
「不登校だと全日制高校は無理」と諦める必要はありません。欠席日数や内申点に不安があっても、正しい対策を知れば合格は十分可能です。
本記事では、不利な状況をカバーする「特別枠」の仕組みや、志望校選び、面接のコツを具体的に解説します。学力を取り戻す勉強法も網羅。
この記事を読めば、全日制高校を目指す場合の具体的な道筋が見えてきます。
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結論から言えば、不登校から全日制高校への進学は十分に可能です。「欠席が多いから門前払いされるのでは?」と不安になるかもしれませんが、毎年多くの先輩たちが全日制の合格を勝ち取り、新しい高校生活をスタートさせています。
文部科学省の調査によると、不登校を経験した中学生の多くが高校へ進学しています。注目すべきは、通信制だけでなく「全日制」を選ぶ生徒が最も多いという事実です。
| 進学先 | 割合 | 特徴 |
| 全日制高校 | 約40~50% | 公立・私立ともに受け入れあり |
| 通信制高校 | 約30~35% | 出席日数の制約が少ない |
| 定時制高校 | 約10~15% | 自分のペースで学習可能 |
| その他・進学準備 | 約10~15% | 一時的な準備期間として |
「不登校=合格率が低い」というわけではありません。入試の評価基準は学校によって異なり、特に私立高校では「当日の試験結果」を最優先する学校が数多くあります。しっかりと対策をして本番で実力を出せれば、不登校という経歴が合否を決定づけることはありません。
なぜ今、あえて全日制を目指す不登校生が増えているのでしょうか。そこには前向きな理由があります。
保護者も生徒も「自分には無理だ」と壁を作ってしまいがちですが、それは非常にもったいない誤解です。入試で評価されるのは「過去」よりも「今」と「これから」です。
実際、中学3年間をほぼ自宅で過ごした生徒が、全日制高校に入学した途端に皆勤で卒業するケースも珍しくありません。「環境が変われば自分も変われる」という可能性を信じて、今できる準備に集中しましょう。
不登校からの進学で一番気になるのが、「休みが多いと落とされるのか?」という点でしょう。結論から言えば、出席日数が合否のすべてを決めるわけではありません。入試の仕組みを正しく知れば、今の状況からどう動くべきかが見えてきます。
出席日数は合否にどこまで影響するのか
入試において出席日数は「調査書(内申書)」の一部として扱われます。多くの自治体では、年間の欠席が30日を超えると通知表に理由を記す必要が出てきたり、一部の選考で審議対象になったりする傾向があります。
しかし、欠席が多いからといって即不合格になることはありません。50日以上の欠席がある場合でも、面接や書類で「今は改善していること」や「入学後の意欲」をしっかり伝えられれば、学力検査の結果とあわせて総合的に評価してもらえます。
内申点は中学の成績を数値化したもので、公立高校入試では「当日の試験点数」と合算して判定されます。比率は「内申:当日点 = 5:5」や「4:6」など、学校や地域によって異なります。
不登校の場合、テスト未受験や提出物の不足で内申点が低くなるのが現実です。自分の今の立ち位置を確認し、最適な戦略を立てましょう。
| 状況 | 内申点への影響 | 対策 |
| 定期テストは受けている | 評定がつく可能性が高い | テストの点数を上げる努力を継続する |
| テストも受けていない | 評定が低い、またはつかない | 当日の学力検査で挽回する |
| 保健室登校や別室登校 | 出席扱いになる場合がある | 担任と連携し記録する |
内申点でハンデがあるのは事実ですが、それは「当日点で挽回できる」ということでもあります。
特に、筆記試験の配点比重が高い進学校や、独自の選抜枠を設けている高校では、内申の遅れを試験結果でひっくり返すことが可能です。また、私立高校には内申をほとんど見ず、当日の実力だけで合否を出す学校も多く存在します。自分の「今の学力」を最大限に評価してくれる学校を選ぶことが、合格への最短ルートです。
不登校の経歴が合否に響くのではないかと不安な方に知っておいてほしいのが、多くの高校が設けている「救済措置」です。特別な選抜枠や、欠席の事情を説明できる仕組みを利用すれば、進学の可能性はぐっと広がります。
全国の自治体で、不登校生徒が不利になりすぎないための入試制度が整えられています。代表的なものは以下の3つです。
| 制度名 | 特徴 | 主な実施地域 |
| 自己推薦入試 | 内申点よりも本人の意欲や将来性を重視。面接・作文が中心。 | 東京都、神奈川県、埼玉県など |
