックのタスク化、再発防止策の実施、検証結果の共有、ポートフォリオの定期更新が、チームと成果に継続的な価値をもたらします。

指標 具体的な確認ポイント 自己診断メモ
観察力 写真や実物から形・比率・面の変化・素材感の差分を見分けて説明できるか
空間認識 正面図から側面や背面の形状を頭の中でイメージして、立体化できるか
分解思考 複雑な形状をシンプルな形へ分解し、段階的に組み立てられるか
トポロジー意識 エッジループ・ポールの配置を意図して決め、動かしたときの変形や影を安定させられるか
制約遵守 ポリゴン数・テクセル密度・ファイルの名前の付け方・フォルダ構成を守れるか
検証習慣 Unity/Unreal Engine等で実際に動かして確認し、処理の重さと見た目の良さを両立できるか
反復耐性 何度も試したり細かく直したりすることを苦にせず、楽しめるか
フィードバック対応 指摘を素直に受け止めて、理由と優先順位を考えて素早く反映できるか
時間管理 見積もり→余裕を持った計画→進捗の見える化→スケジュール調整の提案まで主体的に行えるか
学習継続 英語の情報やアップデート情報を取り込み、スキルマップを更新しているか
ドキュメント力 仕様書を読み、必要なこと・制約・作るべきものの定義を文章で整理できるか
セルフチェック 法線・面の向き・スケール・UV重なり・ベイクエラーのチェックを毎回できているか

3Dモデラーになるために必要なスキルと知識

3Dモデラーに必要なのは、ツールの操作だけでなく、造形の基礎や質感の理解、制作工程への適応力まで一貫した総合力です。実務では正しい形状、適切な構造、再現性の高い質感を期限内に仕上げる力が評価されるでしょう。

以下では必須ソフトや基礎スキル、業界別の要件から、未経験でも準備できる指針を示します。

必須ソフトウェア(Maya・3ds Max・Blender等)

制作ではモデリングツールにスカルプトやテクスチャ、レンダリングツールを組み合わせます。まずはMayaや3ds Max、Blenderのいずれかを確実に使いこなし、用途に応じて周辺ツールを追加するのが効率的です。

種別 代表ソフト 主な用途 習得のコツ
DCC(母艦) Maya/3ds Max/Blender ポリゴンモデリング、リトポロジー、UV展開、リギング準備、エクスポート 正しいトポロジー、スケール、命名規則、シーン整理(階層・コレクション)を徹底
スカルプト ZBrush 高密度造形、形状探索、ディテール付与 大→中→小の順でフォームを決め、後工程でのリトポとベイクを前提に面構成を計画
テクスチャ/マテリアル Substance 3D Painter/Designer PBRテクスチャ(アルベド・ラフネス・メタリック・法線・AO)、UDIM対応 ベイク(法線・AO・カーブチャ・ポジション)精度を上げ、参照スケールと実寸密度を一致
レンダリング Arnold/V-Ray/Redshift/Cycles/Eevee ルックデブ、ライティング、AOV/パス出力 ライトと露出、カラーマネジメント(sRGB/リニア/ACES)を理解しノイズ対策と最適化
ゲームエンジン Unity/Unreal Engine リアルタイム表示、シェーダ、LOD、インポート設定 トライ数・テクセル密度・LOD・モバイル/コンソール要件など制約基準を守る
補助ツール RizomUV/Marmoset Toolbag/Marvelous Designer ほか UV最適化、ベイク確認、衣装シミュレーション、プレビュー 問題切り分け用のビューワーを常備し、チェックリスト化で品質を安定

最短距離は「Blenderで基礎→ZBrushで造形→Substance 3D PainterでPBR→Unity/Unrealで動作確認」という流れを繰り返し、案件に応じてMayaや3ds Maxを学ぶ方法です。

基礎スキル(デッサン力・空間認識能力・観察力)

造形の基本は、形と光、材質の理解です。デッサン力はバランスやシルエットの調整に役立ち、空間認識は回転や縮尺のブレを減らします。観察力は参考資料から本質を抽出し、質感の再現精度を高めるでしょう。

スキル 具体的な鍛え方 到達目安
デッサン力 短時間クロッキーでシルエット優先→長時間で面の区分とエッジを分析 ラフでもバランスが崩れず、モデリング開始時から破綻が出ない
空間認識 簡易ブロックアウト→サブディビジョン→エッジループ配置の三段階訓練 視点を変えても形が保持され、陰影のにじみが少ないトポロジー
観察力 実物/写真から「素材・経年・スケール・繰り返しパターン」を分解して収集 PBRの各マップに根拠を持って値を割り当てられる
トポロジー理解 変形部(関節・口周り)でループ設計→Nゴン/細長三角の排除 スキニング時にシワが自然で、リギング側の修正工数が少ない
PBR/光の理解 アルベドと汚れの分離、ラフネス主導、HDRIでルック検証 環境が変わっても質感が破綻しない(再現性が高い)
整理・管理 命名規則、レイヤー/コレクション分け、参照スケール統一 他者が開いても迷わないシーン構成、差し戻しが減る

