
通信制高校は、自宅学習を中心に高校卒業資格を取得できる教育制度です。全日制のように毎日通学する必要がなく、自分のペースで学べるのが特徴です。
この記事では、通信制高校の仕組みや全日制との違い、卒業に必要な条件、学習の進め方までわかりやすく解説します。入学を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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通信制高校は、学校教育法に定められた正規の高等学校です。全日制や定時制と同じく、卒業すれば高校卒業資格を取得できます。
通信制高校は、毎日通学せずに自宅学習を中心として高校卒業を目指せる教育制度です。通信教育をベースに、必要に応じて学校での面接指導(スクーリング)を受けながら単位を修得していきます。
働きながら学びたい人、不登校を経験した人、スポーツや芸能活動と両立したい人など、さまざまな背景を持つ生徒が在籍しています。
通信制高校は、設置者によって公立と私立の2種類に分かれます。
| 種類 | 設置者 | 特徴 |
| 公立通信制高校 | 都道府県 | 学費が安い。各都道府県に1~2校程度設置。 |
| 私立通信制高校 | 学校法人 | サポート体制が充実。通学スタイルやコースが多様。 |
通信制高校の学習は、レポート・スクーリング・試験の3つで成り立っています。この3つをすべてクリアすることで、科目ごとに単位を修得できます。
自宅で教材を使って学習し、各科目で決められた枚数のレポートを学校に提出します。教員の添削を受けて理解を深めていきます。
学校や指定施設に登校し、教員から直接授業を受けます。出席日数は科目や学校によって異なり、年間数日から週数日程度です。
各科目の定められた時期に試験を受けます。レポートとスクーリングの要件を満たしたうえで試験に合格すると、単位が認定されます。
| 項目 | 全日制高校 | 通信制高校 |
| 通学頻度 | 週5日 | 月1~5日程度(学校により異なる) |
| 学習スタイル | 学校での授業が中心 | 自宅学習が中心 |
| 学年制 | 学年制 | 単位制が主流 |
| 卒業年数 | 3年 | 3年以上 |
通信制高校は自分のペースで学習を進められる柔軟性が最大の特徴です。ただし、自己管理能力が求められるため、計画的な学習姿勢が大切になります。
通信制高校は自宅学習が中心ですが、卒業には一定日数のスクーリング(面接指導)への出席が必要です。スクーリングの実施方法や日数は学校によって大きく異なるため、自分の生活に合った登校スタイルを選ぶことが大切です。
通信制高校のスクーリングは、登校頻度によって以下のタイプに分かれます。
| スクーリングの種類 | 登校頻度 | 特徴 | 向いている人 |
| 年間集中型 | 年に数日~1週間程度 | 夏季や冬季などに集中して実施 | 働きながら学びたい人、遠方に住んでいる人 |
| 月1~2回型 | 月に1~2回 | 定期的に通学しながらマイペースに学習 | 適度な通学リズムを保ちたい人 |
| 週1~3日型 | 週に1~3回 | 教室での学習時間が多く、学習サポートが充実 | 学習習慣を身につけたい人、友人を作りたい人 |
| 週5日型 | 週5回(全日制に近い) | 毎日通学し、専門コースなども選択可能 | 毎日通学したい人、専門スキルを学びたい人 |
年間集中型の一つに、宿泊施設に滞在しながら集中的に授業を受ける合宿型があります。本校が遠方にある広域通信制高校でよく採用されている方式です。
合宿では実験や実技など対面指導が必要な科目を集中的に受講。期間は3泊4日から1週間程度が一般的で、宿泊費用は学費に含まれる場合と別途必要な場合があります。
本校やサポート校、学習センターなどに定期的に通う形式です。教室で直接指導を受けられるため、わからない部分をすぐに質問できるのがメリットです。
通学型ではクラスメイトとの交流機会も多く、学校行事や部活動に参加できる学校も。週の登校日数は学校やコースによって選べます。
近年増えているのが、インターネットを活用したオンラインスクーリング。自宅からリアルタイムで授業に参加できるため、遠方の生徒や外出が難しい生徒も無理なく学習を続けられます。
ビデオ会議システムを使い、教員や他の生徒とやり取りしながら授業を受ける形式です。ただし、実技科目などは対面でのスクーリングが必要になる場合もあります。
スクーリングでは、各教科の授業のほか、以下の活動が行われます。