| 特別選抜枠 | 不登校経験者専用の入学枠。出席日数不問の場合が多い。 | 大阪府、京都府、兵庫県など |
| 自己申告書制度 | 欠席理由や事情を書面で説明でき、選考に考慮される。 | 大阪府、神奈川県、千葉県など |
自己申告書は、通知表などの数字には表れない「あなたの事情や努力」を直接学校に伝えるための重要書類です。
自己申告書には以下の要素を含めることが重要です。
まずは、お住まいの地域の教育委員会ホームページで「不登校生徒への配慮」や「特別選抜」といったワードを検索してみましょう。
また、担任の先生や教育支援センターなどは地域の具体的なノウハウを持っています。資料を取り寄せるだけでなく、相談を通じて「自分のようなタイプが実際に合格しているか」を確認するのが確実です。
これらの制度は非常に有効ですが、「出せば必ず合格できる」という魔法の杖ではありません。当日の基礎学力や面接の態度は依然として重視されます。
また、提出期限が通常の願書より早いケースも多いため、早めのスケジュール確認が必須です。記入例を早めに入手し、保護者や信頼できる大人と一緒に、余裕を持って準備を進めましょう。
不登校の経験がある場合、公立と私立のどちらを目指すかは合格の可能性を左右する大きな分かれ道です。入試の仕組みや受け入れ体制が根本的に異なるため、自分の今の状況に合った「戦いやすい方」を見極めることが重要です。
| 項目 | 公立高校 | 私立高校 |
| 内申点の比重 | 高い(入試得点の50%程度を占める地域も) | 学校により柔軟(当日試験重視の学校も多い) |
| 出席日数の影響 | 内申点に直結し合否に大きく影響 | 個別に判断されることが多い |
| 面接の有無 | 一部の学校・コースで実施 | ほとんどの学校で実施 |
| 特別枠・配慮 | 限定的(自己申告制度のある地域のみ) | 不登校枠や個別相談で対応する学校あり |
| 学費 | 年間約12万円程度 | 年間約70万円〜100万円以上 |
公立は「中学時代の記録(内申点)」を重視しますが、私立は「当日の実力」と「これからの意欲」を評価してくれる学校が多いのが特徴です。
公立高校への進学が現実的なのは、次のような状況にある方です。
大阪や京都のように「自己申告書」で事情を説明できる地域なら、欠席日数だけで不利になるのを避けられるため、公立も有力な選択肢になります。
私立高校は、次のようなタイプの方にチャンスが多いといえます。
私立は個別相談で事情を聞いてくれる学校もあり、偏差値や数字だけでは測れない「本人の可能性」を評価してもらえるのが強みです。
「私立は高いから無理」と決めつけるのは早計です。現在は「就学支援金制度」が充実しており、年収目安が約590万円未満の世帯であれば、私立の授業料も実質無償化(または大幅軽減)されるケースが増えています。
ただし、入学金、施設費、制服代、修学旅行の積立金などは別途必要になります。トータルでかかる費用を事前に確認しておきましょう。
「内申点に自信があり、学費を抑えたいなら公立」「内申点が厳しく、個別対応や逆転合格を狙うなら私立」というのが基本の考え方です。
しかし、最も大切なのは「その学校の雰囲気」です。偏差値や合格率だけでなく、実際に足を運んで「ここなら毎日通えそうか」を親子で肌感覚として確かめることが、失敗しない進路選びの鉄則です。
志望校を選ぶ際、最も大切なのは「入試の通りやすさ」だけではありません。本当の意味で不登校に理解がある学校とは、入学後に本人が無理なく通い続けられる環境が整っている学校のことです。
「理解がある」とは何を指すのか
「不登校に理解がある」とは、単に入試で欠席を不問にすることではなく、入学後の「学習の遅れ」「メンタル面」「出席の柔軟さ」に対して具体的なサポート体制があることを指します。
「頑張れば通える」という精神論ではなく、例えば「週に数回は保健室登校から始めても単位として認める」といった、現実的な配慮があるかどうかを確認しましょう。
| 確認項目 | 具体的な確認内容 | 理由 |
| スクールカウンセラーの配置 | 常勤か非常勤か、面談頻度 | 継続的な心理サポートが受けられるか |
| 保健室登校の可否 | 制度として認めているか | 段階的な学校復帰が可能か |
| 補習・個別指導の体制 | 学習の遅れへの対応 | 学力面のフォローがあるか |
| 不登校経験者の在籍数 | 過去の受け入れ実績 | 実際の支援ノウハウがあるか |
| 出席日数への配慮 | 進級・卒業要件の柔軟性 | 再び不調になった時に対応できるか |