加えて、リギングを想定したエッジフローや法線の扱い、UV配置、ベベルでのハイライト設計などの仕上げが品質を決めます。

形と光、材質を分けて考え、ブロックアウトからディテール、最適化、検証という順序を守ると、品質とスピードが同時に向上します。

業界別に求められる専門スキルと英語力

用途により品質基準と制約が異なるため、想定プラットフォーム(映画館、ゲーム機、スマホ、配信)から要件を逆算する必要があります。

業界/用途 求められる技術要件 品質/制約 よく使うツール
ゲーム 最適化(トライ数・LOD・テクセル密度)、リアルタイムシェーダ、ベイク運用 フレームレート確保、描画負荷、リグ簡素化 Maya/3ds Max/Blender、Substance 3D Painter、Unity/Unreal Engine、Marmoset Toolbag
映像・アニメ/VFX サブディビジョン前提のクリーントポロジー、UDIM、AOV分解、シミュ連携 高解像レンダ、色管理(ACES)、コンポジット前提の分離出力 Maya、ZBrush、Substance 3D、Arnold/V-Ray/Redshift、Nuke等の合成ツール
VTuber/配信・メタバース 軽量モデル、ブレンドシェイプ/表情リグ、リアルタイム最適化 低遅延、表情の可読性、配信環境での安定動作 Blender/Maya、Unity、フェイシャル用ブレンドシェイプ制作環境
プロダクト/建築可視化 実寸・製造仕様の遵守、正確なサーフェイス、マテリアルの物性再現 現実一致の見た目、クライアントチェックの通過率 3ds Max/Blender、V-Ray/Corona、CADデータ変換ツール

英語力は学習効率と問題解決力を大きく左右します。公式ドキュメントやフォーラム、エラーメッセージは英語が一次情報です。基本用語を押さえ、短い英語で質問や報告ができると問題解決が速くなるでしょう。

英語ドキュメントを読めれば新機能と最新手法に素早くアクセスできるため、毎日少しずつ英語に触れる習慣をつけましょう。

3Dモデラーを目指す学習ルート完全比較

最短で就職を目指すか、幅広い教養で将来の選択肢を広げるか、学習ルートによって得られるもの(スキルや学位、ネットワーク、制作環境)が大きく異なります。下表で大学と専門学校、オンラインスクールの違いを比較し、自分の目的と予算、生活スタイルに合う道を選びましょう。

学習ルート 期間の目安 学費目安 学位/称号 カリキュラムの特徴 就職サポート 向いている人
大学(CG・デザイン系) 4年 総額約240万〜600万円 学士(芸術学・情報デザイン等) 3DCG基礎+美術・情報・研究。Maya/Blender/Unreal Engine、造形・デッサン、制作理論、メディアアート、共同制作 キャリアセンター、卒展、研究室経由の推薦、インターン 学術基盤と幅広い視点を得たい人、将来は研究・教育やディレクションも視野に入れる人
専門学校 2〜3年 総額約220万〜450万円 専門士(2年)/ 高度専門士(4年) 業界直結。Maya/3ds Max/ZBrush/Substance 3D、リギング、PBR、ゲームエンジン、企業課題、チーム制作 就職指導、作品添削、企業説明会、産学連携、インターン 短期間で即戦力スキルとポートフォリオを固めたい人、初学者で伴走支援が必要な人
オンラインスクール・通信 3〜12カ月(週6〜15時間が目安) 総額約10万〜80万円 修了証(学位は付かない) オンデマンド+ライブ添削、プロのレビュー、実務課題、短期集中。Blender/Maya/Houdini/Unity/Unreal Engineなど メンター面談、ポートフォリオ添削、求人紹介(講座により異なる) 社会人の学び直し、予算を抑えて素早く作品を作りたい人、自走力が高い人

大学のCG・デザイン系学科で学ぶメリット・デメリット

大学は作品の質と学術的な裏付け、人脈を同時に育てられる長期的なルートです。研究室での探究や幅広い教養により、将来的にCGディレクターや教育職、研究職といった上流の選択肢を得やすくなるでしょう。

カリキュラムの傾向

 3DCG基礎(モデリングやテクスチャ、リギング、レンダリングなど)に加え、デッサンや造形、プログラミング、映像編集などを横断的に学びます。MayaやBlenderなどの教育版ライセンスを活用し、共同制作や卒業制作で作品を体系的に深めます。

費用・入試と学習環境

 私立で総額約400万〜800万円が相場です。スタジオやモーションキャプチャ、レンダーファームなどの共有設備が強みになります。奨学金や学費分納の制度を利用できる場合があります。

