
高校を卒業していないけれど、進学や就職のために高卒資格が必要——そんな方にとって、高卒認定試験は有力な選択肢です。
高卒認定試験は年2回実施され、合格すれば大学・短大・専門学校への進学や、一部の就職・資格試験で高卒と同等に扱われます。最短半年での合格も可能で、合格率も上昇傾向にあります。
この記事では、試験の仕組みから通信制高校との違い、科目免除の方法、合格後の進路まで詳しく解説します。
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高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、高校を卒業していない人が「高校卒業者と同等以上の学力がある」と証明するための国家試験です。文部科学省が実施しており、合格すると大学・短大・専門学校への進学や、各種国家試験の受験が可能になります。
さまざまな事情で高校を卒業できなかった人、進学しなかった人に、学び直しや進学の道を開く制度です。経済的な理由、病気、不登校など背景は問いません。合格すれば、進学や就職の選択肢が広がります。
試験は年2回、8月と11月に全国の都道府県で実施されます。学校教育法に基づく制度で、合格者には文部科学省から合格証書が交付されます。
2005年、それまでの「大学入学資格検定(大検)」から現在の名称・制度に改められました。大検時代より受験資格が緩和され、受験しやすくなっています。
| 対象者 | 詳細 |
| 高校中退者 | 何らかの理由で高校を途中で退学した方 |
| 高校未進学者 | 中学卒業後に高校に進学しなかった方 |
| 高校在学中の方 | 全日制・定時制・通信制を問わず、満16歳以上であれば在学中でも受験可能 |
| 外国籍の方 | 日本の高校卒業資格を持たない外国籍の方 |
高卒認定試験に合格すると、以下のような資格や権利が得られます。
ただし、高卒認定の合格は「高校卒業」とは異なります。この違いについては次章で詳しく解説します。
高卒認定試験と高校卒業資格。どちらも「高校卒業程度の学力がある」ことを示すものですが、法律上の位置づけや社会での扱いには明確な違いがあります。
高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、高校を卒業していない人が「高卒と同等の学力がある」と国に認定してもらうための試験です。合格すれば、大学・短大・専門学校や各種国家試験の受験資格が得られます。
ただし、合格しても学歴は「中卒」のままです。履歴書には「高等学校卒業程度認定試験合格」と書くことになります。
高校卒業資格は、全日制・定時制・通信制いずれかの高校で必要な単位を取得し、卒業を認められることで得られる正式な学歴です。履歴書には「○○高等学校卒業」と書けます。
| 項目 | 高卒認定試験 | 高校卒業資格 |
| 取得方法 | 文部科学省が実施する試験に合格 | 高校で必要単位を取得し卒業 |
| 学歴 | 中卒のまま(試験合格の資格のみ) | 高卒 |
| 履歴書の記載 | 高等学校卒業程度認定試験合格 | ○○高等学校卒業 |
| 大学受験資格 | 取得可能 | 取得可能 |
| 就職時の扱い | 企業により異なる(高卒扱いしない場合も) | 高卒として扱われる |
| 所要期間 | 最短半年程度(試験は年2回) | 原則3年間(通信制は在籍期間3年以上) |
| 費用 | 受験料のみ(数千円程度) | 学費が必要(学校により異なる) |
大学・専門学校の受験資格としては、どちらも同等に扱われます。
ただし、就職活動では注意が必要です。「高卒以上」という求人に対して、高卒認定を高卒と同等に扱う企業もあれば、正式な高校卒業を求める企業もあります。公務員試験でも、自治体によって扱いが異なることがあります。
高卒認定試験が向いている人
高校卒業資格が向いている人
なお、通信制高校に在籍しながら高卒認定試験に合格した科目を、高校の単位として認定してもらえる場合もあります。両方の制度をうまく組み合わせることも選択肢の一つです。
高卒認定試験は、満16歳以上で高校を卒業していない人が受験できる国の試験です。受験前に、自分が対象になるか確認しておきましょう。
高卒認定試験を受験するためには、以下の条件を満たす必要があります。
| 受験資格の条件 | 詳細 |
| 年齢 | 受験する年度の3月31日までに満16歳以上になる者 |
| 学歴 | 高等学校を卒業していない者 |
| 在籍状況 | 全日制高校に在籍中の者は受験不可 |
すでに大学入学資格検定や高卒認定試験に合格している人は、同等の資格を持っているため対象外です。
高卒認定試験は、さまざまな理由で高校を卒業できなかった人が対象です。
2005年の制度改正により、全日制・定時制・通信制を問わず、高校在学中でも受験できるようになりました。休学中の方も受験可能です。
なお、高卒認定試験で合格した科目は、学校長の判断により高校の単位として認定される場合があります。在学中に受験を検討している方は、事前に学校に相談しておくとよいでしょう。