全体説明会では聞きにくいことも、個別相談では思い切って質問してみましょう。学校側の「本気度」が見えてきます。
ポイントは、自分の状況を正直に話した際の「反応」を見ることです。面倒そうな顔をせず、具体的な解決策を提案してくれる学校は信頼できます。
学校が公表する「良い面」だけでなく、実態を知るには生の声が一番です。
「不登校だったけれど無事に卒業した」という実績がある学校なら、先生方も対応に慣れている可能性が高いです。
公立と私立では、支援の「形」が異なります。
松陰高等学校町田校では、体験イベントや学校見学を開催しています。
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不登校の期間があると、「授業の遅れを取り戻せるのか」と焦るものです。しかし、入試に出るポイントを絞り、戦略的に学習を進めれば、ブランクは十分カバーできます。限られた時間で効率よく学力を伸ばすコツを見ていきましょう。
まずは「どこまで分かっていて、どこから手がつかないのか」をはっきりさせることがスタートです。学年をさかのぼって、基本問題が解けるかチェックしてみましょう。
特に数学や英語は、前の単元が分からないと先へ進めない「積み上げ型」の教科です。無料の診断テストやオンライン教材を活用して、つまずいている場所を特定し、そこをピンポイントで埋めていくのが最も効率的な方法です。
全範囲を完璧にしようとするとパンクしてしまいます。志望校の配点を確認し、「どこで点をもぎ取るか」を決めましょう。
| 科目 | 優先度の判断基準 | 学習のポイント |
| 国語 | 全校必須・配点高め | 読解力と漢字を中心に基礎固め |
| 数学 | 配点高い学校が多い | 計算問題と頻出単元を優先 |
| 英語 | 私立では重視される | 単語と文法、長文読解の基礎 |
| 理科・社会 | 暗記要素が多い | 過去問から頻出分野を把握 |
不登校中の勉強は「自宅でいかに集中できるか」が鍵。自分に合うスタイルを選びましょう。
大切なのは「最初から飛ばしすぎない」こと。まずは1日30分からでも、毎日決まった時間に机に向かう習慣を作ることから始めましょう。
一人で机に向かうのが辛い時は、外の力を借りるのも手です。不登校生向けの学習支援を行っているフリースクールや教育支援センターでは、個別の習熟度に合わせて指導してくれます。
同じような悩みを持つ仲間がいる環境は、孤独感を和らげ、精神的な支えにもなります。「外に出て勉強する」というリズム自体が、受験への良い準備運動になります。
基礎が少しずつ固まってきたら、早めに「過去問」に触れてみましょう。敵を知ることで、やるべきことがより明確になります。
最初は時間がかかっても、点数が低くても気にしなくて大丈夫です。「出題のクセ」や「時間の使い方」を肌で感じることが目的です。解けなかった問題こそが、これから伸びる伸びしろだと捉えて復習を徹底しましょう。
長丁場の受験勉強では、やる気の波があって当然です。以下の工夫で、自分を上手にコントロールしましょう。
完璧主義は挫折の元。できることから少しずつ積み重ねていけば、学力は必ず回復します。自分のペースを崩さず、着実に進めていきましょう。
全日制高校の面接では、不登校の経緯について質問されることが珍しくありません。しかし、面接官はあなたを責めるために聞くのではありません。「自分の状況をどう捉え、今はどれくらい前を向けているか」を確認したいのです。正直かつ、未来への意欲が伝わる答え方を準備しておきましょう。
不登校経験者が面接で聞かれやすい質問を事前に把握しておくことで、落ち着いて対応できます。
| 質問例 | 面接官の確認ポイント |
| なぜ学校に行けなくなったのですか | 自己理解の深さと原因分析ができているか |
| その間、どのように過ごしていましたか | 空白期間を無駄にせず努力していたか |
| 高校では通い続けられそうですか | 再発防止の意識と具体的な対策があるか |
| 高校で頑張りたいことは何ですか | 明確な目標と意欲があるか |
大切なのは、嘘をつかずに事実を簡潔に伝えることです。すべてをさらけ出す必要はありませんが、「原因を整理し、自分なりに向き合ってきた過程」を話すことで、精神的な成長を感じさせることができます。
注意点は、人や環境のせいにしすぎないこと。たとえ原因が周囲にあったとしても、「〇〇のせいで行けなくなった」と攻撃的な表現にするのではなく、「当時は周囲とうまく折り合いがつかなかった」など、客観的な事実として伝える方が印象は良くなります。