就職・進路サポート

 キャリアセンターや学内展示、研究室のつながりを通じて選考機会に触れやすく、長期インターンで実務経験を積める可能性があります。ゲームやアニメ、映像、広告など進路は幅広いです。

デメリットは時間とコストが大きい点、実務ツールの習得度が学校や研究室でばらつく点です。学内課題に偏らず、外部コンペやインターンで実務感を補うと効果的になります。

向いている人

 学位を重視する人、基礎理論と並行して3DCGを極めたい人、研究開発や表現手法の探究が好きな人、長期計画で強いポートフォリオを構築したい人に向いています。

専門学校の実践的カリキュラムと就職サポート

専門学校は現場に直結した演習と就職支援の密度が強みです。ソフト操作だけでなく、現場基準のデータ管理や命名規則、レビュー対応、チーム制作を通じて即戦力を養えるでしょう。

カリキュラムの傾向

MayaやZBrush、Substance 3D、ゲームエンジンを用いたモデリングやリトポロジー、テクスチャ、リギング、最適化などを週単位で演習します。業界のゲスト講義や企業課題、チーム制作でデモリールとポートフォリオを仕上げます。

就職サポートと産学連携

 就職指導やポートフォリオ添削、面談練習、学内選考会、企業説明会、インターンなどが手厚い傾向です。卒業生ネットワークが強い学校では内定までの導線が明確な場合があります。

費用・期間と資格

 2〜3年で総額約240万〜450万円です。卒業時に専門士が付与されます。教育ローンや奨学金、教育訓練給付金を利用できる場合があります。

デメリットは学位が付かない点と、カリキュラムの質が学校ごとに大きく異なることです。実習時間や講師の経験、作品添削の頻度、就職実績、機材を必ず確認しましょう。

向いている人

 初学者で体系的な指導と進捗管理が欲しい人、現場仕様の作品を短期間で量産したい人、企業課題やチーム制作で実務を疑似体験したい人に向いています。

オンラインスクール・通信講座の特徴

オンラインは「最短距離で作品に落とし込む」ことに特化しやすく、社会人の学び直しと相性が良いルートです。時間と場所の制約が少なく、最新ツールやワークフローを取り込みやすい点も魅力でしょう。

受講形態と学習設計

オンライン教材と講評、定期的なメンター面談、コミュニティでの進捗共有などが一般的です。講座によって特化する領域を選べます。週6〜15時間を継続できるスケジュール設計が重要でしょう。

レビューとポートフォリオ

プロ講師の添削で構造や質感、最適化、ゲームエンジンへの組み込みまで現場基準で改善します。短期間で完成度の高い作品を1〜3点仕上げ、デモリールを構成しましょう。

キャリア支援と費用

求人紹介や面接対策、ポートフォリオ添削が付く講座もあります。費用は総額約15万〜60万円が目安で、対象講座なら教育訓練給付金を利用できる場合があるでしょう。

デメリットは学位が得られないことと、自己管理が必須な点です。期限とレビュー頻度を固定し、模倣制作からオリジナル制作へ段階的に移行する計画性が欠かせません。

向いている人

社会人で時間が限られる人、予算を抑えたい人、既に基礎がありピンポイントでスキルを伸ばしたい人、最新ツールを素早く習得したい人に適しています。

どのルートでも最終的に評価されるのはポートフォリオの完成度と制作工程の理解です。ツールの実践運用に加え、データ管理や最適化、英語ドキュメントの読解力まで一貫して鍛えることが就職の近道になるでしょう。

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未経験から3Dモデラーになる具体的なロードマップ

ここでは未経験者が3Dモデラーとして就職できるレベルに到達するための手順、学習計画、ポートフォリオ作成、就職戦略を具体的に示します。

ゼロからのスタート手順と学習計画

最初の目的は、基礎操作の習得と評価可能な作品を定期的に出すことです。まずBlenderやMaya、3ds Maxのいずれか1つに集中し、ポリゴンモデリングとUV展開、テクスチャリング、レンダリングまでを一連で実行できる状態を目指しましょう。

90日ロードマップ(学習と制作の反復)

期間 達成目標 主なツール アウトプット 評価軸
1カ月目 基本操作・ポリゴンモデリング基礎・UV展開の理解 Blender または Maya/3ds Max ハードサーフェス小物×3(例:マグカップ、工具、家具) 実寸・スケール感、クリーントポロジー、面取り、UV正規化
2カ月目 PBRテクスチャリングとルック開発の基礎 Substance 3D Painter、Marmoset Toolbag も可 プロップ制作×2(ローポリ+法線ベイク+テクスチャ) マテリアル分離、ノーマル/Roughnessの整合、汚れの説得力
3カ月目 スカルプト基礎・リトポ・エンジンでの検証 ZBrush(無料体験可)またはBlenderスカルプト、Unity/Unreal Engine 背景小シーンまたは簡易キャラクター×1(ターンテーブル) シルエット、最適化(ポリゴン数/描画負荷)、ライティング