スクーリングの出席日数は学校や科目によって異なりますが、卒業までに必要な面接指導時間は法令で定められており、最低限の出席は欠かせません。
通信制高校の学習システムは、全日制高校とは大きく異なります。ここでは単位制の仕組みと学期制度について解説します。
通信制高校の多くは単位制を採用しています。学年による区切りがなく、必要な単位数を取れば卒業できる仕組みです。1年生・2年生といった学年の概念がないため、自分のペースで学習を進められます。
単位制の最大のメリットは、留年がないこと。ある科目で単位を取れなくても、翌年以降に再履修すれば問題ありません。科目ごとに履修時期を選べるため、働きながら学ぶ人や体調に合わせて学習したい人に向いています。
| 項目 | 学年制(全日制に多い) | 単位制(通信制に多い) |
| 進級方法 | 学年ごとの進級判定 | 学年の区切りなし |
| 履修順序 | 学年ごとに決められている | 自由に選択可能 |
| 留年 | あり | なし |
| 卒業条件 | 3年間の在籍と単位修得 | 在籍期間と必要単位数の修得 |
通信制高校には、2学期制の学校と3学期制の学校があります。学期制度によって、レポート提出や試験の回数、スクーリングの時期が変わります。
| 学期制 | 区切り | 特徴 |
| 2学期制 | 前期・後期の年2回 | まとまった学習期間が取りやすい |
| 3学期制 | 1学期・2学期・3学期の年3回 | こまめに区切りがあり進捗を確認しやすい |
学期ごとにレポート提出期限や試験が設定されるため、自分の生活リズムに合った学期制度の学校を選びましょう。
単位制の通信制高校では、次のような流れで単位を取得します。
この流れを繰り返し、卒業に必要な74単位以上を修得すれば卒業です。
単位制では、1年間に取る単位数を自分で決められます。体調や仕事の状況に応じて、ある年は多め、別の年は少なめといった調整も可能です。
ただし、3年で卒業するには年間平均25単位ほどが必要です。自分のペースで学べる反面、計画的に進める自己管理も求められます。
通信制高校では、レポート(報告課題)の提出が単位認定の必須条件です。自宅学習の成果を形にする、通信制ならではの学習方法といえます。
レポートは、教科書や学習書をもとに自宅で学習した内容をまとめて提出する課題です。穴埋め形式のプリントや記述式の課題など、形式は科目や学校によって異なります。
各科目で決められた枚数を期限内に提出し、合格点を取ることで単位認定の条件を満たせます。
レポートの提出方法は、学校によって以下のような選択肢があります。
| 提出方法 | 特徴 |
| 郵送提出 | 従来からの方法で、完成したレポートを学校に郵送する |
| オンライン提出 | 学習管理システムを通じてWeb上で提出する |
| 直接提出 | スクーリング時に教員に直接手渡しで提出する |
近年はオンライン提出に対応する学校が増えており、提出状況の確認や期限管理がしやすくなっています。
提出したレポートは担当教員が添削し、評価とコメントをつけて返却されます。正誤だけでなく、理解を深めるためのアドバイスも記載されています。
| 評価 | 内容 |
| 合格 | 基準点以上で次の学習に進める |
| 再提出 | 理解が不十分な箇所があり、修正して再提出が必要 |
再提出になっても、教員の指導をもとに学び直せば問題ありません。
各科目で年間に提出するレポート枚数は決まっており、1単位あたり3〜4枚程度が目安です。
自分のペースで学習できる反面、提出期限を守らないと単位認定試験を受けられなくなります。学習計画を立てて、定期的に取り組むことが大切です。
多くの学校では、学習管理システムや担任制度を通じて進捗を確認し、遅れがあればサポートしてくれます。
通信制高校で単位を取得するには、決められた条件を満たす必要があります。単位認定の仕組みを理解しておけば、無理なく学習計画を立てられます。
通信制高校で単位が認定されるには、次の3つをすべて満たさなければなりません。
| 要素 | 内容 | 目安 |
| レポート提出 | 各科目で定められた課題を期限内に提出し、合格点を取る | 科目ごとに3~12回程度 |
| スクーリング出席 | 面接指導として定められた時間数の授業に出席する | 科目ごとに年間数時間~十数時間 |
| 試験合格 | 単位認定試験で合格点を取る | 年1~2回実施 |
3つすべてをクリアして初めて単位が認定されます。1つでも欠けると認定されないため、バランスよく取り組むことが大切です。
レポートは科目ごとに指定された回数を提出し、添削で合格点を得る必要があります。合格ラインは一般的に60点以上です。