高校で一定の単位を取得していたり、特定の資格を持っていれば、一部科目が免除されます。
| 免除の種類 | 条件 |
| 高校での単位修得による免除 | 高等学校で対応する科目の単位を修得している場合 |
| 旧大検合格科目による免除 | 大学入学資格検定で合格した科目がある場合 |
| 技能審査の合格による免除 | 英検、数検などの指定された資格を取得している場合 |
免除申請には、高校が発行する単位修得証明書や資格の合格証明書が必要です。免除制度をうまく使えば、受験科目を減らして負担を軽くできます。
高卒認定試験では、8〜10科目を受験し、すべてに合格する必要があります。科目数は選択によって変わります。
高卒認定試験の科目は、教科ごとに必修と選択に分かれています。以下の表で試験科目の全体像を確認しましょう。
| 教科 | 科目 | 受験科目数 |
| 国語 | 国語 | 必修1科目 |
| 地理歴史 | 地理、歴史 | 各1科目ずつ必修(計2科目) |
| 公民 | 公共 | 必修1科目 |
| 数学 | 数学 | 必修1科目 |
| 理科 | 科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎 | 「科学と人間生活」+基礎1科目、または基礎科目から3科目 |
| 外国語 | 英語 | 必修1科目 |
※2024年度からの変更点: 「世界史A・B」「日本史A・B」→「歴史」(歴史総合)に統合・必修化 「地理A・B」→「地理」(地理総合)に統合・必修化 「現代社会」「倫理」「政治・経済」→「公共」に統合・必修化
※2026年度からの変更予定: 「情報」が必修科目として追加され、合格に必要な科目数は9〜10科目になります。
合格ラインは各科目100点満点中40〜45点程度程度です。基礎問題を確実に解ければ合格できます。
独学や通信教育で3〜6か月ほど学習すれば、合格レベルに届く方が多いです。ただし、2024年度から地理・歴史・公共がすべて必修になったため、以前より学習範囲は広がっています。計画的に準備を進めましょう。中学の内容に不安があれば、まずそこから復習をしてください。特に数学と英語は積み重ねが必要な教科なので、基礎固めが欠かせません。
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高卒認定試験は、中学卒業程度の学力があれば十分に合格を狙える試験です。ここでは、実際の合格率や難易度について解説します。
文部科学省のデータによると、全科目合格率は毎年40%前後です。ただし、一部科目だけ合格した人を含めると、80%以上の受験者が何らかの科目に合格しています。
| 区分 | 割合 |
| 全科目合格率 | 約40〜50% |
| 一部科目合格率 | 約35〜40% |
| 何らかの科目に合格 | 約85%以上 |
合格率が40%と聞くと低く感じるかもしれませんが、これは一度に全科目を受験する必要がないため、複数回に分けて受験する方が多いことが理由です。
出題レベルは高校1〜2年生程度です。基礎知識を問う問題が中心で、難しい応用問題はほとんど出ません。
| 科目 | 難易度 | 特徴 |
| 国語 | 標準 | 読解力があれば対応可能 |
| 数学 | やや高 | 基礎の積み重ねが必要 |
| 英語 | 標準 | 中学レベルの文法で対応可能 |
| 理科 | 標準 | 暗記中心で対策しやすい |
| 地理 | 標準 | 地図やグラフの読み取りが重要 |
| 歴史 | やや高 | 日本史・世界史を横断的に学ぶ必要あり |
| 公共 | 標準 | 時事問題も出題されるため、ニュースにも関心を |
学習ブランクや基礎学力によって差はありますが、1科目あたり30〜50時間が目安です。全科目を一度に受験する場合でも、半年〜1年ほどの準備で合格を目指せます。
高卒認定試験が比較的易しいとされる理由は、主に次の5つです。
とくに過去問演習が有効です。出題パターンをつかめば、効率よく得点を伸ばせます。
高卒認定試験の受験には、科目数に応じた検定料がかかります。
高卒認定試験の検定料は、以下の通り受験科目数によって異なります。
| 受験科目数 | 検定料(税込) |
| 7科目以上 | 8,500円 |
| 4科目以上6科目以下 | 6,500円 |
| 3科目以下 | 4,500円 |
初めて受験する場合は7科目以上になることが多いため、8,500円かかるのが一般的です。科目免除を受けていたり、不合格科目だけ再受験する場合は、科目数が減るぶん検定料も安くなります。
検定料は、出願時に収入印紙で納付します。郵便局や一部のコンビニで購入し、願書に貼って提出してください。現金やクレジットカードには対応していないので、事前に準備しておきましょう。
検定料以外にも、以下の費用がかかる場合があります。
願書の郵送料 簡易書留での送付が推奨されており、数百円程度です。
交通費・宿泊費 試験会場は各都道府県に設置されますが、居住地によっては遠方になることも。地方在住の場合は宿泊が必要になる可能性もあるため、事前に会場を確認しておきましょう。