毎週「学習:制作:振り返り=3:6:1」の比率を守り、作って学ぶ時間を最大化することで、上達スピードが大きく向上します。

学習ルーティン(週あたりの目安)

曜日 内容 具体タスク
平日(計4日) 操作・理論 ショートカット習熟、モデリング練習、参考資料の収集
週末(計2日) 制作 プロップ1点を完成(モデリング→UV→テクスチャ→レンダリング)
週末(1日) 振り返り ワイヤーフレーム・UV・テクスチャを自己レビュー、改善点を次週へ

題材は身近な小物から始め、実測や写真、スケッチをそろえて制作しましょう。早期からゲームエンジンに持ち込み、ライトやシェーダーで見え方を確認すると実務感覚が養われます。

教材の視聴完了ではなく、完成画像やワイヤーフレームまで揃った作品の完成を学習の単位にしてください。

初心者向けポートフォリオ作成の基本

採用担当は短時間で実務適性を判断します。作品数を増やすより、工程が明確で品質の高い少数精鋭の構成が効果的です。想定する職種(キャラクターや背景、プロップ)に合わせて作品を最適化しましょう。

作品構成テンプレート(エントリーレベル)

内容 必須の提示資料 評価ポイント
1 主力作品(背景小シーン or キャラクター) 最終ビューティ、ターンテーブル動画、ワイヤー、UV、テクスチャ、三面図 完成度、アートディレクションの一貫性、最適化
2 ハードサーフェス(プロップ) ローポリ/ハイポリ、ベイク比較、マテリアル分離 トポロジー、法線の精度、PBR理解
3 スカルプト基礎 スカルプト→リトポ→ベイクの流れ フォーム、エッジフロー、陰影の読み
4 追加(任意:リギングまたはエンジン実装) 簡易リグ、エンジン内スクリーンショット 技術的幅、問題解決力

各作品ページには制作期間や担当範囲、ポリゴン数、使用ソフト、参考資料の出典を明記し、工程を可視化しましょう。ゲーム志望ならリアルタイム想定の情報記載は必須です。

見映えを底上げするチェックポイント

ライティングは基本的な配置に、シルエットを強調する光を加えます。質感表現では観察に基づく微細な表現を加え、背景はシンプルにして主題を際立たせましょう。

静止画だけでなく短い回転動画を添えると、立体感とクオリティを効果的に伝えられます。

データ管理と再現性の担保

フォルダ構造と命名規則を徹底し、提出要件に合わせた設定を確認します。別環境での再現テストまで行いましょう。

未経験者の就職活動戦略と企業選び

応募前に志望領域(ゲームや映像、VTuber、プロダクト可視化)を決め、職種を絞ります。日本国内の求人では、使用ツールの一致やリアルタイムかプリレンダーか、案件ジャンルの適合が合否を分けます。

求人票の見方とマッチング基準

項目 見るポイント 対策
必須スキル DCCツール、エンジン、制作工程の経験 作品解説に対応ツールと工程を明記し、再現手順を提示
歓迎スキル スクリプト、リギング、テクニカル要素 任意作品で技術的幅を1点示す(例:簡易リグ、ツール連携)
配属・制作物 キャラ/背景などの担当領域 志望領域に直結する作品を最上段に配置
提出物 ポートフォリオ形式、データ容量、提出方法 要件通りに圧縮・命名、動画は軽量化、閲覧順を最適化

選考フローは「書類→作品レビュー→実技課題→面接」が一般的です。実技課題では制限時間、ポリゴン数、テクスチャ解像度、禁止事項が細かく指定されます。事前に時間を区切って模擬演習を行い、作業見積もりと品質目標を明確にしておくと本番で有利でしょう。

応募準備チェックリスト

項目 内容 確認方法
職種の明確化 キャラクター/背景・プロップのどちらで応募するか ポートフォリオの先頭作品と職務要約で明示
作品の再現性 工程・設定・バージョン記載で第三者が追従可能 別環境での読み込みテストと不具合メモ
面接対策 参考資料の選定理由・ポリゴン配分・UV方針の説明 口頭説明の練習(録音→改善)と想定問答作成
課題演習 時間内に「見せられる品質」を出す訓練 2〜4時間の模擬課題を週1回実施し振り返り

書類は短く、作品は深く。採用担当が30秒で強みを把握できる構成に整えることが、未経験の合格率を大きく左右します。

独学で3Dモデラーを目指す実践的な学習法

ここでは学校に通わずに3Dモデリングを身につけるための学習設計、教材選び、制作の進め方を整理します。独学の武器は再現性のある制作手順と、小さく早く完成させる習慣です。

おすすめの学習リソースと教材選び

独学では、各ソフトの役割を理解し、教材の難易度と到達目標を揃えることが近道です。まず無料のBlenderで基礎を固め、必要に応じて業務用ツールを段階的に追加しましょう。