不合格の場合は再提出となりますが、合格するまで何度でも出し直せる学校がほとんどです。ただし再提出にも期限があるため、余裕を持って取り組みましょう。
スクーリングは、文部科学省の学習指導要領で定められた時間数への出席が求められます。必要な時間数は科目によって異なり、たとえば国語総合は8時間、数学Ⅰは6時間といった形で設定されています。
欠席した場合は補習や追加スクーリングで補う必要がありますが、対応は学校ごとに異なります。入学前に確認しておくと安心です。
単位認定試験は学期末や年度末に行われ、各科目で合格点を取らなければなりません。合格ラインは60点以上が一般的ですが、学校によって異なります。
試験形式は筆記が中心で、実技科目では実技試験やレポート評価で代替されるケースもあります。
不合格でも再試験を受けられる学校が多く、追試の機会が用意されているのが通常です。ただし追試にも期限があるため、日頃からコツコツ学習しておくことが大切でしょう。
修得した単位数は学期ごとに通知され、成績表や単位修得証明書で確認できます。卒業には74単位以上が必要なので、定期的に自分の進捗を把握しておくのがポイントです。
最近は生徒用ポータルサイトやアプリで、リアルタイムに単位修得状況をチェックできる学校も増えてきました。
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通信制高校を卒業するには、文部科学省が定めた基準を満たさなければなりません。全日制高校と同じ高校卒業資格を取得できますが、学習方法が異なるため、卒業要件にも通信制ならではの特徴があります。
通信制高校を卒業するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 | 備考 |
| 修得単位数 | 74単位以上 | 必履修科目を含む |
| 在籍期間 | 3年以上 | 転入・編入の場合は前籍校の期間を含む |
| 特別活動 | 30単位時間以上 | ホームルーム活動、学校行事など |
卒業に必要な74単位のうち、文部科学省が定める必履修科目は必ず修得しなければなりません。必履修科目には国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報、総合的な探究の時間などが含まれます。
残りの単位は選択科目から自由に履修でき、自分の興味や進路に合わせた科目選択が可能。専門科目や検定対策科目を用意している学校もあります。
通信制高校の卒業には最低3年間の在籍が必要です。単位をすべて取得しても、在籍期間が3年未満であれば卒業できません。
転入や編入の場合は、前の高校での在籍期間を通算できます。たとえば、全日制高校に1年間在籍した後に通信制高校へ転入した場合、通信制での在籍が2年以上あれば卒業要件を満たせます。
特別活動とは、ホームルーム活動や学校行事への参加のことです。入学式、卒業式、文化祭、体育祭、遠足、進路ガイダンスなどが該当します。
実施内容は学校によって異なりますが、3年間で合計30単位時間(1単位時間=50分)以上の参加が卒業の必須条件です。年間10単位時間程度が目安となります。
通信制高校は3年で卒業できますが、実際の卒業までの期間は個人の学習ペースによって異なります。新入学の場合は最短3年、転入・編入の場合は前籍校の在籍期間により最短2年または1年での卒業も可能です。
単位制を採用している通信制高校には学年という概念がなく、自分のペースで学習を進められます。仕事やアルバイトと両立しながら4年以上かけて卒業する人も少なくありません。
以下のような場合、卒業が延期になることがあります。
ただし、通信制高校には留年という概念がなく、不足分を次の学期や年度で満たせば卒業できます。計画的に学習を進めれば、確実に卒業要件を達成できるでしょう。
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ高卒資格が得られます。進学・就職・資格取得など、進路の選択肢は全日制と変わりません。
通信制高校の卒業資格は、大学・短大の受験で全日制と同じ扱いです。一般入試、総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜など、すべての入試形態に出願できます。
近年は、通信制高校から国公立大学や難関私立大学への進学実績も増えています。大学進学コースを設けて、予備校と提携した受験対策や個別指導を行う学校も多くあります。
専門学校への進学も多い進路です。美容、調理、IT、医療、福祉など、専門技術や資格取得を目指す生徒が選んでいます。