「中学2年生の時、周囲との人間関係に悩み、登校が難しくなりました。当時は気持ちの整理がつきませんでしたが、休んでいる間に相談機関などを通じて自分を見つめ直し、フリースクールで学習を再開しました。高校では新しい環境で、自分から積極的に周囲と関わっていきたいです。」
「中学1年生の後半から体調を崩し、朝起きるのが困難な時期がありました。その後、医療機関のアドバイスを受けながら生活リズムを整え、現在は安定して過ごせています。高校でもこの習慣を継続し、毎日しっかり登校したいと考えています。」
「授業の内容が難しくなり、一度つまずいたことで自信を失ってしまいました。休止期間中に基礎から学び直したことで、少しずつ自信を取り戻せました。高校では分からないところをそのままにせず、積極的に先生に質問して取り組みたいです。」
どんな理由であっても、次の3つの流れで構成すると説得力が増します。
この構成なら、過去のマイナスを「成長のための必要な期間」としてプラスの印象に書き換えられます。
面接は「対話」です。丸暗記した文章を読み上げるのではなく、自分の言葉で伝えられるよう、家族や先生と練習を重ねましょう。
もし答えにくい質問をされても、焦らなくて大丈夫です。一呼吸おいて「少し考えさせてください」と言っても失礼にはあたりません。完璧な受け答えよりも、あなたの誠実な態度と「通いたい」という熱意こそが、最も評価されるポイントです。
全日制高校への合格は素晴らしい一歩ですが、そこがゴールではありません。環境の変化や新しい人間関係、勉強のスピードなど、入学後には特有のプレッシャーがかかります。無理なく学校生活を続けるために、今のうちから「心と環境」の準備を整えておきましょう。
新しい生活をスムーズに始めるために、大切にしたい3つのマインドセットをご紹介します。
| 心構え | 具体的な意識のポイント |
| 完璧を目指さない | 毎日登校できなくても大丈夫という気持ちで、小さな成功を積み重ねる |
| 比較しない | 周囲の生徒と自分を比べず、自分のペースで成長することを意識する |
| 助けを求める勇気 | 困ったときは担任や保健室、スクールカウンセラーに相談できると知っておく |
不登校期間中に夜型の生活になっていた場合、急な早起きは心身に大きな負担となります。入学前の春休みを利用して、少しずつ「朝型」へシフトしましょう。
ポイントは、一気に変えようとしないこと。毎日10分ずつ起床を早める、あるいは「寝る時間」を固定するなど、体へのストレスが少ない方法で、段階的に体を慣らしていくのがコツです。
入学して落ち着いた頃に……と後回しにせず、最初のうちに担任の先生やスクールカウンセラーと面談しておくのがベストです。
不登校の経験があることを事前に共有しておけば、万が一欠席が続いた際も、学校側がスムーズに個別対応(別室登校の検討など)に動いてくれます。「困ってから相談する」のではなく、「困る前にパイプを作っておく」ことが、最大の予防策になります。
「せっかく合格したのだから」という親御さんの期待は、お子さんにとって強いプレッシャーになることがあります。
大切なのは、過干渉にならず「見守る」姿勢です。登校を強く促すよりも、家庭を「学校で疲れた心を癒せる安全な場所」に保つことを優先してください。小さな体調の変化をキャッチしつつ、本人のペースを尊重するバランス感覚が、継続的な通学を支える力になります。
学校が「生活のすべて」になってしまうと、そこでつまずいた時に逃げ場がなくなってしまいます。
趣味のサークル、習い事、オンラインのコミュニティなど、学校以外の居場所を一つでも持っておきましょう。もし学校で嫌なことがあっても、「自分を受け入れてくれる場所は他にもある」と思えるだけで、心の安定感は驚くほど変わります。
不登校からの全日制進学は、決して無謀な挑戦ではありません。ただし、状況によっては全日制以外の選択が合う場合もあります。大切なのは『全日制に行けるかどうか』ではなく、『お子さんが無理なく通い続けられる環境かどうか』です。出席日数や内申点に不安があっても、『自己申告書』や『特別枠』といった制度を活用しながら、親子で納得できる進路を一つずつ探していきましょう。
大切なのは、過去の経歴に縛られすぎないことです。私立高校を含めた幅広い選択肢から自分に合う場所を探し、面接では「これからの意欲」をまっすぐに伝えましょう。学力のブランクも、焦らずポイントを絞って進めば取り戻せます。
合格はゴールではなく、新しい生活のスタートです。入学後のサポート体制まで見据えた学校選びを心がけ、無理のない範囲で、できそうな一歩から始めてみましょう。納得のいく未来は、その積み重ねの先に必ず待っています。
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