ソフトウェア選定と役割の整理

主要領域ごとの代表的なソフトと特徴を把握し、自分の作りたい分野(キャラクター、背景、プロップ、VTuberアバター等)に合わせて選びましょう。

領域 代表ソフト 主な用途・強み ライセンス/入手性
統合/モデリング Blender, Autodesk Maya, 3ds Max ポリゴンモデリング、リギング、アニメーション、レンダリング Blenderは無料。Maya/3ds Maxは商用サブスク、教育版あり
スカルプト/ハイポリ ZBrush 有機的形状の高密度スカルプト、ディテール彫り 商用ライセンス
テクスチャ/PBR Substance 3D Painter/Designer PBRペイント、スマートマテリアル、ベイク連携 サブスク(個人/法人プランあり)
衣装/クロス Marvelous Designer パターンからの衣装作成、クロスシミュレーション サブスク
プロシージャル Houdini プロシージャルモデリング、破壊/エフェクト 商用/学習版あり
リアルタイム確認 Unity, Unreal Engine ゲーム/VTuber用途、シェーダ、ポストプロセス 基本無料(条件あり)

最初の3カ月は無料の3Dツールとペイントツールで質感表現の一連を完走できる環境を作ると、制作手順の学習効率が上がるでしょう。

教材の選び方(公式/書籍/動画の使い分け)

教材は操作を学ぶものと作品を完成させるものを分けて選びましょう。公式ドキュメントで基礎用語、動画で手順の流れ、書籍で理論を補強するのが基本です。

教材種別 向いているケース 注意点
公式ドキュメント/リリースノート 最新機能や正確な用語を把握したい 日本語訳が遅れる場合がある
書籍(基礎理論/入門) トポロジー、UV、PBRの概念を体系立てたい 紙面は操作手順が古くなることがある
動画チュートリアル 実作業の流れやショートカットを掴みたい 講師の環境依存の設定に注意
講座/オンラインスクール単講座 添削やフィードバックが欲しい コストがかかる。課題の量を確認

「作例が自分の目標分野と一致しているか」「完成物の提示(ビフォー/アフター)があるか」で教材の良し悪しを見極めましょう。

国内コミュニティと情報収集のコツ

国内のイベントやメディアで最新動向を把握しつつ、SNSやオンラインコミュニティで制作途中の作品を共有してフィードバックを得ましょう。投稿は定期的に行い、改善ログを残すと成長が可視化されます。

学習環境(PC・周辺機器)の目安

快適な学習は環境から始まります。以下は独学の標準的な目安です。

項目 目安 理由
CPU 6〜8コア級以上 ベイク/レンダリング/シミュレーションの安定化
GPU NVIDIA RTXクラス推奨 GPUレンダリング/ビューポート表示に有利
メモリ 32GB前後 高密度メッシュ/複数アプリ同時起動に余裕
ストレージ SSD 1TB程度+バックアップ プロジェクト/テクスチャ/キャッシュを高速管理
入力機器 3ボタンマウス+ペンタブ ナビゲーションとスカルプト精度の向上
ディスプレイ 27インチ前後、sRGBカバー率重視 テクスチャ確認/UI配置の効率化

環境は「最低限で始めて、ボトルネックを感じた箇所から順に強化」するのがコスパ面で最適です。

実際の制作物を作るステップバイステップ

一つの小さな作品を完成させることで、モデリングからレンダリングまでの制作手順が一通り身につきます。キャラクターでも小物でも手順は同様です。

企画とリファレンス収集

作る対象を具体化し、正面や側面、背面のリファレンスを集めます。サイズ基準と使用シーン、要件(ポリゴン数やテクスチャ解像度)を決めましょう。

ブロッキング(ローポリで全体把握)

単純形状で大きな塊を配置し、比率とスケール、重心を確認します。ここで破綻があると以降の工程が無駄になります。

スカルプト/ハイポリでディテール作成

 ZBrushやBlenderのスカルプトで形状と面を詰めます。大から中、小ディテールの順で仕上げていきましょう。

リトポロジーとトポロジー設計

アニメーション前提なら関節周りはエッジループを意識し、変形の流れに沿ってポリゴンを配置します。プロップなら最小限の面数でシルエットを維持しましょう。

UV展開(シーム計画とテクセル密度)

 見えやすい面が伸びないようシームを設計し、テクセル密度を均一化します。チェック柄で歪みを確認しましょう。

ベイクとテクスチャ(PBRワークフロー)

ハイポリからローポリへノーマルやAOをベイクし、Substance 3D Painterなどでアルベドやラフネス、メタリックをペイントします。

リギングとスキニング(必要な場合)