高校時代は自分のペースで学びながら将来の方向性を探り、卒業後に専門学校で本格的に学ぶ——こうした流れが取れるのも通信制高校のメリットです。
卒業後、直接就職する道もあります。高卒資格があるため、「高卒以上」を条件とする求人に応募できます。
就職支援やキャリアカウンセリング、インターンシップの機会を設けている学校もあります。在学中のアルバイトや職業体験で培った社会経験が、就職活動で評価されることも珍しくありません。
卒業後、資格取得を目指して各種スクールに通ったり、独学で学び続ける選択肢もあります。語学、プログラミング、デザイン、会計など、興味のある分野を磨いてキャリアの幅を広げる人も多くいます。
通信制高校卒業生の進路は、おおむね以下のような傾向です。
| 進路区分 | 割合の目安 | 特徴 |
| 大学・短大進学 | 約20~30% | 進学コース設置校では50%以上の実績も |
| 専門学校進学 | 約25~35% | 実践的なスキル習得を目指す生徒が選択 |
| 就職 | 約20~30% | 在学中の経験を活かしたキャリア選択 |
| その他(進学準備・就職活動継続等) | 約30~40% | 自分のペースで次のステップを模索 |
数値は学校や地域で差があります。近年、通信制高校からの大学進学率は上昇傾向にあり、2023年度には専門学校進学率を初めて上回りました。通信制高校の卒業生が多様な進路を実現していることがわかります。
多くの通信制高校では、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたサポート体制を整えています。進路相談、面接指導、小論文添削、志望理由書の作成支援など、きめ細かなサポートを受けることができます。
また、卒業後も相談に応じてくれる学校や、卒業生向けの進路サポートを継続している学校もあります。自分の目標に向かって、焦らず着実に準備を進められる環境が整っています。
通信制高校では、全日制にはない柔軟な学習スタイルを選べます。ここでは代表的な学び方を紹介します。
決まった時間割がないため、自分の生活リズムに合わせて学習できます。朝が苦手なら午後から始める、集中できる深夜に勉強するなど、自由に時間を使えます。アルバイトや習い事との両立もしやすい環境です。
日中は仕事、夜間や休日に学習というスタイルが可能です。芸能活動やスポーツに打ち込みながら高卒資格を取る生徒も少なくありません。
高卒資格の取得に加えて、専門的なスキルを身につけられるコースを設けている学校もあります。
| 分野 | 学べる内容 | 目指せる進路 |
| IT・プログラミング | プログラミング言語、Webデザイン、アプリ開発 | システムエンジニア、Webデザイナー |
| 美容・ファッション | メイク技術、ネイルアート、スタイリング | 美容師、ファッションデザイナー |
| 声優・芸能 | 演技、発声、オーディション対策 | 声優、俳優、タレント |
| スポーツ | 専門トレーニング、スポーツ理論 | プロスポーツ選手、インストラクター |
ネット環境があれば、自宅でも外出先でも学習できます。映像授業やオンライン教材を使えば、通学の負担を減らしながら学べます。海外在住の生徒や、体調面で通学が難しい生徒にも向いています。
少人数制や個別指導を採用している学校が多く、一人ひとりの理解度に合わせた指導を受けられます。つまずいた箇所を丁寧に学び直せるほか、学習計画や進路の相談にも応じてもらえます。
全日制で不登校を経験した生徒にとって、通信制高校はプレッシャーの少ない環境です。集団生活や対人関係に不安があっても、自分のペースで学習を進められます。カウンセラーが常駐している学校もあり、メンタル面のサポートを受けることも可能です。
年に数日〜数週間の集中スクーリングを選べば、普段は自宅学習に専念し、必要なときだけ通学するスタイルも可能です。合宿形式のスクーリングでは、全国から集まる同年代の仲間と交流できます。
通信制高校は、レポート提出・スクーリング・試験の3つを軸に、自分のペースで高校卒業資格を取得できる教育制度です。単位制のため留年がなく、74単位以上の修得と3年以上の在籍で卒業となります。
学校選びでは、スクーリングの頻度や場所、サポート体制、学費、進学実績などを総合的に比較することが大切。自分の学習スタイルや将来の目標、通える範囲、経済的な条件を整理したうえで、複数の学校から資料を取り寄せたり、説明会に足を運んだりしてみてください。
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