教材費 独学の場合、1科目あたり1,000〜2,000円程度。通信教育や予備校を利用するなら、別途受講料がかかります。
以前通っていた高校で取得した単位があれば、その科目の試験を免除できます。免除科目が増えれば受験科目数が減り、検定料も教材費も抑えられます。
在籍していた学校に成績証明書を請求して、免除対象の科目を確認しておきましょう。証明書の発行手数料は数百円程度です。
高卒認定試験を受けるには、出願から合格証書の受け取りまでいくつかの手順があります。全体の流れを順を追って説明します。
高卒認定試験は年2回実施されます。まずは文部科学省のウェブサイトか、各都道府県の教育委員会で受験案内を入手しましょう。受験案内には願書が同封されており、教育委員会の窓口でも無料で配布されています。
出願期間は試験日の約2〜3か月前で、期限厳守です。郵送は消印有効なので、余裕を持って準備してください。
出願には以下の書類が必要です。
| 必要書類 | 入手方法・注意点 |
| 受験願書 | 受験案内に同封、または文部科学省のウェブサイトからダウンロード |
| 写真 | 縦4cm×横3cm、6か月以内に撮影したもの |
| 住民票または戸籍抄本 | 3か月以内に発行されたもの |
| 受験料 | 受験科目数により異なる(科目免除がある場合は減額) |
| 単位修得証明書等 | 科目免除を受ける場合のみ必要 |
願書は正確に記入し、書類をすべて揃えて文部科学省へ郵送します。不備があると受理されないため、送付前に必ずチェックしましょう。
出願が受理されると、試験日の約1週間前に受験票が届きます。届いたら試験会場・時間・持ち物をすぐに確認してください。
試験当日の持ち物は以下の通りです。
試験会場は各都道府県に設置され、2日間にわたって実施されます。遅刻は認められないので、時間に余裕を持って到着しましょう。
試験終了から約1か月後に結果が届きます。全科目合格者には合格証書が、一部科目のみ合格した人には科目合格証明書が届きます。
科目合格は永続的に有効です。次回以降の試験で残りの科目に受かれば、全科目合格となります。不合格だった科目は何度でも再挑戦できます。
合格証書は大学受験や就職活動で使う大切な書類です。紛失しないよう保管し、必要なときは証明書の再発行も申請できます。
高卒認定試験に合格すると、高校卒業者と同等の学力があると認められ、進学や就職の選択肢が広がります。
合格すれば、国公立・私立を問わずすべての大学・短大を受験できます。一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜など、受験方法も高校卒業生と同様です。
ただし、高卒認定はあくまで「受験資格」を得るものであり、大学に入るには入学試験に合格する必要があります。
看護、美容、調理、IT、デザインなど、専門的な技術を学べる専門学校への進学も可能です。多くの専門学校が高卒認定合格者を受け入れています。
高卒認定合格後、直接就職する道もあります。求人票に「高等学校卒業以上」と記載されていれば応募可能で、高卒程度の公務員試験も受験できます。
ただし、企業によっては高卒認定合格者と高校卒業者を区別する場合もあるため、応募条件は事前に確認してください。
高校卒業が受験資格となっている国家資格・民間資格を受験できるようになります。
| 資格の種類 | 主な資格例 |
| 医療系 | 看護師、理学療法士、作業療法士 |
| 福祉系 | 介護福祉士、社会福祉士 |
| 技術系 | 電気工事士、危険物取扱者 |
| 事務系 | 日商簿記検定、ファイナンシャルプランナー |
これらの資格取得により、専門職としてのキャリアを築くことが可能になります。
高卒認定合格は、海外の教育機関でも入学資格として認められる場合があります。ただし扱いは国や学校によって異なるため、志望校に事前確認が必要です。英語圏の大学では、合格証明書に加えてTOEFLやIELTSのスコアを求められるのが一般的です。
進路選択に迷う場合は、ハローワークや若者サポートステーション、各都道府県の教育委員会などで相談できます。進学を考えるなら、合格後すぐに受験勉強を始める必要がある点も念頭に置いておきましょう。
高卒認定試験は、高校を卒業していない人が「高卒と同等以上の学力がある」と国から認定を受けられる制度です。合格すれば、大学・短大・専門学校の受験資格が得られ、就職や資格試験でも高卒同等として扱われます。
試験は年2回実施され、8〜9科目の合格が必要ですが(2026年度からは9〜10科目)、高校で取得した単位があれば科目免除を受けられます。合格率は例年約40%~50%で、計画的に学習すれば十分に手が届く難易度です。
準備方法は、独学・通信制高校・予備校など自分に合ったスタイルを選べます。受験費用も数千円程度で、年齢制限もありません。学び直しを考えている人は、ぜひ挑戦してみてください。
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