 MayaやBlenderでボーンを配置し、スキンウェイトを調整します。VTuber用途はVRM規格に沿ったリグを意識しましょう。

ライティング・レンダリング

三点照明やHDRIで材質の見えを検証します。提出先の想定環境で最終確認しましょう。

最適化と書き出し

不要な履歴や重複頂点を整理し、FBXやOBJなど要件に合わせてエクスポートします。リアルタイム用途はLODも検討しましょう。

ポートフォリオ用の提出物整備

ビューティーショットやワイヤーフレーム、UVレイアウト、ターンテーブル動画を揃え、意図と工夫を短文で添えます。制作期間と担当範囲も明記しましょう。

各工程のゴール状態を明確にし、チェックリストで確認してから次工程へ進むと、手戻りが激減します。

独学の落とし穴と挫折しないコツ

独学は自由度が高い反面、迷いやすいのが難点です。典型的なつまずきを避け、継続できる仕組みを作りましょう。

よくあるつまずき

  • ツールを次々乗り換えて「完成品が増えない」状態に陥る
  • リファレンス不足で形が似ない、説得力が出ない
  • トポロジー軽視でリグ/シェーディング時に破綻が出る
  • 巨大案件から始めて途中で失速する(習作は小さく短く)
  • フィードバックを受けずに独り相撲になり改善点が見えない
  • バックアップ/バージョン管理をせずデータを失う

継続のコツと学習スケジュール例

学習は「時間ブロック化」と「小さな締切」が効果的です。下記は1週間の例です。

曜日 学習内容 成果物/チェック
30分:操作復習+ショートカット整備 個人用キーマップ更新
60分:ブロッキング(新規ミニ課題) シルエット2案
60分:リトポ/UV(前日の続き) チェック柄で歪み確認
60分:ベイク/テクスチャ(PBR基本) 3枚テクスチャ(Base/Rough/Metal)
30分:ライティング/レンダリング ビューティー1枚
120分:WIP公開→フィードバック対応 修正ログ作成
休息/インプット(資料収集) 次週テーマ決定

月次では小物を1〜3点程度など、自分のペースに合わせて目標を設定し、無理のない範囲で継続することが大切です。

フィードバックを得る方法

制作途中をSNSやコミュニティに投稿し、改善点を質問形式で添えると建設的な指摘が集まりやすくなります。改善前後を並べて再投稿し、改善サイクルを可視化しましょう。可能であればオンライン添削サービスや勉強会で外部の目を定期的に入れます。

毎週1枚の完成画像を出す、月1回は第三者レビューを受けるなど数値化したルールを設けると、独学でもプロセスが前進し続けます。

3Dモデラーの就職・転職活動を成功させる方法

採用側が見ているのは「再現性のある成果」と「チームに馴染むプロセス」です。作品の見栄えだけでなく、要件理解・コミュニケーション・納品品質まで示せれば、選考通過率が上がるでしょう。

プロレベルのポートフォリオ制作テクニック

ポートフォリオは分かりやすく、比較しやすく、任せられると思わせる設計にしましょう。ターゲット職種に合った作例を厳選し、用途別の要件を明記して、採用担当が短時間で判断できる構成にします。

ポートフォリオの構成

表紙(氏名、希望職種、連絡先)から代表作、制作プロセス(ワイヤーやUV、マテリアル)、実務再現例、プロフィール(スキルセット、使用ソフト)という流れが見やすく、応募フォームやPDF提出にも対応しやすいです。

作品選定と記載事項

 各作品ページでは、見た目だけでなく技術的根拠も記載しましょう。以下の観点を明示すると評価されやすくなります。

項目 記載のポイント(例)
用途・ターゲット ゲーム(Unreal Engine/Unity)、映像、VTuber(VTuber用アバター)など用途を明記
担当範囲 モデリング/スカルプト/リトポ/UV/ベイク/テクスチャ/リギング/セットアップの担当工程
技術仕様 トポロジー方針、法線/頂点カラー、マテリアル構成、テクスチャ解像度、LOD方針
使用ツール Maya、Blender、ZBrush、Substance 3D Painter、Marvelous Designer、Marmoset Toolbag、Unreal Engine、Unity など
パフォーマンス 想定プラットフォーム、描画負荷への配慮(最適化の工夫、アトラス化など)
リファレンス 参照資料の出典と意図(著作権/NDAに配慮し開示可能な範囲のみ)
検証画像 ワイヤーフレーム、UVレイアウト、ベイク結果、ビューポート/エンジン内スクリーンショット

作品の出来栄えと同じくらい「判断と再現のプロセス」を可視化することで、即戦力であることが伝わります。

表現・技術の見せ方

回転動画やショーリールで、ライティングの比較や調整前後を入れると、技術的な理解が伝わります。ワイヤー表示や質感の分解も有効でしょう。

書類・データの提出形式

PDFは軽量化とフォント埋め込みを徹底しましょう。データ提出がある場合は命名規則とフォルダ構成を明記し、非公開素材は除外します。職務経歴書では担当範囲と成果を数値や期間で客観的に示しましょう。

面接対策と企業研究のポイント

企業研究は事業や制作体制、ワークフロー、品質基準の4点で整理し、面接では制作プロセスとトラブル対応を具体的に語れるよう準備しましょう。

企業研究のチェック軸

求人票や公開情報から、以下の軸で自分の経験との合致点を整理しましょう。

調査軸 確認ポイント
事業領域 コンシューマ/モバイルゲーム、アニメ/実写、ポストプロ、VTuber/メタバースなど
開発環境 メインDCC(Maya/Blender/3ds Max)、ゲームエンジン(Unreal Engine/Unity)、レンダラー
制作体制 内製/外注比率、ディレクション体制、レビュー頻度、アサインの決め方
ワークフロー アセット管理/バージョン管理(Perforce/Git/SVN)、命名規則、検証プロセス
品質基準 テクスチャ解像度の基準、ポリシー(Ngon禁止、スケール統一、ピボット位置など)

面接で問われやすい内容と答え方

想定質問に対しては、目的→行動→結果→学び(改善)で端的に回答します。

質問の狙い よくある質問 回答のコツ
プロセス理解 得意分野と制作手順、品質を担保するチェック項目は? 要件→リファレンス→ブロックアウト→ディテール→最適化→検証の流れで具体化
問題解決力 法線破綻やシーム、スキニングの不具合をどう直したか? 原因仮説と検証手順、再発防止(ツール/テンプレ化)まで述べる
共同作業 アニメーター/エンジニアとの調整で工夫した点は? 仕様合意、命名/単位統一、ピボット/スケールの取り決めを例で示す
守秘・権利 NDAや著作権への配慮は? 開示可能範囲の判断基準、匿名化/再制作の運用を説明
志望動機 なぜこの会社・この職種なのか? 企業の制作方針/タイトルと自身の強みの接点を事例で結ぶ

何ができるかだけでなく、どう再現するかを説明できる候補者は面接で高く評価されるでしょう。

実技・アートテストへの備え

指示書の要件(ポリゴン数やテクスチャ解像度、納品形式、命名規則)を優先し、判断に迷う点はメモで根拠を添えて提出します。提出前は法線の向きやオーバーラップ、ピボット、スケールなどをチェックしましょう。

転職エージェント活用法と給与交渉術

クリエイター特化の支援サービスは、情報量と選考対策の質が高く有利です。業界専門のエージェントを活用することで、より良い条件の求人に出会える可能性が高まります。

エージェントの選び方

複数社を並行利用し、得意領域や支援範囲を比較検討します。

比較項目 見るべきポイント
取扱領域 ゲーム/映像/VTuber/メタバースなどの実績と企業ネットワーク
支援内容 ポートフォリオ添削、模擬面接、アートテスト対策、提出物の品質チェック
案件の種類 正社員/契約社員/業務委託(準委任)など契約形態と非公開求人の厚み
交渉力 条件交渉の実績、入社後のフォロー、トラブル時の調整力

エージェントとの連携のコツ

希望条件は優先順位を明確にしましょう。職務経歴は成果物ベースで更新し、稼働開始日やポートフォリオの開示範囲も共有します。

オファー比較と給与交渉の進め方

提示条件は総額だけでなく、評価制度や働き方も含めて比較しましょう。交渉は実績や市場相場を基に行い、年収以外の調整案も用意するといいでしょう。

交渉材料 確認・比較ポイント
職務範囲 担当領域、リード/メンター有無、テクニカル業務(ツール整備等)の比率
報酬体系 基本給/賞与/みなし残業有無、残業代の計算方法、単価改定(業務委託)のルール
勤務条件 フルリモート/ハイブリッド、コアタイム、弹性、使用PC/ソフトの支給
評価制度 評価基準、レビュー頻度、昇給・改定のタイミング、試用期間の条件
権利・規程 NDA、著作権/著作者人格権の取扱い、二次利用、副業ポリシー

年収は役割と期待される成果に結びついています。求められる業務内容と成果物を明確にし、それに見合った報酬の根拠を整えて交渉することが成功の近道でしょう。

3Dモデラーのキャリアパスと将来性

3Dモデラーのキャリアは、スペシャリストとして制作を極める道、パイプラインを設計する道、チームを率いるマネジメントの道、独立してビジネスを築く道、VTuberなど新興領域で活躍する道に大別されます。リアルタイム制作の拡大により、業界横断でアセットを活かせる場面が増えています。

キャリアパス 主な役割 求められる強み 初期の一歩
スペシャリスト(リード/シニア) 高難度アセットの量産・品質基準の策定・レビュー 造形力、PBR理解、レビュー力、スタイルガイド運用 代表作の深掘り解説と再現可能な制作手順の体系化
テクニカルアーティスト(TA) ツール開発、ワークフロー最適化、問題解決 スクリプト(Python等)、リギング、DCC間連携 日常作業の自動化スクリプトを社内共有し実績化
マネジメント(CGディレクター/アートディレクター) ビジュアル基準の設計、進行・品質管理、対外折衝 コミュニケーション、要件定義、リスク管理 小規模案件でのリード経験とレビュー体制の確立
フリーランス・起業 受託制作、見積・契約、外注管理、ブランディング 営業力、納期管理、原価管理、継続関係構築 得意領域のパッケージ化と標準見積の用意
新興領域(VTuber/リアルタイム) 軽量モデル制作、配信要件対応、ギミック演出 最適化、リギング、シェーダー、Unity/Unreal運用 VRM等での公開アセットと検証動画の発信

将来性を左右するのは、リアルタイム対応、プロシージャル/自動化、スキャン活用、データ標準(USD・glTF・VRM)への理解、そしてレビューや要件定義など人にしかできない判断力です。

技術トレンド/キーワード 具体例 活躍する場面 習得の勘所
リアルタイム制作 Unity/Unreal、PBR、LOD、最適化 ゲーム、配信演出、インタラクティブ広告 見た目と軽さのバランスを定量指標で管理
プロシージャル/自動化 ノードベース、Python、バッチ処理 大量アセットの量産、修正の一括反映 再現性の高いツール化とドキュメント整備
スキャン/フォトグラメトリ スキャンメッシュのクリーンアップ、テクスチャ整備 フォトリアル背景、デジタルツイン リトポロジーとテクスチャ統合の標準化
データ標準 USD、glTF、VRM DCC間連携、ゲーム/映像/配信の横断運用 命名規則・原点/スケール・座標系の統一
AI支援ツール 自動UV、自動リトポ、参照画像生成 試作の高速化、ベースメッシュ準備 著作権配慮と最終品質の人手検証
クラウド/リモート協業 バージョン管理、レビュー運用 分業の高度化、外部パートナー連携 命名/フォルダ/チェックリストの徹底

CGディレクター・アートディレクターへの昇進

CGディレクターは制作全体の工程設計や品質管理を主導し、アートディレクターは世界観の策定やビジュアル基準の判断を担います。両者ともレイアウトからレンダリングまで横断的に把握する力が求められるでしょう。

現場で通用するディレクションは、具体的なレビュー指摘と早期の問題発見で決まります。プロジェクト管理や見積もりの経験を積み上げましょう。

リードモデラーとして基準を整備し、小規模案件で責任者を経験する流れが一般的です。仕組み化された成果物を残すと評価につながるでしょう。

フリーランス・起業という選択肢

フリーランスは、受託制作を中心に見積やスケジュール、契約から検収までを自ら管理します。インボイス制度や原価と工数の可視化が不可欠です。

継続受注の鍵は、得意領域の明確化と再現性の高いプロセスの提示にあります。見積根拠を事前に合意し、成果物を明確にすると信頼が高まります。

事業拡大を目指す場合は、分業外注や品質基準の標準化が重要です。SNSでの制作過程の発信はブランディングに直結します。

VTuber業界など新興分野での展望

VTuberやバーチャルライブでは、配信環境で軽快に動くモデルが最重視されます。VRM対応、Humanoid準拠のリギング、表情ブレンドシェイプ、物理挙動、描画負荷の最適化、Unityセットアップが核です。

「見栄え」と「軽さ」を両立させる最適化は差別化ポイントです。ポリゴン数、テクスチャ枚数、マテリアル統合、LOD設計、描画コール削減など、配信特有の制約に合わせたチューニングが不可欠でしょう。

新興領域は需要変動が大きいため、IP運用やSNS発信といったビジネス面の理解がリスク分散に有効です。リアルタイム演出の知見は、ゲームや広告、展示演出にも応用できます。

まとめ:3Dモデラーになるための具体的なアクションプラン

3Dモデラーとして活躍するには、ツール操作とトポロジー、PBR理解、最適化の総合力が不可欠です。無料ツールで基礎を固め、小物から段階的に制作しましょう。週1作品を目標に継続し、SNSで公開してフィードバックを得ます。3ヶ月で応募可能な作品3点を揃え、企業研究と並行して選考に臨みましょう。採用の鍵は実務レベルのポートフォリオです。

※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としております。一部情報については更新性や正確性の保証が難しいため、最新の制度や要件については改めてご自身で各公式機関にご確認ください。

 

松陰高等学校

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私たち松陰高等学校は、山口県岩国市に本校を置く広域通信制高校です。「問いを立てる力」を育むことを大切にし、生徒一人ひとりの個性やペースに合わせた学びを提供しています。全国の学習センターを正規スクーリング校として活用し、移動の負担を減らした柔軟な学習環境を実現。教員と民間出身者が協力し、社会とつながる教育を行っています。校則はなく、生徒自らが学校をつくる「対話」と「実践」の場です。

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